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【談話】第三回定例会を終えて
第三回定例会を終えて

二〇一〇年十月七日
日本共産党東京都議会議員団
幹事長 吉 田 信 夫


一、都民要求実現へ、くらし守る都政への転換をもとめる


 今議会では、熱中症による高齢者の死亡や若者の就職難、痛ましい児童虐待をはじめ、都民生活をめぐり解決をせまられている問題に、都と都議会がどうとりくむのかが問われました。
 日本共産党は、今日の深刻な事態の大もとに、国と石原都政が貧困と格差をひろげ、社会保障の切り下げをすすめてきたことがあると指摘し、都がくらしと雇用を守るために全力をつくすようもとめました。
 しかし石原知事は、自らの責任を認めず、もっぱら「国の責任」と言うだけで、都として手だてをつくそうとしませんでした。
 日本共産党は、石原知事と与党によってゆがめられた都政のカジを切りかえ、都政が都民のくらしと雇用を守り、福祉を充実させるなど、都民要求の実現を最優先の課題としてとりくむよう、都民のみなさんとともに全力をつくす決意です。

〈 高齢者福祉 〉
 日本共産党は、熱中症による死亡の九割が高齢者で、死亡者の四割は部屋にクーラーがなかった事実などをあげ、貧困による痛ましい事態の続出について、知事に認識をただすとともに、七十五歳以上の医療費無料化や介護の負担軽減などをもとめました。同時に、石原都政が高齢者福祉の切り下げをおこなった結果、高齢者一人あたりの老人福祉費が、この間、十三万五千円から八万二千円へと、六割まで落ちこんだことを明らかにし、元の水準に戻せば一千四百億円の増額になることを示して、老人福祉費の大幅増額を求めました。
 これに対し石原知事は、高齢者の所得格差の是正や所得保障は「国の責任」と言うだけで、高齢者医療費助成を拒否しました。しかも、福祉保健局長は、一人あたりの老人福祉費の額を問題にするのは「意味のない議論」とまで言い張りました。しかし、全国で一人あたり老人福祉費を四割も減らしたところは東京以外にはありません。逆にほとんどの県が増額し、なかには五割、六割と増やした県もあるのです。都は、この厳然たる事実を直視し、予算の大幅増額をおこなうべきです。


〈 若者などの雇用 〉
�(〇磴肇札奪箸任慮柩兪禄个海宗⊆�治体ができる「経済成長戦略」
 若者を中心とした深刻な雇用について、日本共産党は、知事が大企業に雇用拡大をはたらきかけるとともに、なによりも都ができる手だてをつくすことが重要だとただしました。具体的には、職業訓練校の廃止をやめ大幅に増やすこと、保育所や特養ホームの整備促進など都の福祉充実とセットで雇用を広げることを提案しました。たとえば定員百人の認可保育所を百五十箇所整備すれば、保育士など約四千人の雇用創出ができるばかりか、保育所に入れないために働けない方への就労支援にもつながります。さらに、地域の建設業や商店も潤う、一石三鳥、四鳥ともいえる効果があります。
 しかし、知事はこの問題でも「国の責任」との立場をくりかえし、保育所と特養老人ホームの大幅増設を拒否しました。わが党が提案した方向こそ、自治体ができる、自治体らしい「経済成長戦略」であり、日本共産党は都政がこの方向に向かうよう全力をつくすものです。


