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新国立競技場整備に都負担を義務化する法案の撤回と負担合意の白紙化を求める申し入れ
東京都知事 舛添 要一 殿


2016年2月19日
日本共産党東京都議会議員団


新国立競技場整備に都負担を義務化する法案の撤回と負担合意の白紙化を求める申し入れ


 本日、政府が閣議決定した「独立行政法人日本スポーツ振興センター法」の改定案は、地方財政法で許されない新国立競技場整備への東京都の費用負担を法律で縛ろうとするものであるうえ、昨年の国と都の合意も超えた負担を東京都に求めるものであり、絶対に認められません。
 第1に、法案は、都道府県の負担を定める形式とっていますが、負担の対象となる日本スポーツ振興センター(JSC)が所有する競技施設は東京都内以外にはなく、実質的には東京都のみに負担を義務づけるものです。憲法95条は一地方公共団体のみに適用される特別法の制定は住民投票による過半数の同意を義務づけており、こうした都民に重大な負担をもたらす法案を、政府と知事との合意をもって進めることは許されません。
 第2に、法案は「施設の整備に要する費用」を負担するとしており、新規建設だけでなく改修なども対象に含まれます。新国立競技場では、現在示されている448億円だけでなく、五輪後に観客席を8万席に増設する整備費の負担も迫られます。また、JSCが所有し改築が予定されている秩父宮ラグビー場などの負担も求められかねません。都は、合意した内容以外に「都が負担することはない」「他の施設は対象外」と答弁してきましたが、法案ではこれが担保されず、偽りだったことになります。
 第3に、法案は、都道府県の負担割合を3分の1以内と規定しており、知事が合意したと都議会で言明した4分の1負担どころか、3分の1までの負担が都に課されることになります。しかも法案は、JSCと都の協議が成立しないときは文部科学大臣が裁定すると規定しており、国の裁量にゆだねられていることも許せません。
 このように法案が、東京都の財政負担を法律で縛るとともに、都が都議会に報告した国との合意内容の枠をこえてさらなる負担を義務づけるという重大な内容であることが判明した以上、知事はただちに以下の対応をとるよう申し入れるものです。


  1. 東京都は、新国立競技場整備にたいし448億円を負担するという国との合意を白紙にもどすこと。
  2. 東京都にさらなる負担を義務化する独立行政法人日本スポーツ振興センター法の改定案は撤回するよう国に求めること。

以 上


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