東京外環道のシールド工事で再び漏気が発生したことに関する申し入れ
東京都知事・小池百合子殿
東京外環道のシールド工事で再び漏気が発生したことに関する申し入れ
2019年9月26日
日本共産党東京都議会議員団
先月19日から発生した大泉ジャンクション周辺の白子川で空気が漏れ出た問題(以下、漏気)で、国等事業者は昨日、漏気の成分と水質の調査結果をホームページに公表しました。
これによると、漏気発生から10日後、8月29日に採取した気体の酸素濃度は20.3%であったものの、参考として実施したとされる簡易測定においては「気泡自体の空気成分の酸素濃度が7.3%~20.9%」だったとされています。7.3%の酸素濃度は、失神昏倒をし、死亡に至る水準であり、そのような酸素が欠乏した「酸欠空気」が漏出していたことはとうてい看過できません。水面であれば漏気は気泡として視覚的に確認できるために発見されやすいものの、地表面では漏気が発生していても確認は容易にはできません。白子川以外でも漏気が発生している可能性もあります。
外環道のシールド工事では、昨年も東名ジャンクション付近で酸欠空気が地上に漏れ出ています。このため国交省は、東名側の北多摩層では空気を使用しない方法でトンネルを掘り進め、それ以外の地域では「地質状況に応じて掘進時に使用する添加剤や圧力を調整し、安全な方法を確認しながら」掘り進めるとしてきました。
そもそも「安全な方法を確認しながら」掘り進めるというのは、十分な対策が確立しないまま、周辺地域を実験にさらすようなやり方であり、許されません。ましてや、漏気が発生した以上、工事はただちに中止されるべきです。
また、漏気発生から1か月以上たってようやく公表にいたった気体の成分調査結果についても、数値公表されたのはわずか1日分(8月29日分)にとどまっているうえ、酸欠空気を検出した簡易測定の詳細は伏せたままであり、これではとうてい住民等への説明責任をはたしているとは言えません。
ところが、国などは、漏気発生後、一度も工事をストップせず、今回の漏気についての説明会の開催や、住民等への意見聴取もせず、漏気を発生させない方法を確立しない状況のまま、「トンネル工事は正常に進んでおり、引き続き、安全を最優先に工事を進めてまいります」といって、工事を継続しています。
よって、東京都として住民の命と健康を守る責務をもつ自治体の立場から、国等事業者に対して以下のことを強く求めるよう、要請するものです。
1、外環道のシールドマシン工事を直ちにストップすること。
2、簡易測定もふくめ、調査の詳細について公表すること。
3、外環工事の関係地域において、漏気発生についての説明会を開催すること。
4、住民から意見聴取を行うこと。
以上