過去のページ

日本共産党東京都議会議員団
サイト内検索
活動紹介 おもな活動 申入れ・談話・声明 議事録 議員紹介 地域の生活相談 リンク集 HOME

議事録


予算特別委員会 予算組み替え動議 2005年3月28日

古館 和憲(板橋区選出)


予算の五%組み替えで、「都市再生」中心あらため、都財政の立て直しとくらし、福祉の拡充の道をふみだす


 日本共産党を代表して、ただいま提出した第一号議案「平成17年度東京都一般会計予算」、第12号議案「平成17年度東京都都営住宅等事業会計予算」、第19号議案「平成17年度東京都臨海都市基盤整備事業会計予算」、第21号議案「平成17年度東京都中央卸売市場会計予算」、第22号議案「平成17年度東京都都市再開発事業会計予算」、第23号議案「平成17年度東京都臨海地域開発事業会計予算」および、第28号議案「平成17年度東京都水道事業会計予算」の編成替えを求める動議について、提案理由の説明を行ないます。
 いま、雇用不安の増大と地域経済の低迷、さらには小泉政権がすすめる定率減税の廃止、年金改悪などによる7兆円負担増などが、都民のくらしと営業を直撃しています。このようななかで、地方自治体が果たすべき役割は、「住民福祉の増進」の立場にたって、都民生活の防衛に全力をあげることです。
 ところが石原知事は、この間、都民のくらしと福祉をまもることをたなあげし、「改革」の名のもとに福祉や教育、中小企業予算を削減し、都民の「痛み」をおしつけてきました。
 このため、福祉関係費は4年間に856億円も削減され、介護基盤施設も全国最低レベルに落ち込み、教育の分野では、30人学級の未実施県は東京都と香川県となろうとしています。中小企業予算はピーク時の半分に後退させられています。
 来年度予算案も、「都市再生」を優先し、都民施策をなおざりにする立場から編成され、福祉予算は実質4年連続、中小企業予算は10年連続後退させられ、高齢者福祉のさらなる切捨てをはじめ、小学六年生までの医療費助成や公的保育の拡充、30人学級の実現、商工業支援などの切実な要望はしりぞけられるなど、都民の願いとはおおきくかけはなれたものとなっています。
 その一方で、大型幹線道路や再開発などの「都市再生」には重点的に予算が配分されることで、投資経費は引き続き一兆円規模で高止まりしています。また、首都高速道路中央環状品川線が都の直轄事業として計画され、都の負担分が1250億円も投入されようとしていることにも示されているように、不要不急の大型開発への偏った予算の使い方になっています。このようなお金の使い方を都民本位に転換し、あわせて来年度3300億円もの都税収入の増収分を活用すれば、都財政の立て直しとともに、都民施策の拡充にふみだすことは十分に可能です。
 今回の日本共産党都議団の提案は、都政を都民が求める方向へ転換するうえで、まずこれだけは踏み出すべきという、最小限の項目にしぼりこんだものとしております。編成替えの対象も一般会計予算を中心とし、他の会計の編成替えは関連して修正が必要となるものにとどめました。
 編成替えの規模は一般会計予算案の5%程度ですが、都がこの方向にふみだすことは、かならずや都民の願いに応えるものみなると確信しております。
 以下、予算の編成替えのポイントについて説明いたします。
 第一は、都民のくらしと営業をまもるということです。知事を本部長とする「緊急雇用景気対策本部」の設置し、若年者雇用支援事業の創設など雇用の確保をはかるなどの支援を積極的に展開します。商店街総合活性化事業や第二期工業集積地域活性化事業の創設、借り換え融資の拡充など中小企業対策予算を増額し、中小企業を応援します。住宅困窮者への家賃補助や子育て世帯への家賃助成の創設、三宅島村民の生活支援など、都民の暮らしをまもる施策を拡充するものにしています。
第二に、高齢者福祉を守り、子育てしやすい東京にするための対策に力を入れていることです。シルバーパスの5000円券、1万円券などの発行によって、所得に応じて負担の軽減と高齢者の社会参加をすすめ、老人医療費助成(マル福)については現行の67歳から69歳までは現行のまま継続させるとともに、65歳からと段階的復元をすすめます。介護保険の負担軽減、特別養護老人ホームの整備促進、重度要介護高齢者手当ての創設など高齢者福祉を充実させます。また、小学生までの医療費については所得制限なしで無料化します。認可保育所運営支援交付金制度の創設、妊娠出産手当を創設するなど子育て支援を抜本的に強めます。また在宅酸素の電気代の補助の実施、障害者施策を拡充します。公立病院への補助を増額するなど、福祉・医療の充実をはかることに力を入れました。
第三に、30人学級など切実な都民要望を実現することにも力をいれていることです。学習と生活の両面でその有効性が認められている30人学級を小学校1年生から段階的に実施し、ゆき届いた教育を実現します。養護学校のスクールバスの増車、都立高校の校舎の冷房化など教育条件整備をすすめ、削減された私学の経常費補助を復元します。都営住宅の新規建設やエレベーター設置の促進、ミニバスの補助やシルバーパスの多摩モノレールへの拡大、食品監視員の増員など、都民要望に積極的に応えるものとしています。
第四に、地震につよく、安全で快適なまちづくりをすすめることです。東京直下型地震や長周期波振動の被害想定調査の実施、木造個人住宅やマンション、学校施設の耐震化を推進します。歩車道分離式信号の増設、消防団分団本部施設整備など安全対策を促進します。東京の環境破壊をすすめる「都市再生」を抜本的に見直すことととあわせ、ヒートアイランド総合対策室を設置し、緑地保全や風の道などのクールランド対策などを推進する。
第五は、石原都政の六年間、事実上の聖域とされ、温存拡大してきた超高層ビルと大型幹線道路中心の「都市再生」や臨海副都心開発をはじめとする不要不急・浪費型予算の削減です。そこにつぎ込まれる投資はいまだにバブル前の倍の一兆円規模で高どまりしています。これら、不要不急・浪費型の大型公共事業予算など2991億円削減し、あらたな都債発行額を831億円削減いたします。また、将来に備えて325億円を財政調整基金に積み立てることとしています。
 以上の見直しの結果、生み出された一般財源1599億円を「組み替え予算」の財源といたしました。
 この結果、一般会計予算の規模は5兆7356億円となります。
 各委員の皆さんのご賛同をお願いして、提案理由とさせていただきます。