外環道トンネル工事の真上で発見された空洞に関する申し入れ
24日、日本共産党東京都議団は標記の申し入れを小池百合子知事宛に行いました。武市敬副知事が応対し、「緊急のご要望ということで、あらためて安全確保を第一に、すみやかに関係者に伝えます」と答えました。
武市副知事(右から二人目)に申し入れ書を手渡す里吉ゆみ都議(左)、原田あきら都議(左から二人目)、とや英津子都議(右)
東京都知事 小池百合子 殿
2020年11月24日
日本共産党東京都議会議員団
外環道トンネル工事の真上で新たに発見された空洞に関する申し入れ
11月21日、調布市東つつじケ丘2丁目の外環道トンネル工事の直上で、10月18日の道路陥没事故、11月2日の空洞発見に続き、新たな空洞が見つかりました。
「安全はどこにいった」「不安でしたけど、恐怖にだんだん変わっています」「一軒一軒回ってどんな異変がおきたのか調べてほしい」-住民の不安は募るばかりです。当面、安全対策と避難を希望する方の生活の補償に万全を期すとともに、真相究明と情報公開に徹することが急務中の急務です。しかし、国やNEXCOは陥没事故後もまともな情報公開さえしていません。都は国等事業者に対して情報公開を直ちに行うよう求めるとともに、都市計画法に基づいた報告、勧告、立ち入り調査など、都民から与えられた権限を行使すべき時です。
今回の一連の事故が、近隣の土地・住宅の資産価値を大きく損なうことは確実です。先日開かれた住民説明会では補償に関しても十分な説明はなく、住民は不信を強めています。NEXCO・国に対し、ただちに十分な説明と補償を行うよう都として求めるべきです。
「本線地上部に影響なし」という前提が崩れ、これまでと同様のやり方で外環道工事を続けることは不可能です。事前の補償抜きに大深度地下の使用を認可するという、大深度法の立て付け自体が破綻しており、同法の見直しが不可避です。
都が「国の予算編成に対する東京都の提案要求」の「最重点事項」として、外環計画の促進を求め、さらには東名以南の事業促進まで求める一方、事故には一切触れなかったことは自治体として異常な態度です。大深度地下シールド工法の「安全神話」をあらため、東京都として「第一義的には国等事業者」という事業者任せの姿勢を転換し、都民の生命と財産を守る立場に立つべきです。
日本共産党都議団は、以上の立場から以下の点について要望します。
1、NEXCO・国に対し、入間川の東側も含め当該地域一帯の調査ポイントを増やすよう求めること。また、これまで振動が確認されている地域はもちろん、これまでシールドマシンが通ったすべての地域の空洞調査を行うとともに、本線全線の徹底した地盤調査をやり直すこと。
2、事故原因の究明のためにも、情報公開を求め、第三者組織による検証を行うよう、国やNEXCOに求めること。
3、被害の補償について、住民が納得できる十分な説明と補償を行うよう国やNEXCOに求めること。
4、大深度法7条に基づいて大深度地下使用協議会の開催を求めるとともに、同条4項に基づいて関越―東名間の各自治体の参加を求めること。
5、「国の予算編成に対する東京都の提案要求」において、事故に一切触れず、外環道事業の促進や東名以南の事業着手を求めた記載を取り下げ、被害地域への徹底的な補償をこそ求めること。また、都としても国直轄事業負担金をはじめ、今年度の外環道事業予算の執行は中止するとともに、建設局、都市整備局の来年度予算要求に計上されている外環道関連の予算を削除し、外環道事業の中止・凍結を求めること。
以上