2013年第3回定例会文書質問趣旨書 10月9日

植木こうじ(中野区選出)

一、西武新宿線の地下化促進で踏切渋滞解消を

1、10月1日、JR横浜線の踏切を渡る途中で動けなくなった高齢者を助けようとした女性が、電車にはねられ死亡するという痛ましい事故がありました。

Q1 こうした踏切事故のたびに「二度と再び、このような事故が起きないように」と踏み切りの改善が叫ばれます。東京都は、2004年に「踏切対策基本指針」の具体化を発表しましたが、どこまで進んでいるのですか。また、計画を進めるに当たっては住民の協力を得る上でも直接かかわりを持つ周辺住民の要望を尊重しながらすすめることがいっそう重要になっていると思いますが、見解を伺います。

2、中野でも、2003年に中野区町会連合会が区民の切実な声を受けて提出した、区内全線地下化を求める6万9千余名の「中野区内の西武鉄道新宿線の踏切解消促進に関する請願」が都議会で趣旨採択されました。
 翌2004年には、町会、商店会、PTA、区議会、区、住民団体が共同で西武新宿線の踏切渋滞解消に向けて、地下化の実現目指して区民の総意として「西武新宿線踏切渋滞解消促進期成同盟」結成大会を開催し、国、東京都及び西武鉄道等関係機関への要請活動を行ってきました。

Q2 このように、中野区民の一貫した要望は、区内全面地下化だということを認識していますか。

Q3 また、地下化を求める区民の要望を尊重しながら踏切解消の検討を進めるべきと思いますが、見解を伺います。

3、私は、都議になる前から、松本善明衆議院議員(当時)と西武本社を訪ねて地下化促進を求めてきました。また、現在の連続立体交差事業の前に、新宿駅から上石神井駅間の地下急行線の「複々線建設計画」が1993年に都市計画決定され住民説明会まで開催され、これで、少しでも渋滞が改善できると期待し、応援してきました。ところが、翌々年に突然、西武鉄道が一方的に東京都に計画の延期を表明したのです。驚いた中野区と私を含めた中野区選出4人の都議が超党派で「複々線建設計画」を再開すべきだと都知事や関係者に申し入れましたが、事実上の凍結・中止になってしまいました。
 その後、22年前、地域住民により「西武新宿線鷺ノ宮・都立家政駅利用者の会」が結成され、中野区や西武鉄道株式会社に地下化促進などの署名を提出すると同時に都や国交省に申し入れてきました。同時に、鷺ノ宮駅のすぐの第一号踏み切り(中杉通り)の改善のため、幅員の拡張の障害だった石柱の撤去や踏み切り幅員の拡張など少しずつ西武に改善させてきましたが、やはり、根本的な解決のためには地下化が欠かせません。  こうして、区民の総意でようやく野方駅から中井駅までの区間の地下化が決まって喜んでいましたら、新井薬師前駅周辺の住民が突然立ち退きを迫られるという驚く事態や中野区の周辺街づくりとの関係がでてきました。
 周辺街づくりについては、中野区に住民参加をいっそう重視するよう求めていきたいと考えています。
 新井薬師前駅周辺の住民は、地下化計画は現在の線路の真下を通る計画だと都や区の説明を受けて賛成してきた、しかし、発表された計画は線形が変えられており、それも、住民が説明会場で質問をして初めて、鉄道の線形が変えられていて住民の立ち退きがあるということがわかり、驚いて、「何故、これまで住民に説明してこなかったのか」と詰め寄る事態になりました。

