ご意見・ご要望
ページトップヘ

申し入れ・談話

2020.03.26

新型コロナウイルス感染症への対応に関する緊急申し入れ

日本共産党都議団は、新型コロナ対応の緊急申し入れを行いました。
都民の命と健康を守る、子どもの学習権を守る、現下の経済危機から都民生活を守るために、36項目を申し入れました。
自粛に伴う補償について、踏み込んだ積極的な対応を求めました。

★申し入れる(左から)米倉春奈、星見てい子、清水ひで子、尾崎あや子、とや英津子、里吉ゆみ、藤田りょうこ、(申し入れを受け取る多羅尾光睦副知事和泉なおみ、池川友一、大山とも子、あぜ上三和子、曽根はじめの各都議(2020.3.26)

新型コロナウイルスアンケートにご協力ください。


東京都知事  小池百合子 殿
東京都教育長 藤田 裕司 殿

2020年3月26日
日本共産党東京都議会議員団

新型コロナウイルス感染症への対応に関する緊急申し入れ

 23日以降、都内では連日2桁の新型コロナウイルスの感染者が確認され、さらに25日には41人も新たな感染者が増えました。こうした事態を受け、全庁を挙げて更なる対応が必要です。
 一方、東京都新型コロナウイルス感染症対策本部会議は23日、引き続き重要な局面であるとして4月12日までの間、大規模イベント等の自粛という現在の対応方針を継続することを発表しました。消費税増税による打撃に、新型コロナウイルス感染症による打撃が加わり、この春を越えられるかと必死に対応してきた方々は、「いつになったらコロナ感染拡大が終息するのか先が見えない」と不安をいっそう募らせています。
 私たち都議団にも、屋形船業者から5月までの予約が全部キャンセルになった、飲食業の方は廃業という苦渋の選択をせざるを得ない、アルバイトの方は仕事を打ち切きられた・・・など多くの悲痛な声が寄せられています。都内の中小企業、小規模事業者、非正規労働者、フリーランス等の方々にとって大打撃となっています。
 今回の新型コロナの影響は、消費税増税が国民生活を直撃していた中で実体経済を直撃し、経済全体が深刻な不況に陥っていることが大きな特徴です。こういう時だからこそ、暮らしと営業を守るための支援や保障は不可欠です。
 ところが小池知事は昨日の会見で自粛にともなう損失への補償について何ら具体策を示しませんでした。
 IOCが五輪の1年程度の延期を正式に承認したことにより、今後、さらに様々な分野での影響が予想されます。都として、4月中に第4弾緊急対策を発表するとされていますが、今すぐにでも踏み込んだ積極的な対応が必要です。
 感染拡大防止によって都民の命と健康を守ることに最大の力を注ぐとともに、子どもの学習権を守り、現下の経済危機から都民生活を防衛するために、日本共産党東京都議会議員団として以下の事項について緊急に申し入れるものです。

記 

1.補正予算に関すること

(1)都民の生活と命を守るために大型の第2次補正予算をすみやかに編成すること。必要に応じて予備費の活用も検討すること。

2.感染症拡大防止と医療提供のための対策を強化すること

(1)保健所、本庁の新型コロナウイルス対策関連部署と健康安全研究センターの人員体制を全庁あげて大幅に拡充すること。区市の設置する保健所に対しても都として支援を行うこと。

(2)感染者の情報の発表内容は、人権と風評被害に最大限に配慮しながら、感染拡大防止に役立つかという観点から、区市町村とも連携して判断すること。

(3)医療機関においてPCR検査の対象者が過度に狭く理解されることのないよう、医師の総合的判断で検査を行えることの周知を改めて行うこと。特に高齢者など重症化しやすい方に対しては柔軟な対応が行われるようにすること。

(4)民間検査機関での検査数と円滑に検査を進めるうえでの課題がないかを速やかに把握し必要に応じて対策をとること。

(5)かかりつけ医など一般医療機関で、医師が新型コロナウイルス感染の疑いがあると判断した際、医師が直接「新型コロナ外来」を紹介できるようにすること。

(6)感染者が増加した場合の対策の移行について、感染者が急増して短期に判断しなければならない場合も想定し準備をすること。特に重症者が入院治療できる病床の確保や中等症状の方のための一般病床の確保を急ぐこと。また、軽症の方が入院せずに療養することになった場合に宿泊施設等で療養できるようにすることについて、施設の確保の方法などの具体化を進めること。

(7)医療機関への財政的支援を拡充すること。

(8)医療機関(医科・歯科)や介護施設、障害者施設等に対し、マスク、消毒液、手袋、エプロンなど、感染予防に必要な医材等が適切に供給されるよう必要な措置を講ずること。また、医療機関への支給を行う際には、医師会、歯科医師会への加入状況にかかわらず、すべての医療機関に支給される措置を講ずること。

