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石原知事の自衛隊派兵発言の撤回をもとめる申し入れ

二〇〇三年十二月三日
日本共産党東京都議会議員団

東京都知事　石原 慎太郎　殿

　石原知事は去る一日、記者会見で、イラクへの自衛隊派兵を当然のものとしたうえで、「平和目的で行った自衛隊がもし攻撃されたら堂々と反撃して殲滅したらいい」と発言しました。
　民間人を無差別に殺傷するテロが許されないことは当然ですが、イラクでテロと暴力が蔓延する事態をつくりだしているのは、米英軍による無法な侵略戦争と不法な占領支配にあります。この不法な占領支配に、日本が軍事力をもって荷担することは、米英軍の軍事占領に反対しているイラク国民はもとより、イスラム諸国民全体からも、日本が憎しみの対象にされるという、とりかえしのつかない結果をもたらすことになります。また、日本と東京がテロの標的とされる危険をみずから招きよせることにもなりかねません。
　イラク問題の道理ある解決の方向は、一日も早く米英軍主導の占領支配をやめ、国連中心の枠組みによる人道復興支援にきりかえること、その枠組みのもとでイラク国民にすみやかに主権を返還し、米英軍を撤退させることであり、日本にもとめられるのは、そのための自主的な外交努力をつくすことです。
　知事の発言は、戦争はしない、軍隊はもたないときめた憲法第九条をふみにじり、日本の軍隊が戦後はじめて他国の領土で他国民を殺害するという、恐ろしい道に日本を引き込むことを督促するものであることはあきらかで、断じて、許されるものではありません。
　日本共産党は、この立場から、知事にたいし発言の撤回をつよくもとめるものです。