2014年第3回定例会 文書質問趣意書 10月1日

里吉ゆみ(世田谷区選出)

一、公立小中高等学校の特別教室等の冷房化について

 公立小中学校及び都立学校の特別教室等の冷房化について質問します。学校施設の冷房化についてはわが党もくり返し求めてきましたが、都民の強い世論と運動におされ、都立高校の普通教室は2006年度より冷房化されました。2011年度より小中学校の普通教室へのクーラー設置の補助が実施され、特に遅れていた多摩地域の小中学校の冷房化が一気に進みました。今年度からは、特別教室の中で都立高校ではすでに冷房化されている音楽室、視聴覚室、図書室及びパソコン室が都の補助の対象となりました。しかし、現在の計画では完了までにあと4年かかります。

Q1、都の計画を前倒しして、対象の特別教室全室の冷房化を早急に終わらせるべきです。

 特別教室の冷房化の補助により、特に多摩地域での小中学校での冷房化が進むことが期待されています。ところが工事費400万円以下の工事は国の補助の対象にならず、都の補助も出ないため、実際には使えない場合があるとの声が寄せられています。学校によっては補助対象の4教室のうち、すでに冷房化されている教室もあるため、今回の補助対象となるのは1教室のみ、ところが1つの教室の工事では400万円に届かないため、結局補助制度が使えないというのです。

Q2、国の補助が使えない場合も、全額区市町村の負担とならないよう、都独自の補助を行うことを求めます。

 現在、都立高校では冷房化の対象となっていない、小中学校では都の補助の対象となっていない、理科室、家庭科室、美術室などの特別教室の冷房化も強い要望となっています。
 文部科学省の調査結果によると、今年4月1日現在、都内公立小中学校の教室で冷房化されているのは、普通教室は99.9%、特別教室は65.4%でした。教室数でいうと特別教室3万1414教室のうち、冷房設備の設置は、2万541教室。未設置が1万3600教室です。都立高等学校では、普通教室は100%、特別教室は62.0%でした。特別教室8,504教室中、冷房設備の設置は、5,276教室、未設置が3,228教室です。
 東京都公立高等学校PTA連合会が行った、学校環境アンケートの調査結果を拝見しました。特別教室の冷房化がされていないために、授業に支障があったとの声がいくつも寄せられています。都立高校197校のうち72校が回答を寄せていますが、その中で、空調設置の要望があったのは、調理室、美術室、理科室、被服室、武道場などとなっています。
 また、授業に支障がなかったかとの問いには、「生徒が授業中に体調不良」114件、「教員が授業中に体調不良」41件などと報告されています。授業の時間帯をずらしたり、場所や内容の変更を余儀なくされたとの回答も多く、都立高校でも生徒たちの授業に支障がでていることは明らかです。ましてや健康にも影響が出ていることは重大な問題です。今年は、昨年に比べれば暑い日が少なかったとはいえ、PTA連合会がおこなった、ある都立高校での調査では、9月6日調査した6つの特別教室の気温は29.8度から34.1度、湿度も80%でした。
 小中学校についても同様です。夏の暑い時期、冷房のない理科室では実験ができない、暑い美術室で作品を作っていると汗がたれて作品を汚してしまう、火を使う調理実習は熱くてとてもできないなど、明らかに授業に支障となっている状況が出されています。
 特別支援学校の保護者などからも、体育館があまりにも暑いため、大型扇風機を使用するなどの工夫もしていますが、一部にしか風が流れずほとんど効果がないうえ、扇風機の大きな音が気になって授業に集中できないなどの訴えが寄せられています。

Q3、都立高校の理科室や家庭科室、美術室などの各特別教室の利用状況や、実際の授業にどのように支障がでているのかをつかみ、特別教室での冷房化を計画的にすすめるべきです。

Q4、また各高校の個別の事情に応じて、早期に設置が求められるところについては柔軟に対応することが必要と考えますが、いかがですか。

Q5、小中学校についても、現在冷房化されていない特別教室について、利用状況や授業に支障がでていないかなど調査し、優先度の高い教室から冷房化がすすめられるよう都として補助対象を拡大すべきと考えますが、いかがですか。

Q6、都立高校のPTA連合会からは、特に武道場の冷房化を求める声が寄せられています。都として調査・検討し、要望に応えることを求めます。

Q7、視覚障害や知的障害特別支援学校などのまだ冷房化されていない特別教室や体育館についても、早期に冷房化することを求めます。

以 上