(9)新型コロナコールセンターをフリーダイヤルにして、利用者の負担をなくすこと。

(10)島しょ地域の感染症対策の体制を強化すること。

(11)国民健康保険証・後期高齢者医療保険証の短期証の自治体窓口での留め置きをやめ、保険証を直ちに本人に渡すよう区市町村を指導すること。

(12)都立病院、公社病院の地方独立行政法人化の準備は停止し、病院現場が新型コロナウイルス感染症対策に注力できるようにすること。

3.都民のくらしと営業を守るための経済支援と負担軽減を

(1)消費税を緊急に5%に下げることを国にもとめること。

(2)都税などの減免を行うこと。また、徴収猶予や換価の猶予、滞納処分の執行停止、差し押さえの解除など、丁寧な説明と対応をすること。

(3)国民健康保険料(税)、後期高齢者保険料は値上げしないこと。また減免を広げるため、区市町村と広域連合に財政支援を行うこと。

(4)経済的に厳しい利用者については水道、下水道料金の減免を行うこと。

(5)公社住宅については、リーマンショックの際に対応したように、一般賃貸住宅家賃の来年度改定=値上げを行わないこと。

(6)高齢・障害・児童の福祉施設において、利用者の人数の変動があった場合でも、運営に必要な財政を維持できるように支援すること。

(7)イベント自粛要請等によって仕事や収入を奪われたフリーランスやアルバイトへの、休業補償を行うよう国に申し入れるとともに都としても支援を行うこと。

(8)経済活動の停滞により、厳しい状況に追い込まれている中小、小規模事業所に対し、十分な休業補償や支援をするよう国に求めるとともに都として、固定費補助等を実施すること。仕事を減らされたり解雇された労働者に経済的支援を行うこと。

(9)営業の厳しい状況を受け、市場利用料について減免、少なくとも猶予をすること。

(10)都や政策連携団体の主催の公演会や演劇などの延期・中止に伴いアーティストや舞台関係者等の休業を補償ができるよう都としても支援すること。

(11)学校の一斉休業にともないキャンセルになった給食調理やスクールバス、通学時の見守り等の委託民間事業者やシルバー人材センター等と、これらで働くパート労働者等に対し、損失補償を行うこと。

(12)国民健康保険、後期高齢者医療制度加入者が新型コロナウイルスに感染した場合や感染が疑われる場合の傷病手当金の支給を行うよう保険者に働きかけるとともに、財政支援の対象を被用者に支給した場合以外にも広げるよう国に求め、国が対応するまでの間は都として財政支援を行うこと。

4.学校、大学及び学生への支援を行うこと

(1)学校再開にあたっては、消毒やマスク、非接触体温計など必要な衛生資材の支援を行うこと。

(2)春休み以降の子どもの日中の居場所を確保するため、学校開放などが区市町村の判断で行えることを改めて周知すること。

(3)少年野球やサッカークラブなど民間のクラブへの校庭の貸し出しについては柔軟に対応するよう区市町村に通知すること。

(4)一斉の臨時休校に伴い学習が遅れている中、授業時間の確保のためにも全国学力テストは中止するよう国に求めること。都の学力テスト・体力テスト等も中止すること。

(5)外国籍や外国にルーツをもつ児童生徒の学習機会を保障するため、日本語ボランティアグループの日本語教室等が公共施設を使用できるように対応すること。区市町村にも要請すること。

(6)日本語の理解が不十分な保護者に学校の対応などが正確に伝わるよう多言語対応を充実すること。

(7)都教委が学校を一斉休校し、卒業式の簡素化や時間短縮、保護者の参列を認めないことを通知する一方で、卒業式における国旗掲揚および国歌斉唱を強要したことは、容認できない。入学式においては各校の判断によるものとし、調査は直ちにやめること。

(8)都立大学において学費の納入期限と授業料減免申請の期間を延長すること。また、学生寮の追加募集を行うなど、学生の生活への柔軟な支援をおこなうこと。

(9)都立大学においてアルバイトの減収等、学生への影響を把握すること。また、積極的に学生への相談、支援にとりくむこと。

(10)都として、少なくとも大学連携のスキームを活用し、新型コロナウイルス感染症の影響が大学や学生にどう表れているか、どういう公的支援が必要か実態についてヒアリングを行うこと。その他の大学にも実態を寄せるように依頼をするなど行うこと。

5.オリンピック延期への対応について

(1)東京2020大会の延期に際し、アスリートをはじめ直接、間接の関係者に与える影響、被害を最小限にとどめる方策を十分検討するとともに、追加費用負担はIOC、国、組織委員会と十分協議し東京都のみが負担することのないようにすること。

以 上