過去のページ
■ 申し入れ/談話/声明 日本共産党東京都議団 |
2003年1月8日
日本共産党東京都議会議員団
長期の不況にくわえ、小泉内閣の社会保障負担増と不良債権処理の加速策から、都民のくらしと営業をまもることは、都政にとって緊急の課題となっています。
しかし、知事が発表した予算原案には、医療費助成をはじめ介護保険の負担軽減、雇用、中小企業対策の充実などの切実な都民要求にこたえる姿勢がみられません。また、「財政再建推進プラン」の最終年度として、あらゆる分野の都民施策の切りすてがすすめられ、とりわけ、老人福祉手当の来年度の廃止、医療費助成などの経済給付的事業の計画通りの切りすてと、「福祉改革」の名によるあらたな施策の後退が推進されようとしています。
都立高校の統廃合や住宅行政からの撤退、「重点事業」以外の都民施策に対する一律10%マイナスシーリングなど、各分野の施策に深刻な影響をおよぼしています。
一方、超高層ビルと大型幹線道路中心の「都市再生」には、重点的に予算が配分され、大企業奉仕型の公共事業の見直しと借金依存型の財政運営の転換は先送りされました。
いま、都民がもとめているのは、東京都が住民の健康と福祉を守るという自治体の使命にしっかりと立つことです。都財政は厳しい状況にありますが、「都市再生」優先の逆立ちした税金の使い方をあらためれば、切実な都民要求に応えることは可能です。
この立場から日本共産党都議団は、以下のような復活要望を提出するものです。
1. | 老人医療費助成制度、障害者医療費助成制度、ひとり親家庭医療費助成制度をもとに戻すとともに、慢性肝炎、肝硬変・へパトームへの医療費助成を復活すること。 |
2. | 老人福祉手当は廃止せず継続するとともに、障害者の重度手当、福祉手当、児童育成手当等の所得制限をもとに戻すこと。シルバーパスをもとに戻すこと。 |
3. | 患者負担限度額を超えた医療費について、区市町村や医療機関による一時立て替え(受領委任払い)を認めること。 |
4. | 介護保険料をおさえるために区市町村への支援をはかるとともに、都として減免を行うこと。利用料の軽減策の拡充をはかること。 |
5. | 知事を本部長とする、雇用・景気対策本部を設置し、雇用と営業を守るための施策に重点的に予算を配分すること。 |
6. | 大銀行の貸し渋り、貸しはがしの是正を政府や銀行につよく申しいれるとともに、信用金庫・信用組合を地域経済の金融面での担い手として位置づけ、制度融資の際の利子補給など支援をつよめること。 |
7. | 制度融資については、別枠の借り換え一本化やつなぎ融資の導入など改善をはかるとともに、融資条件についても、年利1%以下の無担保、5年以上の据え置きとすることや、信用保証料の全額補助を実施すること。 |
8. | 公的就労をはじめ、期限を切らない安定的な失業対策事業を実施すること。緊急地域雇用創出特別基金事業については、都として基金の上乗せをおこなうなど、事業の抜本的拡充をはかること。 |
9. | 高校新卒者、大学新卒者、フリーターなど、若年者の就職を促進するために、企業に働きかけるとともに、民間企業の若年者雇用に対する奨励金支給、合同就職相談会などあらゆる手だてをつくすこと。 都として教員の採用や職業高校卒業者の専門職への採用など若年者の雇用確保につとめること。 |
10. | 大学、高校卒業者のための職業訓練や能力開発のための給付事業、就労までのつなぎ就労、生活支援などトータルな就労支援をはじめ、若者の就労を支援する社会的システムづくりにふみだすこと。 |
11. | 都独自の失業者・低所得者生活支援制度をつくり、生活保護にかかわる法外援助を拡充すること。 |
12. | 雇用保険が切れた失業者への生活支援金、零細業者や不安定雇用労働者のための無利子の生活つなぎ資金融資を創設すること。 |
13. | 路上生活者の実態調査をあらためておこない、就労、住宅、健康など総合的支援策を都として推進すること。 |
14. | 公共料金の2年毎の見直し方針は撤回すること。来年度、看護学校の授業料などの値上げを行わないこと。 |
15. | 市町村振興交付金、市町村調整交付金および特別区都市計画交付金を増額すること。 |
16. | 市町村まちづくりチャレンジ事業交付金を増額すること。 |
17. | 三宅島避難島民の生活を支援するために都独自の支援金を支給すること。 |
18. | (財)東京都島しょ振興公社貸付金を増額すること。 |
