2013年度第3回定例会 文書質問趣意書 10月9日
小竹ひろ子
シルバーパスの拡充について
今年も9月のシルバーパス更新の時期が過ぎました。
私の住む文京区では、公衆浴場の廃業が続き、バスに乗らなければ風呂屋にも行けない、近くに買い物できる店もないなど、高齢者のくらしが困難になっています。
「バスに乗らないと風呂にも行けない。1回行くとバス代と風呂代で千円近くになる。かといって2万円以上もするシルバーパスは買えない。何とか安くならないか」「月13万円の年金だが、わずかに住民税を払っているのでパスが20,510円になり、とても買えない。何とかして」「2万円以上もするパスは買えないよ。介護保険料や国民健康保険料が引かれ、その上年金も減らされたら、出かけることもできなくなる。高齢者の引きこもりが増えるよ」等々、その訴えは切実です。
高齢者クラブの会長さんや町会長さんたちからも、切実な声が上がっています。
2012年の国民生活基礎調査によれば、高齢者世帯の6割が年収300万円未満であり、40・3%が年収200万円未満、うち15%は100万円未満です。10年の同調査によれば、貯蓄も200万円未満が3割、貯蓄なしが1割以上を占めています。
もともと暮らしが厳しい大変な状況にある上、今年10月から公的年金の支給が1%引き下げられ、15年までに2・5%、基礎年金で年間平均1万6千円も削られようとしています。その上、消費税増税や社会保険料等の値上げも計画されています。このままでは、多くの高齢者が出かけることも毎日の生活もままならない状況に追い込まれかねません。
高齢者にとって電車やバスなどの交通機関は重要な役割を果たしています。2007年度の文京区介護予防給付対象者実態調査によれば、「バスや電車を使って一人で外出できる」と答えた人が60・8%います。また、2010年度の台東区高齢者実態調査では、回答した一般高齢者の85.5%が「バスや電車を使って一人で外出している」と答えています。
バスや電車が多くの高齢者の交通手段になっていることからも、高齢者が気軽に外出できるようにし、介護予防をすすめるためにシルバーパスが役立つものであると考えられるのではないでしょうか。
Q1 シルバーパスは石原前都政下の2000年度に全面有料化され、住民税非課税者は1,000円、住民税課税者は20,510円となりました。
その結果、99年度には70歳以上の高齢者の71・8%がシルバーパスを利用していたものが年々減少して、2012年度には47・7%にまで低下しています。なかでも20,510円のパスの利用者は、2007年度から12年度の5年間に113,461人から101,412人に10・6%も減っています。1,000円パスの利用者は同じ5年間に、682,895人から812,830人に19・0%増えているのです。このことから、20,510円のパスの負担が重いことは明らかではないでしょうか。
70歳以上の高齢者人口が増え、1,000円パスの利用者は増えているのに20,510円パスの利用者が減っている原因を、都はどう考えているのですか。
Q2 高齢者の年金支給額の引き下げが始まった下で、すべての高齢者が所得に応じてシルバーパスを購入し、気がねなくバスや電車で出かけられるようにし、社会参加をすすめ、元気に老後を過ごせるようにするべきです。そのために今こそ住民税課税者は一律20,510円という現行制度を見直して、3,000円、5,000円のパスを作るべきと考えますが、いかがですか。
Q3 東京メトロは都民の足として都営交通とともに重要な役割を果たしています。「シルバーパスをメトロでも使えるようにしてほしい」との切実な声が大きく寄せられています。この声をどう受け止めていますか。
Q4 都は、国土交通省と東京メトロとの3者で協議会を立ち上げ、都営地下鉄と東京メトロとの一体的サービス改善の協議を始めました。都民の立場から一体的サービスを進めるのなら、シルバーパスを東京メトロでも使えるようにする検討・協議がぜひとも必要ではありませんか。
Q5 多摩地域の人たちから要望が強く出されている多摩都市モノレールや臨海部のゆりかもめも使えるようにして、高齢者の方々が家族等に気がねなく外出でき、元気で長生きできるようにすべきではないでしょうか。ぜひ実現させてください。
フ利用者負担を引き下げるという趣旨であれば、そうした措置を実施する考えはありません。Q3 東京メトロは都民の足として都営交通とともに重要な役割を果たしています。「シルバーパスをメトロでも使えるようにしてほしい」との切実な声が大きく寄せられています。この声をどう受け止めていますか。
回答3 シルバーパスの利用対象交通機関は、東京都シルバーパス条例により、都営交通及び路線バスとなっており、新たに対象を拡大する考えはありません。
Q4 都は、国土交通省と東京メトロとの3者で協議会を立ち上げ、都営地下鉄と東京メトロとの一体的サービス改善の協議を始めました。都民の立場から一体的サービスを進めるのなら、シルバーパスを東京メトロでも使えるようにする検討・協議がぜひとも必要ではありませんか。
回答4 都は、地下鉄一元化を展望しつつ、都営地下鉄と東京メトロの乗り継ぎ改善など、サービスの改善・一体化を推進するため、「東京の地下鉄の運営改革会議」を設置しました。シルバーパスの利用対象交通機関を新たに拡大する考えもないことから、同会議において、シルバーパスを東京メトロでも使えるようにする検討・協議を行う予定はありません。
Q5 多摩地域の人たちから要望が強く出されている多摩都市モノレールや臨海部のゆりかもめも使えるようにして、高齢者の方々が家族等に気がねなく外出でき、元気で長生きできるようにすべきではないでしょうか。ぜひ実現させてください。
回答5 シルバーパスの利用対象交通機関は、東京都シルバーパス条例により、都営交通及び路線バスとなっており、新たに対象を拡大する考えはありません。