保育施設の給食の食材料費への支援を求める申し入れ
東京都知事 小池百合子殿
保育施設の給食の食材料費への支援を求める申し入れ
2019年8月6日
日本共産党東京都議会議員団
国は10月から3歳以上児の保育料について無償化を実施するとしています。
重大な問題のひとつは、国が給食の食材料費を無償化の対象から外し、副食費を新たに実費徴収とすることです。
無償化を議論した子ども・子育て会議のメンバーからは、「食育をこれまで同様に継続するため、子どもたちへの十分な配慮をするためにも、食材料費を実費徴収としないでください」、「給食というのは単なる食事の提供ではなくて、保育の一環として実施している」など反対意見が相次ぎました。給食は保育・教育の一環です。だからこそ保育園は、国基準では3歳以上児の副食費、3歳未満児の副・主食費を保育単価の中に含めてきました。
さらに東京都は、完全給食を求める都民の要求にこたえ、1969年には、国が実費負担としている3歳以上児の主食費を都独自で無償化した歴史を持っています。その後、補助制度の変更はありましたが、食材料費は不徴収が続いてきました。食材料費の実費負担化は、保護者・保育関係者の願いに逆行するものであり、児童福祉として明らかな後退といわざるを得ません。
昨年知事が行った予算に関するヒアリングでも、東京都民間保育園協会から「今まで50年続けてきた完全給食の実施というのが変わってしまうと、無償化によってせっかく負担が減ってきた保護者に対して、給食費という新たな負担を増やすというようなことになりかねない」という声とともに、東京都にきめ細やかな対応を求める要望が出されています。
食材料費の実費徴収をめぐり、わが党が調査したところ、各区市町村の対応は大きな差があることがわかりました。検討中という自治体が少なくありませんが、今までどおり食材料費を実費徴収しない自治体が少なくとも10区1町2村あります。その一方で、実費徴収を行おうとしている自治体もあり、中には副食費だけでなく主食費についても新たに徴収しようとしているところもあります。現在のところ、不徴収を決めた自治体は区部が中心で、新たな多摩格差となるおそれもあります。
東京都市長会からは、食材料費について、都において一律の制度を設けるべく、予算措置を講じることを求める要望が出されており、特別区長会からは、子育て世代の経済的負担の軽減に関して、食材料費等についての施策等を実施することが要望されています。これらの要望に応える最善の方法は、都として副食費を無償にする施策を行うことです。
よって、日本共産党都議団は、小池都知事に対し、以下のことを行うよう強く求めます。
- 都内のどの自治体に居住していても、給食食材料費の実費負担をしなくてすむよう、都として保育施設の3歳以上児の副食食材料費への補助を行うこと。
- 国にたいして、給食の食材料費も無償化の対象にするよう求めること。
以上