19. | 公共事業を住宅建設や福祉施設、生活道路など生活密着型に切りかえるとともに、発注にあたっては、分離分割発注をつよめ、中小企業への発注率を大幅に引き上げること。 |
20. | 首都高速道路公団への財政支援、国直轄事業負担金には応じないこと。 |
21. | 「財政再建推進プラン」にもとづく、私立学校経常費の標準的運営費の算定基礎の見直し、削減をやめ、経常費2分の1補助を完全実施すること。経常費補助と別枠で、耐震診断・改修工事助成事業にふみだすこと。私立高校授業料補助の拡充を行うこと。 |
22. | 私立幼稚園の保護者負担軽減補助の単価切り下げを中止すること。また、私立専修学校障害児教育事業を創設すること。 |
23. | サラ金被害、悪質販売やインターネット商法など多様化する消費者相談に対応するため、消費者総合センターの人員体制を拡充し、多摩の窓口を再開すること。 |
24. | 東京ボランティア・市民活動センターの運営費補助、NPO支援プログラムの具体化など、市民活動促進事業の抜本的な充実をはかること。 |
25. | 男女平等をめざす自主的研究への助成などの拡充をはじめ、都民の男女平等実現のためのとりくみを支援すること。 |
26. | 地球温暖化、ヒートアイランド対策を都政の重要課題に位置づけ、二酸化炭素の6%抑制目標を期限どおり達成するための実効ある対策を策定すること。地球温暖化対策室を、全庁的組織として編成し、クールランド対策や自動車交通総量規制など具体的とりくみを強化すること。 |
27. | ディーゼル車排ガス対策予算を大幅に増やし、中小業者の負担軽減のためDPF装着にあたっての補助や制度融資の抜本的改善をはかること。メーカー負担の導入や、NOX除去対策も促進すること。 |
28. | 自動車交通総量の規制の目標を設定し、交通需要マネジメントやモーダルシフトなど、自動車交通量の削減のための総合的な対策をすすめること。 |
29. | 複数の開発計画や住環境なども含めた「環境総合アセスメント」制度を創設するとともに、現行環境アセスの対象事業を従前にもどすこと。 |
30. | 自然公園での開発行為の規制を強化し、特別地域などの指定を拡大すること。里山、遊水地、樹林、崖地など、自然を保護すべき地域の公有化を促進すること。 |
31. | 都内に生息するオオタカやアカガシラカラスバト、トウキョウサンショウウオなど、稀少動物を自然保護条例にもとづいて保護種として指定し、保護、保全につとめること。 |
32. | 「都市再生」をはじめとする開発計画について、人口・産業・環境・財政などの角度からの「都市開発総合アセスメント」を実施すること。 |
33. | ヒートアイランド現象にともなう局地型豪雨や都市型水害に対して、地下街・地下鉄の浸水防止、開発者負担の制度化、総合治水対策を本格的に推進すること。 |
34. | 交通バリアフリー法にもとづく施設整備を促進するとともに、区市町村での計画策定への支援をはかること。 |
35. | 特別養護老人ホーム、老人保健施設、デイサービスセンターなど介護基盤整備を促進すること。 |
36. | 特別養護老人ホーム経営支援事業の削減をやめ、拡充をはかること。 |
37. | 都立福祉施設の廃止、民間移譲計画は撤回すること。用賀技能開発学院は存続させること。 |
38. | 乳幼児医療費助成制度は所得制限を撤廃すること。 |
39. | 保育所の待機児解消のために、認可保育所の増設をはかること。産休明け、延長保育をすすめるため区市町村への支援を拡充すること。 |
40. | 障害者分野での支援費制度への移行にあたって現行のサービス水準を維持、拡充する立場から、これまでのサービス推進費補助を継続するとともに、利用者負担軽減をはかること。 |
41. | 知的障害者生活寮を抜本的に拡充するとともに家賃補助など支援策を強化すること。 |
42. | 福祉改革推進事業、高齢者いきいき事業は増額するとともに、補助率を引き上げること。 |
43. | 心身障害者扶養年金会計繰出金の増額をはかること。 |
44. | 盲ろう者にたいする通訳・介助者養成講習事業を実施すること。 |
45. | 在宅酸素の電気代助成を実施すること。 |
46. | 多摩地域の保健所の統廃合は行わず、拡充をはかること。 |
47. | 難病医療費助成対象疾病の拡大をはかること。 |
48. | 区市町村が実施する小児夜間救急への支援を強化するとともに、小児科医育成のための奨学金制度の創設をはかること。 |
