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【談話】2012年第3回定例会を終えて
2012年第3回定例会を終えて

2012年10月4日

日本共産党東京都議会議員団
幹事長 大山とも子

 今議会でわが党は、福祉・くらし、雇用、経済、防災対策などについて、都の政策をただし積極的な提案をおこないました。論戦の結果、どの分野でも、石原都政には重大な問題があり、地方自治体本来の立場への転換がもとめられていることがうきぼりになりました。
 わが党は、都民が主人公の都政への転換をすすめるために、全力をつくすものです。

1.都民の実態を直視し、くらし・福祉を守る都政への転換を

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 わが党は、東京の高齢者の国民年金受給額が月平均5万8千円とわずかなのに、今年度は国民健康保険料、介護保険料、後期高齢者医療保険料がそろって値上げされ、くらしの困難がますます深刻化している実態をあきらかにし、低福祉・高負担に苦しむ都民への支援と福祉の充実をつよくもとめました。これにたいし知事は「給付と負担のバランスをかえりみない高福祉・低負担の社会保障制度は、今後はなり立ちえません」と、あたかも、いまの日本が「高福祉・低負担」であるかのように強弁し、苦しむ都民に手をさしのべる立場を何ひとつしめしませんでした。
 OECDは2007年に日本にたいし、日本の貧困層への社会保障などは、OECD平均の6割にとどまる一方、支払う所得税や住民税などは1・2倍、アメリカ、イギリスの3倍にものぼることをしめし、低所得世帯への公的支出を増加させる必要があると勧告しています。日本が低福祉・高負担であることは、国際的にも共通認識になっているのです。にもかかわらず、正反対の認識にしがみつくのは、高齢者福祉に予算をふりむけたくないという知事の姿勢をしめすものです。
 事実、都は、あらたな支援はしないと、福祉施策の充実を冷たく拒否しました。国民健康保険でいえば、都内で68万人もの世帯が国保料を滞納せざるをえない事態になっているのです。国保料軽減のため、あらたな独自施策を実施するなど、都民の福祉・くらしをまもるためにこそ力をつくすべきです。
 知事の冷たい高齢者福祉対策については、民主、自民、公明など事実上の「オール与党」も、いっかんして同調する立場をとってきた責任を指摘しないわけにはいきません。

��都営住宅
 格差がひろがり、都民の住宅難が深刻化するなかで、今定例会では、都営住宅の入居収入基準や整備基準、入居資格要件などを、東京都が独自に定めることができるようになったことにともない、都営住宅条例の一部改正条例が提案されました。これまで石原都政は、都営住宅の新築を13年間ストップしてきたうえ、都営住宅に入居できる収入基準額を、国の改悪にともない、月収20万円から15万8千円へとひき下げたため、入居資格のある人が大幅にへりました。このため勤労者世帯では、それまで収入の低い方から20%強の世帯が応募可能だったのが、応募できるのはおおむね10%から10数%にへるなど、多数の世帯が都営住宅の応募資格をなくしてしまったのです。
 東京都独自で基準を定められるようになったのですから、せめて入居基準を改悪前にもどすなどの改善が期待されていました。ところが、改正条例は入居基準をはじめとする現行の基準をすべて固定化するものだったため、都民から批判の声があがりました。
 わが党は、入居収入基準を改悪前にもどすことや、都営住宅の増設、中学生以下の子どもがいる子育て世帯などの入居基準をゆるめることにより、住宅難をやわらげるとともに、高齢者だけでなく多くの世代が入居できる都営住宅への道をひらくための修正案を提案しました。この方向こそ、都民のねがいにこたえる道です。
 わが党以外の会派が知事提出の条例案に賛成したことは、都民の切実なねがいに背をむけるものです。


�M住擦了箸な�の転換を
 都の予算は全会計で12兆円、オリンピック開催準備基金4千百億円などもあります。1メートル1億円、総額2兆円もつぎこむ外環道建設など、不要不急の大型開発と浪費にメスを入れれば、都民のくらしをまもる財源はあります。
 国民健康保険料・保険税を1世帯あたり5千円、後期高齢者医療と介護保険料をそれぞれ1人あたり5千円ずつひき下げるために必要な予算は約315億円ですが、これは外環道に使うお金のわずか2%、約315メートル分でできます。また、就任以来5億円にのぼる知事の豪華海外出張費をほんの少しけずるだけで、熱中症対策として生活保護世帯のクーラー設置事業を再開できるのです。

 憲法25条は、「すべての国民は健康で文化的な最低限度の生活を営む権利を有する。国は、すべての生活部面について、社会福祉、社会保障および公衆衛生の向上および増進に努めなければならない」としています。わが党は、このすう高な目的を実現させるために、自治体本来の役割を発揮する都政をめざし力をつくすものです。


2.未来をになう若者の雇用とくらしをまもる  わが党は、東京の若者の5割が非正規雇用であり、その8割が年収150万円未満にとどまるなどの事態は、社会の基盤を崩壊させかねない重大な問題であることをしめし、都の対策の抜本的拡充をもとめました。これにたいし知事が、「企業が人件費抑制や雇用調整の手段として非正規労働者を積極的に活用した面もある。国が労働者派遣事業の規制緩和をすすめたことが、これに拍車をかけた。この現状は、本人にとっても社会にとっても不幸な事態である」と答弁したことは重要です。
 この認識があるなら、都が先頭にたって、国にたいして、人間らしく働けるルールをつくることをもとめ、大企業にたいし、雇用の確保や賃金水準をあげるなど、社会的責任を果たすよう働きかけるとともに、都としても職業訓練をはじめ雇用対策の抜本的強化にふみだすべきです。
 ところが都は、こうした国や大企業への働きかけはおろか、ヨーロッパで実施して成功しているような職業訓練と求人をセットにした雇用対策にもとりくむ立場をしめさなかったことは看板倒れであり、雇用問題での姿勢がきびしく問われるものです。
 雇用の問題では、わが党は、「電機産業における大規模なリストラの影響に対する必要な措置等に関する意見書」案を提案しましたが、民主、自民、公明各党の反対で成立しませんでした。
 わが党は、人間らしく働けるルールづくり、最低賃金の大幅ひき上げなどの実現のために、都民のみなさんとひきつづき奮闘するものです。