Q4 質問しなければ住民には知らせないという姿勢は、住民は黙って行政に従えというもので絶対許せません、今後改めるべきと思うが、お答えください。

Q5 また、今後こうした事態を避けるために早い段階で住民の意見を聞きながら計画そのものについて検討を行う姿勢が重要だと思いますが認識を伺います。

4、何故、住民に説明もしないで線形を変えようとしたのか。新井薬師前駅のカーブは、西武新宿線を敷設したときから半径300mであり、車輌とホームの隙間は最大で30cmあり、この80年間改善を一切してきませんでした。安全性に配慮することは当然であるが、一方的に鉄道線路の半径300mをいきなり500mに変更し、内規だからと問答無用の姿勢で住民にその責任のしわ寄せを押し付けようとし、自らさまざまな角度からの検討を怠っていることを住民は怒っているのです。現在、納得いく説明と努力なしに測量には応じられないと説明を求めているにもかかわらず測量を進めています。
 新井薬師前駅部分のカーブの安全性の問題では、前記の「西武鉄道新宿線複々線建設計画」が都市計画決定されたときの線路は現在の線路の真下を寸分たがわず走る計画であったわけことからみても、現在のカーブでも高速の急行や特急などの安全に支障がないことは、明らかです。
 もう一つは、線路とホームの隙間の安全確保の問題では、ホーム柵とホームステップ(ホームと車輌の隙間に踏み板をわたすものですでに東京メトロなどで実用化されている)との組合せの技術が進んできているので改善は可能です。
 ところが、住民がそのことを求めても、西武鉄道は「ホーム柵については、車輌が3ドアと4ドアの二種類あるので対応できない」という理由をあげてホーム柵の整備に消極的です。

Q6 現在、国交省が、3ドアと4ドアの二種類の車輌に対応できるホーム柵の実証実験を西武新宿線の新所沢駅で行っており、実験後、実用化をすすめるとしています。私も、実験を見てきましたが、3ドアの車輌が通ったあとに4ドアの車輌が来る場合、車輌が前の駅を出発する時に次の駅に電気信号が送られて車輌が着く前に4ドア対応にセットされるという仕組みです。実験結果を検証して実用化を急ぐべきです。今なら連続立体化事業の設計はこれからですから、ホーム柵とホームステップとの組合せを整備することは可能なはずです。お答えください。

 それによって、安全を確保しながら鉄道の線形は最小限の変更で済むことになり、新井薬師前駅北側の拡張を抑えられるはずです。

6、中井〜野方駅間の連続立体化事業に続いて、野方―井荻駅間については準備区間と位置づけられている。今年、5月17日、野方駅〜井荻駅間の早期実現を目指し、西武新宿線踏切渋滞解消促進期成同盟の決起大会を開催しました。 連続立体交差事業について地下化か、高架化の住民に関係する課題で比較検討すれば地下化であるべきことは明らかです。

Q7 野方―井荻駅間の連立事業の具体化に当たっては、「踏切渋滞解消促進期成同盟」の目的が区内全面地下化にあることから、この中野区民の意思を尊重すべきと考えますが、どうですか。お答えください。

 高架にした場合の周辺住民への影響は極めて大きいといわざるを得ません。

Q8 西武新宿線は東西に走っているため、北側は都市計画上の北側斜線部分を幅員6〜8mの道路ネットワークの形成を図ることが原則になっていると思いますが見解を求めます。

 鉄道北側に最低6m道路を作る場合には詳細な測量によるべきではあるが、住宅地図によっても約200軒の住宅、マンション、アパート等が立ち退き対象になる可能性があります。
 公共事業の原則は、住民への犠牲を必要最低限にすべきであるということが示されています。

Q9 よって、野方―井荻駅間の連続立体交差事業の検討に当たっては、住民の犠牲が少なく、かつ、区民の地下化の要望を尊重した内容に沿った検討を進めるべきだと思いますが、見解を伺います。

