保育・障害者・高齢者等の福祉施設と労働者の負担軽減と安全の確保等に関する申し入れ
★申し入れる(左から)原のり子、斉藤まりこ、(多羅尾光睦副知事)、米倉春奈の各都議(2020.4.28)
東京都知事 小池百合子 殿
2020年4月28日
日本共産党東京都議会議員団
保育・障害者・高齢者等の福祉施設と労働者の負担軽減と安全の確保等に関する申し入れ
保育、学童保育、障害者、高齢者等の福祉施設では、新型コロナウイルス感染拡大防止のため、利用者の命と健康を守るために日々奮闘を続けています。
しかし、働く方々の処遇や事業経営、感染防止のための安全対策などで、深刻な状況が生まれています。子どもの安全を担う保育や学童保育、放課後等デイサービスなどでは、3密を避けることが難しく、衛生資材も不足するなかで、「感染させてしまわないか、大きなプレッシャーを感じながら仕事をしていて疲弊している」という声が出ており、民間保育園の一部からは「登園児が減ったことで、有給休暇をとって休業するように求められている」という切実な声も届いています。また、障害者や高齢者の施設では、利用者減にともなって、厳しい経営状態に追い込まれている事業所も多くあり、深刻な状況です。
感染が拡大するなか、これらの福祉施設は利用者の命と権利を守り、国民の仕事や暮らしを支え、社会の土台を支える、必要性、公共性が高い役割を果たしています。その役割にふさわしく、福祉施設で働く方々の処遇の改善、事業の継続と安全確保のための支援を強化することが急務です。
また、学校の休校や外出自粛等により子育てや児童虐待などの相談の必要性が高まっています。新型コロナの影響により、生活に困窮する方への相談も重要になっています。大型連休中も十分な対応ができるようにする必要があります。よって、以下の項目を申し入れます。
- 都は保育園、学童保育、障害児通所支援事業所にたいして「必要な保育等を確保した上で適切な感染防止対策の協力を要請」し、障害者施設、高齢者施設などにたいして「適切な感染防止対策の協力を要請」しています。新型コロナウイルスの感染拡大の危機のもとで、これらの要請に応えながら利用者の権利を守る役割を果たしている福祉施設、福祉事業に従事する方々に特別手当の支給を行う補助制度を創設すること。
- 保育、学童保育、障害者、高齢者等の福祉施設に、消毒液、非接触型の体温計など、必要な衛生資材の支援を行うこと。
- 感染を広げないためにできる限りの自粛をお願いしても、休むことのできない仕事(テレワークを含む)や、保護者自身の病気などにより、保育を必要とする子どもたちがいます。また保育園は児童虐待を防止するうえでも大切な役割を担っています。保育を必要とする子どもへの保育が保障できるように、感染防止の対策に配慮した上で、区市町村にたいして、丁寧な対応を行うように周知すること。
- 子育て世代が安心して仕事を休めるように、国に対して迅速な賃金・収入・休業の補償の実施を求めること。
- 保育サービス推進事業について、保育所地域子育て支援推進加算を取得するために必要な取り組みは、外出自粛要請が行われているもとでは行うことが困難であることなど、施設の責任でない理由による補助金の減少で施設運営への困難が生じないよう、都として対応すること。
- 認可保育園において、正規、非正規を問わず、通常どおりの賃金の支払いを徹底させること。利用児童の減少による休業を有給休暇扱いにすることや賃金カットなど不適切な対応を是正させること。
- 放課後等デイサービスが学校休校にともない、朝から開所したり、利用が増加していることに対し、都独自の補助を実施すること。
- 障害者、高齢者の通所施設等では利用者減による減収のために、経営が厳しい状況になっています。事業の継続のために、都として減収補填をすること。
- 障害者施設でのイベント自粛の影響による減収・利用者の工賃について補助すること。
- 障害者福祉サービス等事業所で利用者が休所や一時帰宅等をした場合に、 電話等による支援も区市町村が認めれば報酬の対象となるという臨時的な取り扱いについて、区市町村によっては、厳しい条件をつけています。厚労省通知では、区市町村の判断において実施するとはなっていますが、都として、できるだけ柔軟に支給されるよう各区市町村に徹底すること。
- 障害者施設において、感染者が出た場合、あるいは利用者の家族に感染者が出た場合に接触のあった利用者を施設内で隔離して見守るとした際には、医師・看護師が巡回して指導するなどの手立てをとること。
- 特別養護老人ホーム経営支援補助金の小規模施設加算が引き下げられ、代わりに充実するとされている努力実績加算等の協議書を5月に提出するように通知されていますが、説明会もコロナウイルス感染防止のため、開かれていません。現場でもコロナ対策で大変な状況であり、対応しきれていない状況です。今年度は小規模施設加算の見直しを凍結すること。
- 大型連休中の児童相談所の相談窓口の体制は、平日並みの支援体制を確保すること。また、子ども家庭支援センターでも、同様の対応を行うよう区市町村に働きかけること。
- 休業要請や自粛の中で、当面の生活資金に窮する方や、住まいの確保が困難な方々が急増しています。大型連休中も対応できるように、都の福祉事務所の相談窓口の体制を確保し、区市町村に対しても働きかけること。
- 区市町村が祝日・休日の福祉に関する相談体制を充実できるよう、都からの財政支援を強化すること。
以 上