新型コロナウイルス対策のためのPCR等検査の抜本的拡充を求める申し入れ
申し入れ文書を手渡す(左から)白石たみお、原のり子、和泉なおみ、藤田りょうこ、(多羅尾光睦副知事)、池川友一、大山とも子の各都議(2020.7.31)
東京都知事 小池百合子殿
2020年7月31日
日本共産党東京都議会議員団
新型コロナウイルス対策のためのPCR等検査の抜本的拡充を求める申し入れ
本日の東京都の新型コロナウイルスの新規陽性者数は463人に上って過去最高を大きく更新し、感染拡大が止まらない状況が続いています。医療崩壊を引き起こし、救える命が救えなくなる事態が生じることが強く懸念され、対策の抜本的拡充が急務です。
現在の感染拡大は、感染震源地(エピセンター)――感染者・とくに無症状の感染者が集まり、感染が持続的に集積する地域が形成され、そこから感染が広がることによって起こっていると考えられます。
例えば、新宿区は累計の感染者数がとりわけ多く、PCR検査スポットでの陽性率は32%(7月1日~15日の暫定値)に上り、区内に感染震源地が存在することを示しています。他の地域でも感染震源地の広がりが危惧されます。
現在の感染拡大を抑止するには、PCR等検査を文字通り大規模に実施し、陽性者を隔離・保護するとりくみを行う以外にありません。
都として、都内の感染状況を分析し、感染震源地を明確にし、そこに国の協力も求めて検査能力を集中的に投入して、大規模で網羅的な検査を行い、感染拡大を抑止するべきです。
東京都内では、新規感染者数とともに、検査数、陽性率が何らかの形で明らかにされている自治体は、14区市(7月28日現在)にとどまっており、他の自治体では検査数、陽性率が明らかにされていません。感染状態の情報開示は、あらゆる感染対策の土台となるものです。
さらに、病院や高齢者施設、保育園などでの集団感染が生じており、防止策の強化が急務になっています。
こうした取り組みを進めるためには、検査能力の抜本的拡大が必要です。昨日の記者会見で知事は、積極的な検査を行って早期に陽性者を発見することが感染を拡大させないために不可欠な取組だと述べましたが、そのためには10月までというスピードも、1日1万件の検査能力を確保するという目標も、きわめて不十分です。また、検体採取能力も検査能力に見合って拡充する必要があります。
したがって、日本共産党都議団は、小池都知事に対し、以下の事項を行うよう強く求めるものです。
- 感染震源地(エピセンター)を明確にし、その地域の住民、事業所の在勤者の全体に対して、PCR等検査を実施すること。
- 地域ごとの感染状態の情報(検査数、陽性率など)を、住民に開示すること。
- 医療機関、介護施設、福祉施設、保育園・幼稚園、学校など、集団感染によるリスクが高い施設に勤務する職員、出入り業者への定期的なPCR等検査を行うこと。必要に応じて、新たな施設利用者や、利用者全体を対象にした検査を行うこと。
- PCR等検査能力の1日1万件の目標の達成時期は大幅に前倒しし、さらに数万件規模の検査ができる水準まで引き上げること。検体採取能力も検査能力に見合うものに緊急かつ大幅に引き上げること。
以 上