東京2020オリンピック競技大会開催時における学校行事等についての申し入れ
2019年9月6日
東京都教育長 藤田 裕司 殿
日本共産党東京都議会議員団
東京2020オリンピック競技大会開催時における学校行事等についての申し入れ
東京オリンピック・パラリンピック競技大会組織委員会は昨年7月、文部科学省に対し、オリンピックとその前後の2020年7月18日から8月10日の期間はバス需要がひっ迫するとして、林間・臨海学校などの学校行事や部活動などの夏合宿について、時期を調整して協力することを、各教育関係機関に周知するように求めました。
これを受け文部科学省は、都道府県教育委員会などに対して「オールジャパンでこれらの問題に取り組むにあたり是非ともご趣旨をご理解いただけますよう」と事務連絡を出し、東京都はこれを都内区市町村教育委員会などに送付しました。このため都内の小中学校では、来夏の学校行事などをどうするのか、大きな問題になっています。
ある区では、小学校6年生の林間学校は1学期中にずらして行う予定ですが、4年生の臨海学校は遊泳期間が限られ変更は不可能だと、全小学校で中止する方向です。例年通り実施する計画で動いている区市町村もありますが、事務連絡を受けはじめからバスの確保は困難と、中止を検討している区市町村もあります。中学校の部活動合宿についても、バス料金の高騰が大きな課題となり中止が検討されるなどの事態がおきています。
東京の子どもたちにとって、これらの教育活動は、豊かな自然環境のもとで家族と離れて学び成長する貴重な機会です。臨海学校など、小学校6年間でその学年の1回しか経験できないものもあり、子どもたちは楽しみにしています。保護者や都民から「たいへんなショック」「貴重な教育の場を奪わないで」との声が上がっています。
スポーツ庁によれば、「事務連絡」は学校行事などの時期の調整をお願いするもので、中止を想定しているものではないとのことですが、オリンピックを理由にこうした機会を奪うことがあってはなりません。
よって以下の内容を申し入れます。
- 「事務連絡」が学校行事や部活動合宿の中止を求めているものではないことを、区市町村教育委員会や都立学校などに改めて周知すること。
- 夏の学校行事等の活動に必要なバスの確保については、情報提供や相談ができる窓口などを設け、オリンピック・パラリンピック準備局や区市町村教育委員会と協力して、学校への支援を強めること。
- 高額になることが予想されるバスや宿泊施設などの費用を支援すること。
以 上