緊急事態宣言下での生活が困難な方への支援に関する申し入れ
27日、日本共産党都議団は「緊急事態宣言下での生活が困難な方への支援に関する申し入れ」を小池百合子知事あてに行いました。福祉保健局の雲田孝司次長が応対し、「生活にお困りの方にはきちんと支援していく」と答えました。
★申し入れを行う(左から)斉藤まりこ、星見てい子、藤田りょうこ、白石たみお、の各都議(2021.1.27)
東京都知事 小池百合子 殿
2021年1月27日
日本共産党東京都議会議員団
緊急事態宣言下での生活が困難な方への支援に関する申し入れ
新型コロナウイルス感染対策のための自粛要請などの影響により、生活が困難な方が増加しており、年末年始に支援団体の方々が行った相談活動には多くの方が訪れました。さらに、二度目の緊急事態宣言に基づく外出自粛や営業時間の短縮の要請等により、生活に困窮する方がさらに増える恐れがあり、行政が責任を持って生活を支えていくことが強く求められています。
支援団体の活動の中で改めて浮き彫りになっているのが、生活に非常に困窮していても、生活保護は受けたくないという方が多いということです。一般社団法人つくろい東京ファンドが年末年始に生活困窮者向けの相談会に来られた方々を対象に行ったアンケート調査では、生活保護を利用していない理由で最も多かったのは「家族に知られるのが嫌だから」でした。親族に援助が可能かどうかを問い合わせる扶養照会が生活保護の利用の大きな障害になっているということです。生活保護の利用が国民の権利であることを東京都が積極的に広報するとともに、申請をためらわせる要因をなくすための取り組みを行う必要があります。
また、今回の緊急事態宣言ではネットカフェや漫画喫茶への休業要請は行われていませんが、これらの場所で生活されている方を含め、住まいを失った方への支援は必要です。東京都が緊急的な一時宿泊場所としてビジネスホテルの提供を行っていることは重要ですが、支援を必要とする方に行き届くように、また、支援を利用した方が安定した住居に移行できるように取り組みを強める必要があります。
よって、日本共産党都議団は、以下の事項を行うよう強く求めるものです。
1、生活保護の利用は権利であることを、都知事が先頭に立ち、記者会見、テレビ、インターネット、街中への掲示、公共交通機関の広告などを通じ、積極的に広報すること。
2、生活保護の利用にあたって行われる扶養照会をなくすよう国に求めること。また、東京都として、国の方針が変わらなくても、少なくとも本人が拒否している場合は親族への扶養照会は行わないこととし、区市に対しても同様の対応を行うよう働きかけること。
3、福祉事務所において申請を受け付けないなどの不適切な対応を行わないよう、都として徹底するとともに区市に対して指導を行うこと。
4、生活が困難な方にすぐに給付できるように、まず現金を渡し(貸し付け)、給与など所得が少ないことを届け出れば返済不要の給付に転換する制度を構築すること。
5、ビジネスホテルを確保して行っている一時宿泊場所の提供について、2月7日までとなっている期限を延長するとともに、必要な人に情報が届くように、積極的に広報を行うこと。
6、一時宿泊場所の提供について、自治体による格差がなく支援が行われるよう、区市への働きかけを行うこと。
7、都が確保したビジネスホテルを利用した方が必要な支援を受け、安定した居宅生活に確実に移行できるよう、区市町村と協力して取り組むこと。
8、動物を飼っている住居喪失者が利用できる一時宿泊場所を都として確保すること。
以 上