��官製ワーキングプアの解消へ、正規雇用の拡大、非正規職員の待遇改善を
 雇用対策では、都みずからが襟を正すべき問題があります。日本共産党は、都が正規職員を削減する一方で、非正規雇用を拡大し、不安定な身分と低い賃金で働かせ、官製ワーキングプアをつくりだしているやり方をあらためるようもとめました。
 なかでも、恒常的な業務を担っている職員を臨時職員として雇用している実例として、ある都立施設の図書室の唯一の司書が五か月働いて一カ月失業させられるという継続的な勤務を二十年間も強いられている事実を示し、改善をもとめました。
また、都が臨時職員の雇用期間を二カ月と定めているために、何年も連続的に働いていても社会保険の適用から除外されるという、社会保険逃れといわざるをえない事態となっていること、手取りが月十万円程度にしかならないことを明らかにし、交通費の支給や時給引き上げ、社会保険の加入を保障するなどの待遇改善をはかることをもとめました。
 これにたいして都は、例示した長期的雇用の実態について否定できなかったものの、臨時の職はあくまで短期的または季節的で、〃適切に〃運用していると強弁する態度をとりつづけました。
 都が、こうした態度をとっているかぎり、非正規の使い捨て雇用をおこなっている民間企業にたいし是正をせまることや、若者の正規雇用の促進をはかることは、到底できるわけがありません。今回明らかにした実態は、マスコミでもとりあげられ社会的反響をひろげました。日本共産党は、都による官製ワーキングプア解消のために、全力をつくすものです。


〈 児童虐待 〉
 痛ましい事態が相次ぐ児童虐待にたいし、日本共産党は、早期発見、早期対応の促進、社会的養護体制整備、子育て家庭の孤立と貧困への対応などを内容とする提言「児童虐待ゼロの東京をめざして」を申し入れ、都として総合的対策をとることをもとめました。とりわけ、児童福祉司の増員や一時保護所の増設は、緊急の課題として実現をもとめたのにたいし、知事も、未然防止のために児童相談所の体制を強化することや、総合的なとりくみを進めるとのべ、一時保護所については福祉保健局長が「定員増を計画的に行う」と答弁したことは重要です。


〈 熱中症対策 〉
 熱中症対策についても、日本共産党は都に対し、総合的対策を提案し、多摩地域の小中学校へのクーラー設置について、区部と比べて遅れている原因を調査し、対策を検討することなどをもとめました。教育長が「調査の分析結果等を踏まえ、検討してまいります」と答弁したことは、クーラー設置促進への道を開くものです。一方、高齢者、低所得者へのクーラー設置や電気代への助成などについては、「国の判断と責任」だと冷たく拒否する態度をとりました。


〈 円高対策 〉
 円高対策では、緊急に補正予算を組んで対応しなかった知事の姿勢をただすとともに、円高対応緊急融資の立ち上げや、貸工場の家賃など固定費への補助をもとめました。第四回定例会で補正予算を組むことなど、支援を強化することをひきつづきもとめていきます。


〈 特別支援教育推進第三次実施計画 〉
 今議会には、特別支援教育推進計画第三次実施計画(案)の骨子が報告され、質疑がおこなわれました。児童生徒の増加で新たに約三千四百人分の施設整備が必要です。日本共産党は、都がこれまでの五十五校体制は変えないまま、学校の大規模化などで対応しようとしていることは、学習環境をさらに悪化させると指摘し、学校増設など抜本的な改善をもとめました。しかし都は「実施計画で明らかにする」との答弁にとどまりました。ひきつづき第三次計画が、保護者や関係者、都民の要望が反映され、十年間の障害児教育の前進にふさわしい計画となるようもとめていきます。


〈 税金の使い方をあらため、くらしを守るべき 〉
 日本共産党は、都財政が、一般会計だけでも六兆円を上まわり、貯め込み金の総額は二兆六千億円、そのうちすぐにでも都民のために使える基金が一兆円にものぼることを明らかにし、税金の使い方をあらためれば都民の切実な要求を実現できることを示しました。とりわけ、一メートル一億円もの外環道路や、過大な港湾投資などを改め、投資を適正な水準にもどすべきと主張しました。
 しかし都は、こうした浪費的投資について、「国際競争力を高めるために必要である」として、あくまでも継続する立場をしめしました。民主党、自民党、公明党も「国際競争力の強化」と口をそろえて同調しています。「国際競争力」という言葉を言いつのれば、福祉を削り、浪費的投資を拡大することが許されるかのような立場は、住民のくらし、福祉を守るべき自治体としてあるまじきものです。わが党は、くらし、福祉を最優先にした都政への転換をめざして力をつくします。


