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靖国神社参拝の中止に関する申し入れ

靖国神社参拝の中止に関する申し入れ


東京都知事 石原慎太郎 殿

二〇〇五年八月八日

日本共産党東京都議会議員団


 戦後六十年の今年、過去の侵略戦争にたいする歴史認識がきびしく問われています。とりわけ、靖国神社の戦争観への態度は、国内にとどまらずアジアや世界のなかで、大きな注目をあびています。
 靖国神社の刊行物(『遊就館図録』)では、日本の過去の戦争は「自存自衛」のための戦争、「アジア解放」のための「正しい戦争だった」という、当時の日本軍国主義の戦争指導者たちと同じ立場が、同じ言葉で、公然とのべられています。また靖国神社は、戦争犯罪人として断罪されたA級戦犯を、「ぬれぎぬを着せられ」た人とよび、神としてまつり、しかも、戦争での「武勲」をたたえること、すなわち戦争行為そのものをたたえることを靖国神社の「使命」だとしています。靖国神社の戦争への認識は、一九九五年の村山首相(当時)見解や、小泉首相がことし四月のアジア・アフリカ首脳会議で、「侵略と植民地支配への痛切なおわびと反省」をのべた、政府の立場とも相いれないものです。
 このような戦争観にたつ靖国神社を、日本の首相や首都・東京の知事が参拝することは、「日本の戦争は正しかった」という、侵略戦争を正当化する意思表示となり、日本を、アジア諸国だけでなく、欧米諸国もふくめ国際社会から孤立させる結果になることは明らかです。だからこそ、「朝日」「毎日」「日経」「東京」「読売」が相次いで、小泉首相の靖国参拝の中止をもとめる社説を掲載しているのです。アメリカの新聞ニューヨーク・タイムズは特集をくみ、「靖国史観は、ほとんどのアジア人、米国人にとって受け入れることはできない」と書き、フランスの新聞ルモンドも特集で、靖国神社の戦争観は、「アジアや西側の歴史家の誰も受け入れることはできない」とのべました。イギリスの新聞フィナンシャル・タイムズも、靖国神社の戦争観を痛烈に批判しています。
 ところが石原知事が、みずから靖国神社参拝をくりかえしてきただけでなく、「みんなで靖国神社に参拝する国民の会」が八月一日付「産経」等に掲載した全面広告に、現職の政治家としてただひとり同会の発起人として名をつらね、「他国の干渉に惑わされることなく、小泉首相には、毅然として、八月十五日に靖国神社に参拝していただきたい」とのメッセージを掲載したことは、きわめて異常な事態といわなければなりません。この全面広告にたいし、韓国の百人をこえる国会議員が市民団体とともに抗議声明を発表し、「心から侵略戦争の過ちを反省し、間違った過去の歴史を精算しようという意思が少しでもあるなら」、こういう問題はおこりえないとの立場を表明したのは当然のことです。
 第二次世界大戦六十周年をむかえた世界は、ドイツ、イタリアがヨーロッパで、日本がアジアでおこなった戦争について、いかなる大義もない侵略戦争だったという共通の認識にたっています。過去の戦争への反省は、日本国憲法とともに、国連憲章にも明記された戦後の国際秩序の原点であり、この原点を否定するなら、日本はアジアと世界で生きる道を失うことになります。
 日本共産党都議団は、石原知事が、問題の重大性を真剣に考慮し、靖国神社参拝を中止することをつよくもとめるもので。         

以 上


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