49. | 女性専用外来を設置する民間病院・診療所にたいする補助を実施すること。 |
50. | 精神障害者にたいする民営交通への交通パスの拡大や住宅、授産施設等の整備促進など社会参加促進策を強化すること。 |
51. | 食品安全条例を早急に制定すること。輸入食品、遺伝子組み換え食品、食品添加物、残留農薬、食器、ラップなど、安全性の調査・研究を系統的におこなうこと。食品監視員の増員、都立衛生研究所の研究・広報体制の拡充をはかること。 |
52. | 公害患者にたいする医療費助成の年齢制限を廃止し、すべての患者を対象とした助成制度とすること。 |
53. | エイズに関する普及・啓発活動の強化のためにワークショップを実施すること。 |
54. | 都立病院改革マスタープランにもとづく都立病院の統合、廃止、民営化は中止し、都民と地元自治体、医療関係者の意見をふまえ、充実の方向で都民的検討を行うこと。 |
55. | 都立病院への一般会計補助を拡充し、医師、看護士の増員をはかること。 |
56. | 中小企業予算を大幅に引き上げ、ものづくりや商業支援に重点的に配分すること。また、建設業など分野別の振興プランをたてて、振興をはかること。 |
57. | 第2期工業集積地域活性化支援事業を開始すること。また、現行の活性化事業適用地域については、適用期間の延長と予算の拡充をはかること。 |
58. | 大規模小売店舗法の廃止後の地域経済の実態調査をおこない、必要な対策を講じること。「元気を出せ商店街事業」の適用範囲拡大など、商店街が取り組みやすい事業に改善し、補助率の引き上げや、事業費の増額をはかること。 |
59. | 大企業のリストラ、人権侵害、不当労働行為などを防止するために、都として「労働者権利侵害防止委員会」を創設し、実態調査・指導・勧告が行えるようにすること。 |
60. | 築地市場の再整備は、地元、市場関係者の声を尊重し、関係者合意につとめること。交通アクセス、土壌汚染、採算性など問題が指摘されている豊洲移転は押しつけないこと。 |
61. | 都営住宅の新規建設を再開すること。また、建替えにあたっては、住民参加ですすめるとともに、都営住宅用地の民活利用や民間売却などは行わないこと。 |
62. | 分譲マンションの改修支援など、区市町村が取り組むマンション施策を支援すること。 |
63. | 木造密集地域の木造個人住宅への無料耐震診断、耐震改修への補助の制度化や、区市町村が実施している個人住宅改修事業への補助をおこなうこと。 |
64. | 大型幹線道路建設優先をあらため、生活道路や歩道の整備など都民生活に密着した道路整備を促進すること。「交差点すいすいプラン100」を早期達成するとともに、追加整備をおこなうこと。 |
65. | 路面補修予算の削減をやめ補修サイクルを大幅に短縮すること。 |
66. | 未利用都有地を都市公園として積極的に活用すること。また、計画的に公有地化をすすめ、都市公園を拡充すること。 |
67. | 市町村土木費補助の大幅増額をはかること。 |
68. | 都営地下鉄駅のエレベーター・エスカレーターの設置など、バリアフリー法にもとづく施設整備を促進すること。また、駅ホームへの可動柵の設置を推進すること。 |
69. | 都営大江戸線開通などに伴い、廃止したバス路線の復活や、ミニバスの配置を行うこと。バス事業の民間委託は行わないこと。 |
70. | 公立小・中・高校の30人学級に計画的にふみだすこと。30人学級など少人数学級にふみだした区市町村への財政補助をおこなうこと。 |
71. | 教員定数の七次改善のくり上げ実施、養護教諭の複数配置、スクールカウンセラーの全校配置、常駐配置をいそぐこと。 |
72. | 障害児学校の長時間通学や教室不足などの解消のために、学校増設計画をたて、ただちに実施すること。教室冷房化、トイレの改善、スクールバス増配置などを急ぐこと。 |
73. | 盲・ろう・養護学校の給食調理民間委託の実施状況の総点検をおこない、今後のあり方について関係者と協議すること。肢体不自由校への拡大を中止すること。 |
74. | 青鳥養護久我山分校の本校化、港養護学校の適地への移転、片浜養護学校の廃止中止と新・転入生の受け入れ、病弱養護高等部設置などの実現を急ぐこと。 |
75. | 「都立高校改革推進計画・新たな実施計画」は実施を中止し、既定計画分とともに都民参加で再検討をすすめること。 |
以上