新型コロナウイルスにより危機に瀕する文化・芸術の支援に関する申し入れ
★申し入れる(右から)とや英津子、星見てい子、斉藤まりこ、里吉ゆみ、池川友一、米倉春奈の各都議(2020.4.24)
●芸術文化活動支援事業「アートにエールを!東京プロジェクト」(東京都ホームページ)
2020年4月24日
東京都知事 小池百合子 殿
東京都教育長 藤田裕司 殿
日本共産党東京都議会議員団
新型コロナウイルスにより危機に瀕する文化・芸術の支援に関する申し入れ
新型コロナウイルス感染防止のために、2月以降、多くの文化・芸術関係の公演やイベントが中止となりました。緊急事態措置の休業要請により、劇場やライブハウス等の発表の場も閉ざされています。学校の臨時休校で、休校中だけでなく5月以降に予定されていた学校公演も次々とキャンセルとなっています。外出自粛や施設の休業で、準備や練習すら困難な状況が生じています。
アーティストの多くはステージごとの契約で、公演ができなければ収入はゼロとなり、生活ができません。ホールや劇場、店舗、団体の経営者は、休業中も必要な家賃やリース、固定資産税などの支払いに苦しんでいます。オーケストラをはじめ公益財団法人等として活動する団体は、保有資産が2年連続300万円を下回ると解散という法律の規定により、活動の休止イコール組織の存続の危機という状況に追い込まれています。
新型コロナ対策の文化・芸術活動の支援として、都は5億28百万円の補正予算を組みました。個人やグループの映像作品をWeb上で発信し、1人あたり10万円の出演料を支払う事業であり、期待の声が寄せられています。同時に、こうした事業に向く表現と向かない表現があり、多種多様で幅広いアーティストを支援できるよう、当事者の声を聞き拡充してほしいと要望が上がっています。
さらに、アーティストやスタッフ、関係者の活動と生活を守り、劇場等の発表の場を存続させるために、補助をはじめとする幅広く大規模な支援が必要です。
文化・芸術関係者は「文化活動は生活に深く根ざしたもの。必要不可欠だ」と訴えています。感染の終息もはっきり見通せないなかで、放置すれば、東京の文化の灯が消えてしまいかねません。イギリスやドイツなどでは、文化、芸術に関係する個人や組織を保護するため、緊急支援が行われています。
よって、緊急に以下の項目を要望します。
- 活動実績のあるアーティストやスタッフ等の文化・芸術関係者に、一律の生活・活動援助金を支給すること。
- ホールや劇場、店舗、文化芸術団体の事務所や稽古場などの家賃やリース代、水光熱費をはじめとする固定費への補助や減免を行うこと。固定資産税を減免すること。
- 年間計画に含まれていた学校公演が中止となった場合は、都がキャンセルされた公演料について補助すること。
- 東京都主催のイベント等を中止した場合は、すでに支出した経費の支払いに加え、東京都の都合で契約をキャンセルしたものとみなし、補償を行うこと。
- 都立文化施設を借りている団体等が、公演等を中止した場合、少なくとも今年いっぱいは、納入された利用料を全額返還する措置をとること。文化・芸術団体が民間ホール等に支払ったキャンセル料を補助すること。
- 文化・芸術活動への助成金は、公演等が中止となり作品が発表できなかった場合でも、実費以上の金額を支払うこと。国にも同様の措置をとるよう求めること。
- 補正予算の「文化芸術活動の幅広い支援」は、発表の場を都の用意するサイトに限定せず、映像の長さも表現に合った長さを認めるなど、柔軟な内容にするとともに、出演料を増額すること。当事者の意見を聞き、多種多様で幅広いアーティストを支援できるものに拡充すること。作品の審査にあたり表現の自由を尊重すること。
- 財団法人や社団法人の文化・芸術団体が、保有資産の減少により解散に追い込まれることのないよう、法的措置を国に求めること。
以 上