学校における新型コロナウイルス感染症に関する対応についての申し入れ
日本共産党都議団は本日、標記の申し入れを、小池百合子知事と藤田裕司教育長あてに行いました。
応対した武市敬副知事は、「学校・文化芸術についても、かつての日常に戻ることができるようにと言う思いは同じである。今、どのような対応ができるのか、考えていきたい」と述べました。
★武市副知事がテレワーク中のため、オンラインで申し入れをする(左から)斉藤まりこ・とや英津子両都議(2021.4.30)
申し入れ内容は以下のとおりです。
東京都知事 小池百合子殿
東京都教育長 藤田裕司殿
2021年4月30日
日本共産党東京都議会議員団
学校における新型コロナウィルス感染症に関する対応についての申し入れ
新型コロナウィルス感染症の第4波が深刻化するなか、東京都には3度目の緊急事態宣言(4月25日~5月11日)が発令されました。
子どもたちは昨年春の一斉休校以来、感染防止に追われ、通常なら行えるはずの学校行事や、日常生活での友達との交流、スポーツや遊びを含めたさまざまな活動や楽しみが制限され、学びと成長の機会を奪われています。
「子どもたちが要求されているのは、話すな、会うな、歌うな、(マスクを常につけ)新鮮な空気を吸うなということです」「たくさんのことをがまんして、ストレスを抱えています」「子どもたちは不満や不安を抱えていても、なかなか自ら発言することはできません」「PCR検査もせずに中止や制限ばかりでは納得できません」と、生徒や保護者は訴えています。
子どもたちの安全確保を図りつつ、子どもの権利を保障するとりくみと、都としての責任がいっそう求められています。また、感染力の強い変異株の広がりへの対応も喫緊の課題です。
都立高校の部活動については今回、全面中止とされました(大会参加は可)。2回目の緊急事態宣言時の約3カ月間にわたる中止に続くものです。生徒にとっては部活動も含めてかけがえのない学校生活であることから、疑問の声が上がっています。都教委の説明によれば、更衣室や部活後の飲食での感染リスクが高いということですが、2回目の宣言時に全面中止したのは都立高校だけでした。生徒の意見を聞き、科学的な情報を提供し、リスク回避をしながらの活動を検討すべきです。
修学旅行などの行事についても、一律に中止にしないでほしい、行けない上にキャンセル料を払わなければならないのかという声が届いています。
よって日本共産党都議団は、子どもの権利や意見を尊重し、安全の確保と子どもたちの生活や学びの機会を保障する立場から、以下の項目を申し入れるものです。
【子どもの権利、意見の尊重】
- 学校や日常生活において中止・制限する事項や、感染予防の方法について、決定事項を押し付けるのではなく、子どもの意見を聞きながら進めること。学校でもそうした対応ができるよう、必要な支援をすること。
【安全な学校環境の確保について】
- 子どもたちに通常の学校生活を最大限保障し、また変異株から子どもたちを守るために、学校や幼稚園でもスクリーニング検査を行うこと。また、感染者が出た場合には、クラスや学年、学校や幼稚園ごとに広くPCR検査を行うこと。
- 東京2020オリンピック・パラリンピック大会の学校観戦については、ただちに中止 すること。
- 小学校3年生以上で、新年度のクラス替えにより1学級40人に増えてしまった例や、体の大きな中学2、3年生が40人学級に詰め込まれる状況に、コロナ禍で矛盾しているとの声が上がっています。小中学校での少人数学級を国より前倒しで実施すること。
- 都立高校の分散登校については、電車等の通学時だけでなく、教室でも密を避けられるように工夫をすること。安全な学校環境を確保すること。
- 都立学校と区市町村立の小中学校において、不登校や、コロナが心配で登校できない児童・生徒にもオンライン併用の授業を行い、参加できるようにすること。
- オンライン授業の実施にあたって、学校現場での困難がないかどうか、都教育委員会として把握し、必要な支援を行うこと。
【部活動や行事について】
- 部活動や行事は一律に中止とせず、科学的な情報を提供し、児童・生徒の意見を聞く場を保障しながら対応を検討すること。学校の取り組みに必要な支援を行うこと。
- 修学旅行や宿泊行事等の中止や延期にともない発生するキャンセル料等の費用については、今年度も都として財政支援を行ない、保護者や学校の負担とならないようにすること。
【都立図書館について】
- 都立図書館の来館サービスは休止せず、知る権利や子どもの居場所を保障するために開館すること。
- 対面音訳サービスは視覚障害者の生活に必要なサービスであり、休止せず実施すること。
以 上