最低賃金を直ちに時給1000円以上に引き上げ、速やかに時給1500円以上の実現をめざすことを求める申し入れ
東京労働局長 勝田 智明 殿
東京地方最低賃金審議会会長 都留 康 殿
2017年8月2日
日本共産党東京都議会議員団
最低賃金を直ちに時給1000円以上に引き上げ、
速やかに時給1500円以上の実現をめざすことを求める申し入れ
中央最低賃金審議会は7月25日、2017年度の最低賃金(時給)の目安について人口を加味した加重平均で25円引き上げることを決めました。過去最大の上げ幅になったものの、「ただちに1000円に」と求める労働者の要求からは程遠いものです。
東京などのAランクでも26円の引き上げで、時給にすると958円にしかなりません。この程度の増額では、都内で1日8時間、1ヶ月20日間働いても15万円程度です。
政府はかつて、政府や経団連も含めた合意目標で2020年までに平均1000円にするとしていました。しかし、3月にまとめた働き方改革実行計画で年限が消え、「年率3%程度をめどに引き上げ、1000円を目指す」に後退しました。「年率3%程度」では平均1000円到達は2023年までずれ込みます。
世界では、フランス・約1218円、ドイツ・約1103円となり、アメリカでは約1667円への引き上げを決めたワシントンDCやカリフォルニア州をはじめ、各地で動きが広がっています。韓国でも16.4%増を決定するなど、労働者の生活向上と経済政策の両立を図る立場から、最低賃金の引き上げと、これに伴う中小企業への支援策の拡充が大きな流れになっています。
日本でも最低賃金の大幅引き上げにより家計消費支出を増やし、国内需要の拡大を図ることが十分期待されます。また、それによる中小企業への影響を抑え、むしろ経営の発展に資するようにするため、社会保険料の中小企業負担の軽減など直接支援、大企業と中小企業との取引における適正な単価や納入価格の保障、規制緩和による過度な競争への規制、「公契約法」「公契約条例」の制定など、中小企業が最低賃金を引き上げることができるようにする環境づくり、支援策が不可欠です。
以上の立場から、日本共産党都議団は、東京労働局と東京地方最低賃金審議会に対し、中小企業支援策と一体に、最低賃金を直ちに時給1000円以上に引き上げるとともに、速やかに時給1500円以上を実現するよう強く要請するものです。