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申し入れ・談話

2021.04.16

直ちに今夏の五輪中止を決断し、コロナ収束に全力を

 日本共産党都議団は16日、今夏の五輪中止を決断するよう、小池百合子知事あてに、改めて申し入れました。
 多羅尾光睦副知事が応対し「安心、安全な大会にむけて準備を進めてまいります。ご意見として承りました」と述べました。


★多羅尾副知事に申し入れを手渡す(右から)河野ゆりえ、藤田りょうこ、あぜ上三和子の各都議(2021.4.16)


東京都知事 小池百合子殿

2021年4月16日
日本共産党東京都議会議員団

直ちに今夏の五輪中止を決断し、コロナ収束に全力を

 4月に入ってからも新型コロナウイルス感染が世界的に拡大し、東京においても感染力のより強い変異株が急増し、深刻な感染拡大が続いています。ワクチンも、ようやく高齢者への接種が始まりますが、いまだ多くの医療従事者が接種できていないのが実情です。
 東京医師会長は4月13日の会見で、「これ以上感染拡大すれば無観客でも東京五輪大会は難しい」と述べています。また、12日付けのニューヨーク・タイムズは「開催は最悪のタイミング」であり「一大感染イベント」になる可能性があると指摘しています。さらに、イギリスのガーディアンが社説で、東京大会開催を「ショーを続ける必要がありますか」と厳しく批判しています。昨年3月に「五輪大会に関わる全ての人々、そして国際社会の健康を守るため」と開催延期を決めたときと比較しても、現在ははるかに深刻な局面となっています。

 こうしたなか、4月13日に発表された「共同」の全国世論調査では、東京大会は「中止・再延期をすべき」との声は72%にも上り、「開催すべき」との回答は24.5%となっています。既にスタートした聖火リレーについても、「限定的な中止」「全面的な中止」の合計が85.2%に対し、「継続すべき」は13.2%とわずかです。「コロナ対策に集中してほしい」「今は命を優先するべき」という国民の切実な声の反映です。

 日本共産党都議団は、1月25日に知事に対し大会中止を申し入れ、その後も都議会の本会議や委員会で「大会中止」を求め続けてきました。しかし都は「開催ありき」で突き進んでいます。
 しかも知事は、都県境を越えないよう呼びかける一方で、まん延防止重点措置期間中の5月9日に開催する五輪大会のテストイベントでは、全国的なチケット販売を行ない、海 外からの選手の隔離期間も3日間に縮小するなど、矛盾した対応になっています。
 さらに五輪大会時は、無観客となったとしても、海外からの選手や関係者、スポンサー、メディアなどの入国者が、少なくとも10万人規模になる可能性が高いと言われています。感染拡大を防止し都民の命を守るという観点から、懸念は膨らむばかりです。

 よって、日本共産党都議団は、知事に対し、直ちに今夏の五輪大会中止を決断し、新型コロナウイルス感染拡大を抑え込むために東京都の持てる組織力、財政力、知恵をコロナ対策に集中することを求めます。
 また、開催都市の責任において、国、組織委員会、関係機関、およびIOCとの協議を早急におこない、IOCが国内外の感染状況を鑑みて大会中止を決定するよう要請することを強く求めます。

以 上