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2020.07.30

【談話】ステッカー「義務化」条例の小池知事による専決処分に抗議する ─PCR検査の抜本的拡充こそ必要です─


ステッカー「義務化」条例の小池知事による専決処分に抗議する
─PCR検査の抜本的拡充こそ必要です─

2020年7月30日
日本共産党東京都議会議員団
幹事長 和泉 なおみ 

 小池知事は本日、「東京都新型コロナウイルス感染症対策条例」を専決処分により改定しました。3日前の7月27日まで臨時議会が開催されていたにも関わらず、議会に上程し審議・議決することなく、専決処分したことに対して厳しく抗議するものです。

ステッカーを「義務化」することは、事業者の分断をもたらす

 条例改定の内容は、きわめて重大です。
 改定条例は、事業者に対し新型コロナ対策のガイドラインに従っていることを示すステッカーの掲示を努力義務化し、都民にはステッカーのある店を利用することや、施設や店舗などでクラスターが発生した場合にインターネットで通知するサービスの活用まで努力義務化しています。条例では、「努める」となっているものの、知事は記者会見で「義務化」と強調し、従うよう強く求めました。これでは、構造上むずかしいことなどにより、ステッカーを貼るためのガイドラインを守りたくても守れない店舗・事業者は、事実上排除されることになります。各事業者が感染対策をとれるようきめ細かく支援することこそ都の役割です。
 また、都民や事業者に「義務」を課すと言うのであれば、本来強い根拠が必要です。都はステッカーを貼っていたお店で感染が発生した事例があるのか、ないのか、ということすら把握しておらず、きわめてずさんだと言わざるを得ません。
 このような状態で、小池知事が、ステッカーの有無で事業者を分断し、都民に「義務化」する条例を、都民や議会の意見を聞かず、専決処分で勝手に決めたことは、民主主義をないがしろにするものであり、到底許されません。
 わが党は、専決処分に反対し、臨時議会の開催を要求しました。今後も引き続き、知事出席による閉会中審査などを行うことを求めていきます。 

いま必要なのは、PCR等検査の抜本的拡大

 都が、今、最も取り組むべき課題は、このような条例改正ではなく、無症状を含めた感染者をいち早く見つけるための、PCR等検査の抜本的拡充です。
 そのためにエピセンター(感染震源地)を明確にして、その地域の住民、事業所の在勤者の全体にPCR等検査を実施することです。また医療機関、介護施設、福祉施設、保育園、幼稚園、学校など、集団感染のリスクの高い施設で働く方たちへの定期的な検査や、必要に応じて施設利用者全体を対象にした検査を行うことです。
 しかし、知事は本日の記者会見でこのような検査の抜本的拡充を示すことはありませんでした。

  日本共産党都議団は、感染拡大防止を事業者・都民の自己責任とする小池知事の姿勢に対し厳重に抗議するとともに、真に実効性ある感染拡大防止策のために全力をあげることをあらためて、表明するものです。

 以上