2013年第4回定例会 文書質問趣意書 12月11日

あぜ上 三和子(江東区選出)

一、 スクールソーシャルワーカーについて

 学校現場では、教職員の献身的な熱意と努力で、子どもたちの成長発達を支えていますが、不登校やいじめ問題、また家庭内暴力、貧困問題など子どもたちを取り巻く社会環境は厳しいものがあり、スクールソーシャルワーカーの果たす役割に大きな期待と配置の要望が出てきています。
 すでに配置している自治体では、スクールソーシャルワーカーは、学校や児童相談所、子ども家庭支援センターなどの関連機関との連携で、児童生徒の家庭訪問もできる、家庭丸ごとへの支援ができるという面で大変重要な役割を果たしていると伺っています。
 ある自治体では、教育委員会の相談室を拠点に、定期的に学校を訪問するほか、各学校や子ども家庭支援センター等と個別のケース会議をおこない、家庭訪問をしています。
 学校からも「是非この家庭を訪問してほしい」「経済的支援に結びつけてほしい」などの要望が寄せられ、スクールソーシャルワーカーはスケジュール表を作って、学校との連携した様々な支援活動をおこなっていました。
 各自治体でも、こうしたスクールソーシャルワーカー事業が積み重ねられつつあります。
 そうしたなか、中学校長会などからは、スクールソーシャルワーカー配置のための財政的支援の拡充を求める声があがっています。

Q1.都教委としてスクールソーシャルワーカーの果たしている役割をどう評価されているのか、伺います。

 スクールソーシャルワーカー事業は、国が2008年度から事業を発足させ、都も同年からスタートさせています。
 2011年度は29区市町村に44名、2012年度は31区市町村に67名と配置が増えてきています。

Q2.配置した区市町村では効果があがり、配置自治体、人数とも増えているのですから、都教委として全区市町村にスクールソーシャルワーカーを配置できるよう事業を充実させていただきたいと思いますが、いかがですか。

 ある自治体では、教育的効果が高いと今年もうひとり配置し、複数配置としましたが、自治体として持ち出しが多く、都として財政支援を強化してほしいとの声が寄せられました。
 都教委が現在行っているスクールソーシャルワーカー支援事業は、国1/3,都1/6 の合わせて1/2補助ですが、実際には、1/2補助には、とても届かないというのです。

Q3.スクールソーシャルワーカー事業の予算を拡充し、各自治体が積極的に事業を展開できるよう補助方式及び補助額の拡充を求めます。

 スクールソーシャルワーカーの活用のノウハウも重要です。まだ生まれて間もない制度ですから、人選や雇用形態、働き方も区市町村によりそれぞれですし、区市町村教委もまだまだ試行錯誤の段階だと思います。
 私がお話を伺った自治体では、どんな人にスクールソーシャルワーカーになってもらうかが重要だと考え、人材を探しに探し、社会福祉士や精神保健福祉士の資格を持ち、療育やケースワーカーなどの豊富な経験のあるベテランの方にお願いしたそうです。地元の福祉制度や医療資源を熟知し、子どもの問題行動の背景に経済的困難や虐待があり医療的ケアが必要な家族がいるなどの複雑なケースでも、どの機関が家庭内の誰をどうやって支援するか役割を整理し橋渡ししてくれているので、本当に助かるし、子どもはもちろん家庭全体が前向きにがんばれる方向へと効果が上がるとのことでした。
 活動方法も、定期的な学校訪問などでスケジュールを固めてしまうのではなく、ケース会議や家庭訪問に柔軟に対応できる余裕をつくっておくなど、より良い方法が工夫されていると感じました。

Q4.都教委として、スクールソーシャルワークの啓発を行うとともに、生きた活用事例やノウハウを情報交換できる場を設けるなど、区市町村がスクールソーシャルワーカー事業をさらにうまく活用できるよう、支援を充実していただきたいと思いますが、いかがですか。

 子どもをとりまく学校や家庭、地域の関係の中で、子どもを丸ごととらえ成長発達を保障するスクールソーシャルワーカーをどの自治体でも複数配置及び拡充できるよう求めます。

ィ願いしたそうです。地元の福祉制度や医療資源を熟知し、子どもの問題行動の背景に経済的困難や虐待があり医療的ケアが必要な家族がいるなどの複雑なケースでも、どの機関が家庭内の誰をどうやって支援するか役割を整理し橋渡ししてくれているので、本当に助かるし、子どもはもちろん家庭全体が前向きにがんばれる方向へと効果が上がるとのことでした。
 活動方法も、定期的な学校訪問などでスケジュールを固めてしまうのではなく、ケース会議や家庭訪問に柔軟に対応できる余裕をつくっておくなど、より良い方法が工夫されていると感じました。

Q4.都教委として、スクールソーシャルワークの啓発を行うとともに、生きた活用事例やノウハウを情報交換できる場を設けるなど、区市町村がスクールソーシャルワーカー事業をさらにうまく活用できるよう、支援を充実していただきたいと思いますが、いかがですか。

回答 これまでも、都教育委員会は、スクールソーシャルワーカーの配置の成果をまとめたリーフレットを作成し、区市町村教育委員会をはじめ、都内公立学校全てに配布するとともに、各区市町村教育委員会の生活指導を担当する指導主事の連絡会で事例報告するなど、効果的な活用について周知してきています。
 今後とも、こうした取組により、区市町村教育委員会に対する支援の充実を図っていきます。

 子どもをとりまく学校や家庭、地域の関係の中で、子どもを丸ごととらえ成長発達を保障するスクールソーシャルワーカーをどの自治体でも複数配置及び拡充できるよう求めます。