二、適用実験の失敗を明らかにし、築地市場の現在地再整備で具体的提案


 石原都政と自民・公明両党が、現在地再整備計画をしりぞけ、凍結されてきた豊洲新市場予定地の土地購入予算の執行をはかろうとするもとで、築地市場問題は今議会の重大な焦点となりました。


�‥�用実験では高濃度汚染は処理されていないことが明らかに
 都は、豊洲の市場予定地の土壌汚染対策の有効性が、適用実験(市場予定地で、汚染や土の状況にあわせて汚染対策の実験をおこなうこと)によって確認されたと強弁して、移転ごり押しの口実にしようとしました。しかし、日本共産党の追及によって、適用実験では高濃度汚染の処理実験がおこなわれなかったことが明らかになりました。都は「中温加熱処理」実験で環境基準の四万三千倍のベンゼン汚染の無害化ができたかのように発表しましたが、実は、実験に使った土壌のベンゼン濃度は環境基準の二・七倍にすぎなかったのです。五百二十倍のベンゼンを無害化するはずだった地下水実験も、環境基準以下か、低い濃度の汚染だったものを処理したにすぎませんでした。ベンゼンの洗浄処理についても、そのようなプラントは技術的にできず、許可がとれないという疑惑があります。しかも、こうした実験の中でも新たな中・高濃度汚染が発見されるなど、豊洲の新市場予定地はどこも汚染の危険があることが明らかになったのです。
都は、わが党が指摘したこうした事実を否定することができませんでした。にもかかわらず、あくまでも実験によって汚染土壌の対策は有効であることが確認されたと強弁しつづけたことは、都民をあざむくものであり、許されません。
 これほどの問題があるにもかかわらず、自民党、公明党が豊洲移転のための用地取得をすすめる立場をとり、民主党も土壌汚染対策工事の実施設計費、建築工事の基本設計費など二十億円余の執行を認める態度を表明しました。このような態度は、都民からの批判をまぬがれません。


��現在地再整備のための積極的提案をおこない、実現をせまる
 豊洲予定地では、食の安全・安心は確保できません。いま、都と都議会がおこなうべきことは、豊洲移転の強行ではなく、より良い現在地再整備計画案を早急につくることです。
 わが党は、いま検討されている現在地再整備案については、首都圏の拠点市場化方針などによりふくれ上がった整備費を適正に削減すること、建設費についてはかつての計画のように都が負担し、莫大な業者負担をなくすこと、仮移転する場合の費用の都による負担や、魚と青果の分離を避けるために人工地盤をつくるなどの見直しを提案しました。これらのことは四千億円をこえるオリンピック基金の一部を活用すれば可能です。
しかし、知事と市場長はひたすら「現在地再整備は時間がかかる」、「施設の老朽化が限界」と言って、豊洲移転が「最善」と強調することに終始しました。老朽化がすすんだことは、十年余にわたって豊洲への移転に固執しつづけ、必要な補強をおこなわないできた知事にこそ責任があります。必要な補強などは、現在地再整備を待つことなく、ただちに改善すればよいことです。いまこそ都は、豊洲に固執する態度を転換し、より良い現在地再整備計画をすみやかにつくることを、都自身の責任ではじめるべきです。
 最悪の汚染が明白なガス工場の跡地に、都民の台所・築地市場を移転させることは断じて許されません。今議会で自民党、公明党は、築地市場の再整備を検討してきた特別委員会の審議を打ち切ろうとしましたが、これをやめさせ、特別委員会で継続審査をおこなうことになりました。日本共産党は、こうした条件も生かし、関係者、都民のみなさんと力をあわせ、豊洲移転を許さず、現在地での再整備をすすめるために、ひきつづき全力をつくすものです。
以 上

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