ご意見・ご要望
ページトップヘ

申し入れ・談話

2019.10.25

公立・公的病院の再編統合等に関する申し入れ

 25日、日本共産党東京都議団は小池百合子知事に対し「公立・公的病院の再編統合等に関する申し入れ」を行いました。福祉保健局の矢沢知子医療政策部長が応対し、「(医療機関に対して)都から減らせと言うことは考えていない」「(厚生労働省の分析は)適当ではない」と述べました。

 

以下、申し入れ全文。


東京都知事 小池百合子 殿

公立・公的病院の再編統合等に関する申し入れ

2019年10月25日
日本共産党東京都議会議員団

 

 厚生労働省は9月26日に、「公立・公的医療機関等の診療実績データの分析結果」を公表し、全国で424病院、都内では10病院について、再編統合について特に議論が必要だとしました。
 この424病院は、多数の医療分野で「診療実績が特に少ない」または「類似かつ近接する医療機関がある」とみなされた病院ですが、厚生労働省の「分析結果」は、評価すべきものを評価しない上、個々の医療機関の実情を踏まえない一律の基準に基づいているなど、実態と全くかけ離れたものとなっています。そのことは、具体的に挙げられた病院を見ても明らかです。
 例えば、都立病院では神経病院が挙げられていますが、神経病院は、難病医療で全国でも非常に高い実績を上げている病院です。しかし、厚生労働省は、難病医療については全く評価を行っていません。
 奥多摩病院や八丈病院はそれぞれの町のへき地医療を担い、かけがえのない役割を果たしています。奥多摩病院は、今回の台風被害でも被災者を訪問し、薬も届けるなどの貢献をしています。しかし、厚生労働省は、この二つの病院はへき地医療の「診療実績が特に少ない」とみなし、再編統合について特に議論が必要だとしました。
 区立台東病院のある区中央部二次保健医療圏には、高度医療を担う病院は多くありますが、台東区内に立地する病院は少なく、高齢者の慢性期医療やリハビリが必要な住民のための病床は不足しています。そうした中、台東病院は地域医療を支える重要な役割を担っています。
 厚生労働省が公表した「分析結果」に沿って医療機関の再編統合を進めれば、都民が必要とする医療の提供に深刻な影響を与えることは明らかです。このような実態とかけ離れた「分析結果」を公表し、それに基づいて検討を求めること自体が不適切であり、許されません。
 しかも厚生労働省は、再編統合について特に議論が必要だとされなかった医療機関に対しても、個別の医療分野について「診療実績が特に少ない」または「類似かつ近接する医療機関がある」と「分析」された場合には、そうした医療分野についての方針の見直しの必要性を検討するよう求めるとしています。さらに多くの病院で、病床の縮小などの検討を迫られることになります。
 厚生労働省による今回の公表に対しては、全国知事会会長、全国市長会会長、全国町村会会長が「国民の命と健康を守る最後の砦である自治体病院が機械的に再編統合されることにつながりかねず、極めて遺憾であると言わざるをえない」とする共同コメントを発表するなど、厳しい批判が相次いでいます。
 都民のくらしに責任を持つ東京都としても、毅然とした対応を行う必要があります。
 よって、日本共産党都議団は、小池知事に対し、以下のことを行うよう強く求めるものです。

1、今回の厚生労働省による「分析結果」の公表に抗議し、撤回を求めること。

2、国の動向にかかわらず、都としては今回の「分析結果」に基づく再編統合等を推進することはせず、都民が必要とする医療を守る立場で対応すること。

 

以上