都立病院・公社病院の地方独立行政法人化方針の策定に抗議する
都立病院・公社病院の地方独立行政法人化方針の策定に抗議する
2020年4月1日
日本共産党東京都議会議員団
幹事長 和泉なおみ
東京都は昨日、都立病院・公社病院を地方独立行政法人化する方針を定めた「新たな病院運営改革ビジョン」を策定しました。「ビジョン」は、2022年度内を目途として、地方独立行政法人を設立するとしています。日本共産党都議団は、都民のための医療を後退させる独法化方針の策定に強く抗議するものです。
1、都立病院・公社病院の独法化は都民の医療を後退させる
昨年12月に公表された「ビジョン」の素案へのパブリックコメントには、都からの財政支出の削減につながる独法化に反対する意見が多く寄せられています。
しかし、「ビジョン」は都立病院について、行政的医療等に「都民の税金が投入されて」いるとして、「最小の経費で最大のサービスを提供していかなくてはなりません」と書き、公社病院についても「コストの見直しを更に進め」、「都の財政負担の軽減にもつながって」いくとしています。素案の時と表現は変わっているものの、独法化の目的が東京都の財政支出の削減にあることは明らかです。
財政支出を削減すれば、都立病院・公社病院が行っている感染症医療、小児医療、救急医療、周産期医療など、民間の医療機関では対応が難しい不採算の「行政的医療」は後退します。
そもそも地方独立行政法人法は、3~5年の中期計画の期間ごとに業務の廃止や組織の廃止を含む見直しを行うことを定めています。にもかかわらず、「ビジョン」が独法化により「行政的医療をより一層充実していきます」、「地域ニーズに着実に応えるための医療を積極的に展開していきます」など、何もかもうまく行くかのように描いているのは、都民を欺くものです。
2、新型コロナウイルスへの対応の中、方針策定を強行したことも許されない
いま、都立病院・公社病院の現場は、新型コロナウイルス感染症への対応に必死に取り組んでいます。そんな中、病院への財政支出を削減し、医療を後退させる、「病院リストラ」と言うべき地方独立行政法人化方針の策定を強行したことは、考えられないことです。
3、都民の声に耳を傾ける姿勢もない
「ビジョン」の素案へのパブリックコメントには、1,511人の方から意見が寄せられ、その多くが独法化に反対するものでした。しかし、東京都はこうした反対意見にまともに耳を傾けることなく、「ビジョン」の策定を強行しました。
この間の都議会での論戦などからも、初めから独法化ありきで、パブリックコメントの実施は形だけのものだったことは明らかです。小池知事が都知事選挙の際に掲げた「都民が決める。都民が進める。」という公約に真っ向から反するものであり、断じて許されません。
日本共産党都議団は、都立病院・公社病院の地方独立行政法人化に断固として反対し、直営で拡充することを求めて奮闘することを改めて表明するものです。
以 上