3.間違った経済政策をただし、中小企業を経済けん引の主役に

 わが党は、知事の経済対策が、欧米などの多国籍企業の呼びこみを最重点にしていることを批判し、都のやるべきことはおちこんだ都民の購買力をひき上げ、都内事業所の9割をしめる中小企業を活性化することであると、経済対策の転換をせまりました。
 多国籍企業はこれまで世界中で、巨大な経済力の乱用、労働者や中小企業の利益との衝突などの問題をひきおこしてきました。このため、国際的に多国籍企業の活動を規制する努力がされ、ILOは「多国籍企業および社会政策に関する原則の三者宣言」を採択しました。うけいれ国の雇用を優先することや、合併や移転を検討するさいに悪影響を最大限にかんわするための政府や労働団体と協議をおこなうことなど、多国籍企業が社会的責任をはたすための最低限のルールをつくったものです。OECDも同様の立場で指針をつくりました。
 都がいま何よりもやるべきことは、多国籍企業に社会的責任をはたさせること、都内の雇用拡大にとりくむこと、そして、中小企業の技術を発展させ、経済けん引の主役としての役割をはたせるよう総力をあげることです。
 この立場からわが党は、再生可能エネルギー産業の発展にむけ、東京の中小企業が技術力をいかして多様な製品を開発し、販売できるよう、都が総合的なとりくみをすすめることをもとめました。このとりくみは日本と東京の雇用を大きくひろげ、原発ゼロの日本をすみやかにつくるうえで重要な役割をはたすものです。
 圧倒的多数の国民は原発ゼロをもとめています。わが党は、この声をうけとめ、「原発からの速やかな撤退に関する意見書」を提案しました。しかし、民主、自民、公明各党の反対で実現しませんでした。「オール与党」はこの問題でも、都民、国民の願いをふみにじりました。


4.防災対策は予防第一、都民の生命・身体・財産をまもる都の責務を明確に

 わが党は、災害対策基本法が、都民の生命、身体、財産をまもることを都の責務としていることをしめし、都の防災対策が自己責任を第一義的にあげているあやまりをただしました。
 ところが知事は、「まず自らの身をまもり、身近なもの同士で助けあうことが、一人でも多くの命をすくうことになる」といいはり、被害を最小限におさえるための自治体の責務である予防対策をなおざりにする立場をかえようとしませんでした。阪神淡路大震災では死者の80%が建物倒壊による圧死などでした。建物の耐震化がすすまず、建物が一瞬にしてつぶれてしまえば、自らの命をまもることも近所の方を助けることもできません。知事がいっていることは、東京都の責任をのがれるためのいいわけにすぎません。また、関東大震災では死者の90%が焼死でした。都は延焼遮断帯をつくり延焼をふせぐといっていますが、延焼遮断帯をつくってもその内側の広大な地域の延焼はふせげません。
 いまもとめられているのは、都が住宅の倒壊をふせぐ耐震化や不燃化・難燃化への助成を抜本的に拡充するなどの対策に総力をあげてとりくむことです。
 また、わが党が「東京都地域防災計画素案」では、強風下の広域火災、東京湾の石油タンク火災、立川断層帯地震による地盤変動による被害対策など最悪の事態を想定した対策をしめしていないことを指摘したことにたいし、都は「指摘は当たらない」といいはりました。しかし、わが党が指摘した対策は、「修正素案」には記載されていません。都は事実を直視し、対策をすすめるべきです。
 また、堤防や水門は破損しないというあやまった前提での被害想定がされていますが、耐震化ずみのはずの堤防の調査地点の4割で破損の危険性があることや、調査した16カ所の水門すべてで門柱が破損し、閉まらない危険性があることがあきらかになっています。想定をやり直し、大雨や高潮などの複合災害をふくめた実効ある対策をすすめるべきです。


5.豊洲の土壌汚染対策の欠陥が明白に 築地市場の豊洲への移転は白紙撤回を

 9月に発表された江東区豊洲の新市場予定地の土壌汚染調査で、これまで東京都が、これ以上汚染が下にひろがらないとしてきた「不透水層」の内部でさえも、旧東京ガス操業由来の高濃度汚染がひろがっており、都のいう「不透水層」にはその機能がないことが明白になりました。それでも都は、汚染は局所的、汚染があってもその直下2メートルにわたって汚染がないことを確認し、汚染が出た地点には人工的に「不透水層」をつくるので問題ないといいはっています。
 同地の3つある区画のうちのひとつで、青果市場となる5街区だけでも、あらたに「不透水層」内部で環境基準の1千倍のベンゼン、74倍のシアン化合物がみつかりました。「不透水層」内部の深さ3メートル以上にわたって汚染されつづけている所は30カ所以上、5メートル以上にわたって汚染されつづけている所が10カ所以上もあります。しかも、それらは局所的どころか全域にわたっています。
 これ以上汚染が下にひろがらない「不透水層」が市場予定地全面にあるとの前提ですすめてきた都の汚染対策工事がなりたたないということを、今回の調査結果がしめしたのです。
 わが党は、ばく大な費用をかける欠陥工事は中止し、築地での現在地再整備計画をすすめるよう、都民のみなさんとともに力をつくすものです。

以 上


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