東京都立大学(首都大学東京)の学費及び授業料減免制度についての申し入れ
東京都知事 小池百合子殿
2019年10月30日
日本共産党東京都議会議員団
東京都立大学(首都大学東京)の学費及び授業料減免制度についての申し入れ
来年度から大学等修学支援制度が施行されることに伴い、国立大学では学生に対する支援が大幅に後退する危険性があることが大問題となっています。
文科省の調査により、現行の国立大学の授業料の免除や減額の対象となっていた学部生の53%にあたる2万4千人が、支援を受けられなくなるか、支援額が減少することが明らかになりました。現行の減免制度は中所得世帯も対象となっていますが、新制度は住民税非課税世帯とそれに準じる世帯に限定されることによるものです。
さらに国立大学の授業料値上げも相次いでいます。今年度は東京工業大学、東京芸術大学が約10万円の値上げ、来年度は一橋大学や千葉大学が約11万円の値上げです。
そもそも日本は国際人権規約を批准し、すべての人の教育を受ける権利の完全な実現のために、高等教育は段階的に無償化にしていくことを約束しています。日本政府の取り組みは、この約束に逆行するものです。
こうした状況だからこそ、東京都は、国の学生支援の後退に追随することなく、首都から高等教育の段階的な無償化にむけた流れをつくる努力が求められています。首都大学東京学生委員会の「学生生活実態調査報告書」(2017年度)によると、大学のよい点として回答者の6割が「学費」を選択し、学生にとって学費は重要な要素となっています。これは、経済的に厳しい状況の学生が学ぶことができるという点で重要な役割を果たしています。都が2016年度から、首都大学の授業料減免制度について、予算の範囲内での減免対応を行ってきたものを、基準を満たす学生すべてが減免を受けられるよう改善したのは重要です。さらなる充実を求め、以下の事項について要望いたします。
記
1. 東京都立大学(首都大学東京)の授業料の値上げは行わないこと
2. 国際人権規約の精神に立ち、学費値下げに踏み出すこと
3. 授業料減免制度の現行水準を維持し、さらに対象を拡大すること
以上