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■ 申し入れ/談話/声明  日本共産党東京都議団

 日本共産党都議団は、6月27日、福永正通副知事に面会し、石原都知事宛の「新型肺炎SARS対策に関する申し入れ」を提出しました。
 申し入れには、渡辺康信政調委員長のほか、大山とも子政調副委員長、吉田信夫副幹事長、小松恭子議員が同行しました。
 渡辺政調委員長らは、冬場に再流行する危険性の懸念を指摘し、別紙申し入れの通り本格的な対策をとることを求めました。
 応対した福永副知事は「これからも都民の命と健康を守るために努力する」「知事につたえるとともに、申し入れは十分検討していきたい」とのべました。

新型肺炎SARS対策に関する申し入れ

2003年6月27日
日本共産党東京都議会議員団

東京都知事 石原 慎太郎 殿

 新型肺炎SARSについて、世界保健機関(WHO)は、「世界規模の感染拡大は明確な抑制方向に向かいつつある」と発表しました。しかし、その一方で、冬場に再び流行する懸念も指摘されています。WHOがまとめた6月20日までの世界のSARS患者数累計(可能性例を含む)は8461人、うち亡くなったのは804人におよびます。SARSはきわめて危険な新しい感染症であり、引き続き万全の警戒体制を継続することが重要です。
 すでに渡航延期勧告の対象地域はすべて解除され、感染地域リストから香港に続き北京も除外されるなど、水際対策はむしろ今まで以上に難しくなります。しかも冬場になれば、症状が似ている風邪やインフルエンザとの識別が難しいため、深刻な感染拡大を招く危険もあります。こうしたもとで、日本共産党都議団は、都としてSARS対策を抜本的に強化し都民の健康と命を守りぬくため、以下の事項について申し入れるものです。

1、 来年度に予定されている都の「感染症予防計画」の改定について、前倒しして直ちに着 手し、総合的なSARS対策をもりこんだ計画をつくること。
2、 SARS疑い例の外来初期診療に対応する協力医療機関の数を増やすとともに、協力医療 機関の名称・所在地を公表すること。民間医療機関が取り組む院内感染防止などのSARS 対策に対し、助成制度を創設すること。
3、 東京における中核的な感染症指定医療機関である荏原病院、豊島病院を都立のまま存続 し、感染症医療を存続・拡充すること。両病院の感染症医療を、がん医療が中心の都立駒 込病院に集約する「がん・感染症センター」構想は抜本的に再検討すること。
4、 都立病院看護師の院内外の研修を充実し、日本看護協会が認定している感染管理認定看 護師(ICN)の育成・配置を推進すること。
5、 都民からの相談、医療機関への協力依頼、接触者調査などの第一線にたつ都保健所の統 廃合は中止し、多摩地域12カ所の各保健所の機能強化をはかること。SARS対応のため 保健師を緊急に増員すること。都として23区の保健所に対する支援を強化すること。
6、 SARSの症状の特徴や感染経路、予防対策、および都の相談・診療体制等について、都 民や医療機関に対する情報提供を、充実、強化すること。
7、 N95マスクをはじめ感染防止に必要な装備、医療用具の備蓄を進めること。これらの メーカーに対し、確実な供給体制を確立するよう要請すること。
8、 広域的・緊急的に対応できる防疫体制の確立・強化をはかること。国に対し、貨物船へ の対応をはじめ港湾、空港の検疫体制を強化するよう要請すること。

以 上