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文書質問趣意書

2010年12月13日   
日本共産党・清水ひで子

生産緑地に関する制度の創設について

 都市の農業と農地の保全を実効あるものにするためには、都として、都市の農地が果たしている、緑の環境や酸素の供給、防災機能など、都市生活に欠かせない多面的な役割を重視し、農家へ何らかの支援をすることが必要です。
 わが党は、これまで2008年第1回定例会、および第3回定例会、今年第2回定例会とくり返し、生産緑地の減少を防止する支援制度を提案してきました。
 今年の第2回定例会では、農業者からの生産緑地の買い取り申請数にたいして、自治体が買い取ったものが5%に満たないというわが党の独自調査結果も例示し、地元自治体と連携して生産緑地を買い取る制度をつくって、公立の農業公園というようなものをつくるよう提案しました。

Q1 生産緑地の買取申出のあった場合、公共施設の設置が予定されている場合の区市町村など当該公共施設の事業者が、国や都の各種補助制度を活用すること、および区部における都市計画交付金制度にもとづく支援など、既存の補助制度の活用を都はすすめていますが、その制度の有効性、限界性についてどのように認識していますか。

A1 公共施設の設置が予定されている生産緑地について、買取りの申出があったときは、当該公共施設の事業者である区市などが、事業化の見通しを考慮し、必要と判断する場合、当該生産緑地を取得しています。  その際、公共施設整備のための既存の補助制度は、区市などの財政負担を軽減するものであることから、生産緑地の買取りを進める上で有効であると考えます。

Q2 わが党は、生産緑地の買い取り申請がされた場合の各種の補助制度をつくるよう要望してきましたが、都は今年度「緑確保の総合的な方針」をつくりました。その中で、「農の風景育成地区」制度を創設し、地域に比較的まとまった農地や屋敷林が残っている場合などを対象として、保全していくとしています。
 今後、この仕組みはどのような検討を進め、具体化していきますか。

A2 「農の風景育成地区」制度については、区市町村や関係局などとも連携しながら、年度内の具体化に向け、都市計画手法の活用などについて検討を進めていきます。

Q3 こうした仕組みづくりは、区市町村、農業者、農業関係者等と連携して取り組むことも重要だと思いますがいかがですか。周知状況はどうですか。

A3 「農の風景育成地区」制度の創設に向け、既に区市町村等と検討を開始しており、今後、農業関係者などとも協議していくこととしています。  都は、これまでも関係機関とともに、都市農業の振興や農地の保全に取り組んできており、本制度の創設についても同様に対応していきます。

Q4 今年度、市長会からは、買い取り申請があった「土地を買い取ることは、市の財政にとって容易なことではない」ため「生産緑地地区の買い取り申し出があった場合、市が公共用地として速やかに買い取ることができるよう」財政支援措置制度の創設を要望しています。
 都市の緑を保全していく上で、市町村会の要望に答えることは重要だと思います。この制度については、今後、何らかの具体化を検討しているものはありますか。

A4 買取りの申出があった生産緑地について、公園や道路などの公共施設が予定されている場合には、区市など当該公共施設の事業者が、国や都の各種補助制度を活用して買取りすべきものと考えます。  なお、公共施設が予定されていない生産緑地の買取りについては、生産緑地法第11条に基づき、区市長の責任で対応することとなっており、都が支援することは考えていません。

以上