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■ 申し入れ/談話/声明 日本共産党東京都議団 |
「都立福祉施設改革推進委員会」が発表した、都立施設からの撤退、民間社会福祉施設への人件費補助の廃止について、日本共産党都議団は、7月5日、福祉局長に具体化をしないよう申し入れました。
前川福祉局長は、有識者の提言だから「コメントできない」「慎重に」対応すると言いつつ、「提言の考え方はまちがっていない」「できるだけ早く」局としての方針を出したいと述べました。
・・・・申し入れ全文・・・・
福祉局が設置した「都立福祉施設改革推進委員会」は六月二十七日、都立の老人ホーム、児童養護施設、障害者入所施設について廃止または民間移譲という、全面撤退の報告書を発表しました。つづいて七月二日には、福祉局が経営コンサルタントと大学教授のメンバーで設置した「福祉サービス提供主体経営改革に関する提言委員会」から、民間社会福祉施設にたいする人件費補助(民間社会福祉施設サービス推進費補助B経費)は「基本的に廃止が適当」などという中間提言が発表されました。
都立福祉施設は、医療的対応を充実し重度障害の利用者のうけいれをすすめることや、旧養育院での医療と福祉、研究の連携など、都立ならではの役割をはたしてきました。しかも希望者が二万五千人をこえることが明らかになった特別養護老人ホームだけでなく、児童虐待防止法の施行以後、児童養護施設はどこも満杯、障害者施設も多くの待機者がいるだけでなく、利用定員の多くを秋田県や青森県など他県の委託施設に依存している実態もあります。このように、多くの都民が施設の拡充を待ち望んでいるなかで、都立施設の廃止や民間移譲をうちだすことは、地方自治体としての責任をなげだすものと言わねばなりません。
また東京都は、都立福祉施設の充実とあわせて、社会福祉法人が運営する民間福祉施設にたいし、人材確保を支援しサービス水準をひきあげるための都独自の補助をおこなってきました。その柱である人件費補助の廃止は、利用者サービスの低下につながることにとどまらず、施設運営の存亡にかかわる重大な問題をひきおこすものです。だからこそ職員給与公私格差是正事業が見直され「サービス推進費補助」に移行したときに、福祉関係者と都民の大きな反対運動がおこり、都議会の付帯決議で関係団体との協議がおこなわれた経過を無視し、当事者で・る社会福祉法人の関係者を排除して廃止提言がだされたことも、とうてい許されるものではありません。
日本共産党都議団は、先の都議会第二回定例会の代表質問で、石原都政が「福祉改革」と言いながら、やっていることは、福祉手当や医療費助成のきりすて、シルバーパス全面有料化をはじめ、福祉の仕事から手をひくものだということを指摘しました。今回の「報告書」や「提言」の方向がそのまま具体化されるなら、いっそう重大な福祉の後退をまねくことは明らかであり、わが党は都立福祉施設からの撤退にも、民間社会福祉施設への人件費補助の廃止にも断固反対であります。したがって、今回の「報告書」や「提言」の内容を行政の方針として具体化することはやめるよう、つよく申し入れるものです。
二〇〇二年七月五日
日本共産党東京都議会議員団
東京都福祉局長 前川 耀男 殿