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申し入れ・談話

2020.05.26

安定した住まいのない方への支援を求める申し入れ

 日本共産党都議団は、標記の申し入れを小池百合子都知事あてに行いました。梶原洋副知事が応対し「引き続き支援をしていきたい」と述べました。

★申し入れる(左から)あぜ上三和子、藤田りょうこ、(受け取る梶原洋副知事)、米倉春奈の各都議(2020.5.26)


東京都知事 小池百合子 殿

2020年5月26日
日本共産党東京都議会議員団

安定した住まいのない方への支援を求める申し入れ

 新型コロナウイルス感染症により、仕事を失ったり、仕事が激減するなどの状況は日々刻々と深刻さを増し、安定した住まいのない方々に幾重にも困難をもたらしています。これまでは「なんとかしていた」方々も限界を超えています。
 この背景には、これまでのハウジングプア(住まいの貧困)への施策が不十分であったことがあり、転換が求められています。
 都は、5月5日付「依命通達」で「失業等に伴う住居喪失者への一時住宅等の提供など、都民生活を支えるセーフティネットの強化に向けた取組」を当面の都政の集中的・重点的に取り組む業務に位置付けています。ハウジングプアを解決するために、思い切った取り組みを行うことが必要です。
 都がすでに実施している、ビジネスホテルを確保した緊急一時宿泊場所の提供に関する事業の広報が、ほとんど行われていないことは重大です。思い切って広報し必要としている方々に情報が届くよう努力をすべきです。
 緊急事態宣言の解除後に、多くの人がビジネスホテルからネットカフェや路上、無料低額宿泊所に戻っていったということはあってはなりません。都がイニシアチブを発揮し、区市と連携し、居宅移行につながる支援にすべきです。
 都として、命と人権の問題として住まいの支援に取り組むことが必要だという立場から、以下の点を申し入れます。

1、 TOKYOチャレンジネットについて

すでにTOKYOチャレンジネットにつながり、ビジネスホテルに入った方でも手持ちの現金がわずかだという状況がある。チャレンジネットの制度を利用している方々に継続的な生活相談や法律相談を実施すること。

新型コロナの影響で就労(就職活動を含む)が困難になったり、収入の見通しが立たない場合、生活保護制度の利用につながるよう、区市への同行支援を行うこと。

チャレンジネット利用者がビジネスホテル滞在中に、特別定額給付金を受け取れるよう、ホテルを住所地にすることを含め、都が責任を持って対応すること。

知事を先頭に、失業等に伴う住居喪失者への一時住宅等の提供を行っていることを思い切って広報し、必要としている方々に知らせること。

2、ビジネスホテル(緊急一時宿泊場所)の利用について

区や市の生活保護や生活困窮者自立支援を利用した場合にも、都が借り上げたビジネスホテルで対応している。5月7日の区市に対する事務連絡では、「利用開始日から令和2年5月31日(チェックイン)までの間の必要な期間」となっているが、引き続き都として緊急一時宿泊場所としてビジネスホテルを確保すること。区市と連携して、居宅移行につながる支援を行うこと。

3、緊急事態宣言解除後の対応について

緊急事態宣言解除後、支援につながっていた人がビジネスホテルからネットカフェや路上、無料低額宿泊所等に戻るようなことがないようにすること。都がイニシアチブを発揮し区市と連携し、居宅移行につながる支援を行うこと。その際、都営住宅や公的住宅の活用を積極的に行うこと。

無料低額宿泊所等について、4月17日付の区市に対する事務連絡では「個室に限る」としている認識は重要である。新しい利用者は個室を原則にした対応にすること。さらに、感染拡大防止や第二波へ備えるために、現在、無料低額宿泊所等を利用している方の早期の居宅移行を行うこと。少なくとも、複数人居室に入居している状況は一刻も早く解消し、個室(ビジネスホテルを含む)にすること。

生活保護制度や生活困窮者自立支援制度、TOKYOチャレンジネットについて、積極的な広報を行い制度周知を行うこと。受け入れ体制の強化を行い、必要な方がすぐに支援につながるようにすること。TOKYOチャレンジネットが停止しているアウトリーチを、一刻も早く再開し、体制を拡充して規模を拡大すること。

失業や経済的な事情によって、困窮する方の増加が予想される。一人ひとりに寄り添った支援を行うこと。ハウジングファースト型の支援に抜本的にあらためること。

以 上