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■ 申し入れ/談話/声明  日本共産党東京都議団

「第二次都庁改革アクションプラン」について

東京都知事 石原 慎太郎 殿

2003年11月27日
日本共産党都議団政策調査委員長
曽根 はじめ

 都民のくらしと福祉を守ることは、都政の最重要の課題であり、現下の都政にもとめられている改革は、東京都を「住民の福祉の増進」を使命とする自治体としてよみがえらせることにほかなりません。
 しかし、石原都政が、本日発表した「第二次都庁改革アクションプラン」は、この立場に背をむけ、民間活力の活用の名のもとに、都民のための仕事や施設のおおくを民間企業にゆだね、また、役割分担と称して区市町村に仕事をおしつけようとするなど、東京都が福祉や教育などの分野からおおきく手をひいていく方向をうちだしたものです。
 たとえば、福祉・医療の分野では、大泉・練馬就労支援センターの民間移譲やあらたにできる重症心身障害児(者)施設・東部療育センターの管理を民間に開放するなど徹底した民間市場への開放がうち出されています。都は、すでに営利を目的とした民間企業に保育を解放するために、「認証保育制度」を導入しましたが、その実態は、「高い料金」「狭い施設」「劣悪な雇用条件」など、認可保育園などと比べておおきく劣ったものとなっていることが明らかとなっています。
 また、現行プランにもとづいてすすめられている都立保健所、都立病院の統廃合にくわえ、都立大久保病院、荏原病院などの都保健公社への委託、板橋・東村山老人ホームの規模縮小など、都施設からの撤退が目白押しとなっています。国の規制緩和に連動する独立法人化や、都施設の「指定管理者制度」などは、都の財政負担解消による事業の変質、後退や、都の監督と議会のチェックがおよばなくなるなどの弊害が予想されるもので、都民的な議論と合意が不可欠です。
 第二次アクションプランが、毎年一兆円規模の投資をおこなうことで、今日の都財政難と都政にゆがみをもたらす原因となっている大型公共事業優先の都政運営の改革に言及することなく、逆に都市計画局、建設局の統合をうちだすなど、超高層ビルと大型幹線道路中心の「都市再生」をいっそう推進しようとしていることは重大です。破たんが明らかな臨海副都心開発や債務超過で破たん処理が求められているビル三セク、大企業のための再開発事業などをこそ徹底的に改革すべきです。
 都は、先に発表した「第二次財政再建推進プラン」で市町村補助や団体補助、私学助成など、都民生活に欠かせない各種補助金の「聖域」なしの見直しをうちだしました。第二次アクションプランとあわせ具体化されることになれば、東京の福祉をはじめとする住民サービスは国基準並みの水準におおきく後退させられ、都民の運動で築きあげてきた施策が根こそぎにされる危険があります。
 民間社会福祉施設サービス推進費補助の見直しや都立保健所、都立病院などの統廃合計画、さらには都立大学統廃合のおしつけは、都民の怒りと矛盾をふかめ、都民の世論と反対の運動を急速にひろげています。
 日本共産党は、都民施策切りすてと自治体破壊をすすめる、二つのプランの具体化を許さず、都民のくらしと福祉を守るために、全力をつくす決意です。

以上