厚生労働省の通達とは
働かせて賃金を支払わないサービス残業は、明確な犯罪行為です。そのサービス残業が横行している背景には、企業が労働時間の把握を労働者の自己申告にまかせる一方で、「残業代の申請は上司の許可が必要」「予算枠は月20時間以内」などの規制をしていることが、広く指摘されています。
残業代を請求すると、「能力がないからだ」とされ昇進や賃金査定にマイナスとなることから、労働者は請求したくてもできず、泣く泣くただ働きをさせられているのが現状です。
厚生労働省の通達は、こうした実態をふまえ、まず、使用者に労働者の日々の始業・就業時間を確認し、記録する責務があることを明確にしています。
また、残業時間を自己申告にする場合、使用者は、労働者や組合などから労働時間の把握が適正に行われていないとの指摘があれば「実態調査を実施すること」とし、事実上、労働者に時間管理台帳の閲覧権を認めています。
残業代の申請の上限規制については、「講じないこと」と明言し、残業時間削減の社内通達や残業手当の定額払いなど、労働者が労働時間の申告をしにくくしていないか、確認、改善するよう求めています。
今回の通達は、サービス残業の是正を求める労働者、国民のねばり強い告発と運動が実を結んだものです。
日本共産党は、国会でも「サービス残業根絶」法案を提出し、97年以降だけでも衆・参あわせて87回とりあげて、いっかんしてサービス残業の根絶を求めています。
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