2013年第3回定例会 文書質問趣意書 10月9日
大島よしえ(足立区選出)
一、違法貸しルーム(脱法ハウス)対策について
倉庫、レンタルオフィスを装いながら住居として劣悪な部屋を賃貸し、多人数の居住実態がありながら、防火関係規定や、建築基準法違 反の疑いがある「違法貸しルーム」の存在が大きな社会問題となっています。
当初「規制は考えていない」と言っていた国土交通省も方針を変え、今年6月からこうした建築物の実態調査のための情報受付窓口を設置し、情報収集や是正指導を行ってきました。8月30日現在の状況が国土交通省より発表されましたが、全国の調査対象物件730件中、東京都は658件と全体の90%を占める重大な事態となっています。
Q1 「違法貸しルーム」の実態について、東京都はどのように認識し、どのような調査をしているのか。また、今後の対策についてどのように考えているのか。
Q2 国交省の発表では、都内で調査中の物件数が454件ありましたが、その後の調査の進捗状況について、都としてどのように把握しているのか伺います。
Q3 調査済みの物件のうち「違反あり是正準備中の物件」35件と「違反あり是正指導中の物件」143件を合わせると87.2%が何らかの違反物件となります。違反の内容を都はどのように把握しているのか。また、是正指導中の建築物の安全性はどのように確保されているのか。
建築基準法違反が判明したものについては、是正指導が行われていますが、実際に居住者がいるにもかかわらず施設を突然閉鎖すると言うやり方で解消しようとする動きもあります。違法貸しルームの経営者の都合で居住者が路頭に迷うということがあってはなりません。国交省住宅局長は「契約書にかかわらず、居住実態があれば借家権は発生する」とした上で、退去を求められている入居者への支援について、「東京都や消防、福祉部局等と連携を図りながらやっていく」と答弁しています。
Q4 都としてどのような入居者支援を考えているのか伺います。
違法貸しルーム是正で、強制退去となり住まいも仕事もなくなった場合は、住宅支援給付事業や、TOKYOチャレンジネットなどが活用できます。ところがTOKYOチャレンジネットが民間アパート等を借り上げ、一時住宅として提供する「チャレンジハウス」は、民間アパート60戸と都営住宅10戸しかなく、居住者は最大3ヶ月しか居住できません。常時ほぼ満室状態で違法貸しルーム是正により、強制退去となる住民を全員収容できるだけの余裕はありません。「住宅確保要配慮者に対する賃貸住宅の供給の促進に関する法律」では、国と地方公共団体の責務として、「住宅確保要配慮者に対する賃貸住宅の供給の促進を図るため、必要な施策を講ずるよう努めなければならない。」とされています。
Q5 強制退去となる居住者を受け入れる仮住居として民間アパートの借り上げや、都営住宅の提供を考えるべきと思うがどうか。
「違法貸しルーム」問題は、都営住宅の新規建設14年間ゼロ、単身世帯への住宅対策や、借家政策が軽視され続け、民間住宅家賃の高負担を放置してきた結果、起こるべくして起こった住宅問題といわざるを得ません。
Q6 都の住宅マスタープランでは、「低所得者層については、低家賃の住宅が減少していることなど、安定した居住の場を確保することが困難な状況が見受けられる」とありますが、違法貸しルームで暮らさなければならない都民の困難な状況を打開するための具体策について、どのように考えているのか伺います。
違法貸しルームの居住者を適切な住環境の住まいに早急に転居させることが必要です。しかし、違法貸しルームが、低所得層、不安定就労層の居住の受け皿となり、定住の場となっているのも現実です。
Q7 劣悪な環境でも住まいがあり、働いているが不安定就労、転居したくても保証人がいない、転宅資金は用意できず、高額な家賃は払えない。こうした入居者のために、常設の相談窓口を設置する必要があると思うがどうか。また、みなし仮設住宅のように民間住宅の借り上げや、家賃補助、公的保証人制度を実施する考えはありませんか。
二、ルームシェアについて
違法貸しルームとは違い新たな居住形態としてひとつの住宅を共同で借りたり、共有したりして居住するルームシェア、シェアハウスが、いま注目されています。各居住者のプライベートルームと台所やリビングなどを共有スペースとして利用するもので、UR賃貸住宅も「ハウスシェアリング制度」を実施しています。
Q8 東京都の住宅マスタープランでは、「ルームシェアやホームシェアなどの新たな住まい方に対し、トラブル防止の観点から、ルールつくりについて検討し取り組む」としています。こうした新たな住まい方におけるルールつくりの現在の取り組み状況について伺います。
Q9 猪瀬知事は、就任後初めての記者会見で「都営住宅に高齢者と若い人のシェアハウスを組み合わせることで世代間のギャップを埋めるコミュニケーションをつくって行きたい」と言う趣旨の発言をしました。都営住宅におけるシェアハウスについて、どのような検討がされているのか伺います。
以上 >Q7 劣悪な環境でも住まいがあり、働いているが不安定就労、転居したくても保証人がいない、転宅資金は用意できず、高額な家賃は払えない。こうした入居者のために、常設の相談窓口を設置する必要があると思うがどうか。また、みなし仮設住宅のように民間住宅の借り上げや、家賃補助、公的保証人制度を実施する考えはありませんか。回答7 違法貸しルームの入居者のうち、相談が必要な方については、既にある区市等の窓口で対応可能です。また、都として、民間住宅の借り上げなど、新たな取組は考えていません。
二、ルームシェアについて
違法貸しルームとは違い新たな居住形態としてひとつの住宅を共同で借りたり、共有したりして居住するルームシェア、シェアハウスが、いま注目されています。各居住者のプライベートルームと台所やリビングなどを共有スペースとして利用するもので、UR賃貸住宅も「ハウスシェアリング制度」を実施しています。
Q8 東京都の住宅マスタープランでは、「ルームシェアやホームシェアなどの新たな住まい方に対し、トラブル防止の観点から、ルールつくりについて検討し取り組む」としています。こうした新たな住まい方におけるルールつくりの現在の取り組み状況について伺います。
回答8 ルームシェアなどの新たな住まい方については、現在、業界団体へのヒアリングなどにより、契約内容等の情報収集を行っています。
Q9 猪瀬知事は、就任後初めての記者会見で「都営住宅に高齢者と若い人のシェアハウスを組み合わせることで世代間のギャップを埋めるコミュニケーションをつくって行きたい」と言う趣旨の発言をしました。都営住宅におけるシェアハウスについて、どのような検討がされているのか伺います。
回答9 高齢者や若者などの多様な世代が、一定のプライバシーを確保しながら共同生活を行うといった新しい住まい方について、来年度のモデル事業の実施を視野に検討していきます。
以上