卒業式・入学式において君が代のCD再生を強制しないことを求める申し入れ
2日、日本共産党東京都議団は標記の申し入れを藤田裕司教育長宛に行いました。応対した増田正弘指導部長と浅野直樹人事部長は、「通知は撤回するつもりはない」と答えました。
★申し入れる(右から)とや英津子、里吉ゆみ、斉藤まりこの各都議(2021.3.2)
申し入れ内容は以下のとおりです。
2021年3月2日
東京都教育長 藤田 裕司 殿
日本共産党東京都議会議員団
卒業式・入学式において君が代のCD再生を強制しないことを求める申し入れ
都教育委員会は2020年12月24日、卒業式および入学式における国歌斉唱の扱いについて、都立学校に通知し、区市町村教育委員会に参考送付しました。その内容は、新型コロナウイルス感染症対策として国歌(君が代)の歌唱をしない代わりに、「CD等に録音された歌唱入りの国歌を会場全体に聞こえるように再生する」ことを求めるものです。式次第への記載と司会者の言葉は「国歌斉唱」とすることや、教職員は「指定された席で国旗に向かって起立する」ことも細かく指定しています。
さらに通知には、「教職員が本通知に基づく校長の職務命令に従わない場合は、服務上の責任を問われる」と、処分の対象となることも記載されています。
各学校では、感染防止のために、保護者や在校生などの参加人数を制限し、子どもたちの成長を喜び合う様々なプログラムを中止・簡略化しています。都教委も式全体を短縮し、1時間程度にすることなどを通知しています。限られた時間のなかで、子どもたちにとって重要なプログラムを削ることになろうとも、国歌斉唱だけは何がなんでも実施させるという都教委の姿勢は極めて問題です。
そもそも卒業式・入学式の内容は学校が決めることですが、昨年4月の入学式では、都教委自身が国歌斉唱の中止を決め通知しており、必ずやらなければいけないというものではありません。
しかも、教職員に対し処分をふりかざして国歌斉唱を強制することは、思想・良心の自由に反し、あってはなりません。国際労働機関(ILO)と国連教育科学機関(ユネスコ)は一昨年、都教委の教員処分について、教員個人の価値観や意見を侵害しているとの見解を示し、強制や懲戒処分を回避するように勧告しています。
よって日本共産党都議団は、都教育委員会に対し以下の事項を申し入れるものです。
- 2020年12月24日付の藤田裕司教育長名の通知は撤回し、卒業式、入学式の内容は、各学校の判断にまかせること。
- 国歌斉唱(録音の再生)時に、起立しなかった教職員を処分しないこと。
- 2003年の10・23通達は撤回すること。
以 上