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■ 申し入れ/談話/声明  日本共産党東京都議団
二〇〇二年三月二八日
日本共産党東京都議会議員団
団長  秋田かくお

第一回都議会定例会を終えて

一、今定例会では、石原知事が、大型開発中心の「都市再生」に重点的に予算を配分する一方で、老人医療費助成や老人福祉手当の段階的廃止など福祉のきりすてにとどまらず、あらたに慢性肝炎などの通院医療費助成のうちきりや、母子保健院の廃止など、きわめて冷たい予算を提案するなかで、わが党は、高齢者をはじめ都民の困窮の実態を具体的にしめして、これら福祉、医療のきりすての中止をつよくもとめました。
 慢性肝炎などの通院医療費助成について、通院治療が助成の九割以上を占めていることがあきらかになるなかで、入院助成だけにかぎるという提案の根拠はなくなりました。この問題では、定例会の開会中に、エイズなどとおなじく、血液製剤によってウイルス肝炎が拡大したことが判明し、石原知事も、国の責任を認めるにいたりました。
 「都立病院改革マスタープラン」の最初の具体化である母子保健院の廃止計画も、地域医療確保の裏づけもないままに、都民の反対をおしきっておしすすめようとしていることは、許されません。
 わが党は、きびしい財政状況にあっても、不況・リストラから都民生活をまもり、各分野の都民要望にこたえることは、自治体に課せられた責務であるとの立場から、くらしと営業、教育、環境など各分野にわたる積極的提案をおこない、ナノテクノロジーなどの製造業支援、寝たきり予防のためのパワーリハビリ、若者のひきこもり対策、河川の水質改善など、都としての対応を約束させました。
 さらに、予算の組みかえ提案をおこない、不要不急の大型公共事業や浪費にメスをいれ、きりすてられた福祉の復活をはじめ、福祉・医療の充実、「緊急景気対策本部」の設置や、中小企業支援、地球温暖化対策、さらには、全国で大きな流れとなっている三〇人学級の実現などに、知事がふみだすようつよくもとめました。
一、石原知事が、国と一体となってすすめようとしている「都市再生」は、都心部を中心に、同時多発的にビル開発や幹線道路づくりを促進しようとするもので、わが党は、六本木六丁目再開発や秋葉原ITセンターなどの質疑をおこなうなかで、この方向が、東京一極集中をさらに激化させ、ヒートアイランドなどあらたな環境破壊をすすめるものであることを指摘し、きびしく批判しました。
 臨海副都心開発の長期収支の見直しについても、小手先の収支の手直しにすぎず、「全面見直し」とはとうてい言えないものであることをあきらかにし、これらの大型開発を都民参加で見直しをおこなうことをもとめました。
 このような「都市再生」の推進は、都財政難をいっそうはげしくし、長期にわたる借金地獄をもたらすことを、試算も示して追及しました。
 自民党、公明党、民主党が、「都市再生」を礼賛し、石原知事が、都財政のきびしい現状を承知していながら、さらなる財政破たんをまねきかねないこれらの大型開発を積極的に推進しようとしていることは重大です。
一、都職員の給与カットについて、現行の条例通り、三月末でうちきり、あらためて八月一日から一年間カットをおこなうという労使合意が実現しました。わが党は、この労使合意にもとづく条例に賛成しました。自治体職員の給与は、人事委員会の勧告にもとづき、労使間での合意によって決定されるルールが確立しているものであり、その合意は最大限尊重されるべきです。自民党と公明党が共同提案した付帯決議は、労使合意を不満として、東京都に、来年七月以降も給与カットを継続するための対応をせまるものであり、反対しました。
一、東京地裁が、大銀行にたいする外形標準課税は認められないとして、税金の還付を命ずる判断をしめしました。しかし、大銀行への外形標準課税は、巨額の利益をあげながら、不良債権処理によって欠損を計上することで税負担をのがれている大銀行に課税するものであり、妥当なものです。
 東京都の控訴に賛成するとともに、都民が期待する当然の判決がえられるよう努力をもとめるものです。
                               以上