>  新井薬師前駅部分のカーブの安全性の問題では、前記の「西武鉄道新宿線複々線建設計画」が都市計画決定されたときの線路は現在の線路の真下を寸分たがわず走る計画であったわけことからみても、現在のカーブでも高速の急行や特急などの安全に支障がないことは、明らかです。
 もう一つは、線路とホームの隙間の安全確保の問題では、ホーム柵とホームステップ(ホームと車輌の隙間に踏み板をわたすものですでに東京メトロなどで実用化されている)との組合せの技術が進んできているので改善は可能です。
 ところが、住民がそのことを求めても、西武鉄道は「ホーム柵については、車輌が3ドアと4ドアの二種類あるので対応できない」という理由をあげてホーム柵の整備に消極的です。

Q6 現在、国交省が、3ドアと4ドアの二種類の車輌に対応できるホーム柵の実証実験を西武新宿線の新所沢駅で行っており、実験後、実用化をすすめるとしています。私も、実験を見てきましたが、3ドアの車輌が通ったあとに4ドアの車輌が来る場合、車輌が前の駅を出発する時に次の駅に電気信号が送られて車輌が着く前に4ドア対応にセットされるという仕組みです。実験結果を検証して実用化を急ぐべきです。今なら連続立体化事業の設計はこれからですから、ホーム柵とホームステップとの組合せを整備することは可能なはずです。お答えください。

回答6 鉄道駅におけるホーム柵の設置など、転落防止対策については、鉄道の安全運行の責任を負う鉄道事業者が自ら取り組むことが基本です。

 それによって、安全を確保しながら鉄道の線形は最小限の変更で済むことになり、新井薬師前駅北側の拡張を抑えられるはずです。

6、中井〜野方駅間の連続立体化事業に続いて、野方―井荻駅間については準備区間と位置づけられている。今年、5月17日、野方駅〜井荻駅間の早期実現を目指し、西武新宿線踏切渋滞解消促進期成同盟の決起大会を開催しました。 連続立体交差事業について地下化か、高架化の住民に関係する課題で比較検討すれば地下化であるべきことは明らかです。

Q7 野方―井荻駅間の連立事業の具体化に当たっては、「踏切渋滞解消促進期成同盟」の目的が区内全面地下化にあることから、この中野区民の意思を尊重すべきと考えますが、どうですか。お答えください。

回答7 西武新宿線野方駅から井荻駅間の連続立体交差化については、現在、課題の把握を行うなど事業化の可能性を検討しています。事業化する際は、構造形式などの内容を都市計画や環墳影響評価の説明会などにおいて、広く住民の皆様に説明し、理解と協力を得られるよう努めていきます。

 高架にした場合の周辺住民への影響は極めて大きいといわざるを得ません。

Q8 西武新宿線は東西に走っているため、北側は都市計画上の北側斜線部分を幅員6〜8mの道路ネットワークの形成を図ることが原則になっていると思いますが見解を求めます。

回答8 連続立体交差化を高架式で実施する場合は、環境影響評価に基づき、鉄道高架橋により生じる日影に対しては、高架橋北側に側道を整備することにより、良好な沿線環境を確保することとしています。この側道により、沿線地域の交通の円滑化、地域の安全性、防災性の向上なども図られます。

 鉄道北側に最低6m道路を作る場合には詳細な測量によるべきではあるが、住宅地図によっても約200軒の住宅、マンション、アパート等が立ち退き対象になる可能性があります。
 公共事業の原則は、住民への犠牲を必要最低限にすべきであるということが示されています。

Q9 よって、野方―井荻駅間の連続立体交差事業の検討に当たっては、住民の犠牲が少なく、かつ、区民の地下化の要望を尊重した内容に沿った検討を進めるべきだと思いますが、見解を伺います。

回答9 西武新宿線野方駅から井荻駅間の連続立体交差化にっいては、現在、事業化の可能性について検討しています。連続立体交差化の構造形式については、地形的条件、計画的条件、事業的条件などを比較検討の上総合的に判断し、最適な構造形式を選定することとしています。事業化する際は、幽構造形式や必要な環境保全措置などの内容を、都市計画や環境影響評価の説明会などにおいて、広く住民の皆様に説明し、理解と協力を得られるよう努めていきます。