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申し入れ・談話

2021.01.15

都立、公社病院の新型コロナ患者受け入れの強化に伴う対応に関する申し入れ

 15日、日本共産党東京都議会議員団は、「都立、公社病院の新型コロナ患者受け入れの強化に伴う対応に関する申し入れ」を小池百合子知事あてに行いました。病院経営本部の谷田治経営企画部長が応対し、「患者へのきめ細かな対応は必要と思う」と答えました。
 また、昨日、日本共産党都議団は、小池知事に対し、妊婦の方の病院が変わることに関して、出産費用の増加分は都が負担すること、通院のためのタクシー代などの費用は都が負担すること、しっかりと一人ひとりの方から話を聞くことを口頭で申し入れました。病院経営本部の斉藤圭司担当部長が応対しました。


★申し入れを行う(左から)(谷田治経営企画部長)、白石たみお、藤田りょうこ、池川友一、とや英津子、星見てい子、大山とも子、曽根はじめ、原田あきら、和泉なおみの各都議(2021.1.15)


東京都知事 小池百合子殿

2021年1月15日
日本共産党東京都議会議員団

都立、公社病院の新型コロナ患者受け入れの強化に伴う対応に関する申し入れ

 

 小池知事が都立病院、公社病院での新型コロナ患者用病床を1,100床から1,700床に増やすと述べたことの具体化として、都立広尾病院では基本的に新型コロナ以外の診療、入院は休止、公社荏原病院、豊島病院も基本的に周産期と精神科救急を除いて、新型コロナ以外は休止となることとされ、「実質的なコロナ専門病院に」と報道されています。
 新型コロナウイルスの感染者が急増し、病床が大きくひっ迫している現状で、受け入れ患者数を増やすための必要な対応ですが、新型コロナ以外の患者には大きな影響を与えることになります。知事は記者会見で、「都立、そして公社の病院が責任を持って、きめ細かく対応させていただきます」と述べましたが、知事の責任で最大限の丁寧かつ誠実な対応と、十分な補償を行う必要があります。
 また、病院のあり方を大きく変えるものであることから、都民・患者への徹底した説明が不可欠です。しかし、知事は広尾病院で出産する予定だった妊婦の方への対応について述べた程度で、具体的にどのような診療科が休止するのか、そのことによる患者への影響にどう対応するのかなどについて、きちんとした説明は行っていません。広尾病院は島しょ医療の基幹病院であるため、島しょ地域の住民と町村への説明も重要です。
 さらに、新型コロナ患者に対応する都立病院、公社病院の職員の負担は一層重くなることとなり、抜本的な体制強化と待遇改善、労働環境の改善が喫緊の課題となっています。
 病院の現場が対応に追われる中、地方独立行政法人化を進めるべきでないことも、ますます明白になっています。
 また、都立病院、公社病院での病床数を1,700床まで増やしたとしても、感染者数自体の増加が抑えられなければ、入院が必要な患者数の増加には追いつきません。取るべき手だてを取らなかったためにここまで感染者数が増えたのであり、菅政権と小池知事の責任が厳しく問われます。感染者数を減らすための対策の抜本的強化が不可欠です。
 よって、日本共産党都議団は、以下の事項を行うよう強く求めるものです。

 

1、患者が別の病院を受診するための紹介状の費用負担や交通費の増加など、都立、公社病院の新型コロナ患者受け入れの強化に伴って患者に生じる費用負担の全額を都として支払うとともに、病院や主治医が変わることによる精神的負担などに対応した支払いも行うこと。

2、広尾病院で出産する予定だった妊婦の方には、出産費用の増加分、通院のためのタクシー代など増加した費用を全て都が負担するとともに、しっかりと一人ひとりの方から話を聞くこと。

3、島しょ住民が宿泊できる広尾病院のさくら寮について、他の都立病院や公社病院を受診する場合も利用できることとしたが、病院までが遠くて利用が難しい場合や、都立・公社病院以外の医療機関を受診するため利用できない場合などがあることから、島しょ住民の宿泊料への補助を行うこと。

4、他の医療機関の紹介や転院を行う患者に対しては、最大限の丁寧かつ誠実な対応を行い、強引に移ってもらうことはしないこと。

5、広尾病院以外の都立病院、公社病院においても、島しょの医療機関との連携、退院調整など万全の対応を行い、島しょ医療を後退させないこと。

6、休止する診療科について、どのような状況になれば再開するのかを明確にすること。 

7、各都立病院、公社病院でどのように医療機能が変わるのか、どの医療機能が休止し、その影響にどのように対応するのかなど、今回の対応の全体像について、知事自身の言葉で説明を行うこと。また、議会への報告を行うこと。 

8、島しょ医療に対する影響と対応について、島しょ地域の住民と町村への丁寧かつ十分な説明を速やかに行うこと。

9、都立病院、公社病院の医師・看護師等の大幅な増員を含めた体制強化を行うこと。

10、都立病院、公社病院の職員の手当の引き上げなどの待遇改善と、清掃を看護師が行わなくてよいようにするなどの労働環境の改善を行うこと。

11、都立病院、公社病院の地方独立行政法人化はただちに中止すること。 

12、無症状の感染者を発見するためのPCR検査の抜本的強化、自粛要請と一体の徹底した補償など、感染拡大防止のための必要な手立てを取り、感染者を減らしていく道筋を示すこと。 

以 上