東京都立広尾病院の病床規模の縮小を行わないよう求める申し入れ
東京都知事 小池百合子殿
東京都立広尾病院の病床規模の縮小を行わないよう求める申し入れ
2017年6月6日
日本共産党東京都議会議員団
東京都立広尾病院(渋谷区)の今後のあり方について議論している「首都災害医療センター(仮称)基本構想検討委員会」が5月10日に開かれ、東京都が改築後の病床数を現在の478床から400床程度まで縮小することを提案しました。
なかでも、急性期(症状が急激に表れ、経過が早い時期)の医療を担っている一般病床を、現在の448床から350床程度まで縮小するとしたことは重大です。
それは第一に、広尾病院は民間の病院での受け入れが困難な救急患者を多く受け入れており、高齢化が進む東京でその役割は今後ますます重要になるからです。第二に、島しょ医療の基幹病院として島しょ部の患者を中心的に受け入れ、住民から厚く信頼されており、今後さらにその期待に応えていく必要があるからです。第三に、東京都の基幹災害拠点病院として、首都直下地震等の災害の際にも十分な受け入れ能力を確保することが必要だからです。
広尾病院の病床数縮小は、救急医療、島しょ医療、災害医療の重大な後退につながるものです。地域の診療所や中小病院をバックアップするためにも、広尾病院は縮小ではなく、充実・機能強化こそ必要です。
そもそも、東京都が病床縮小の根拠としている広尾病院の入院患者数推計は、病床削減と医療費抑制の狙いで実施された国の将来患者推計を基にしていることをはじめ、多くの点で実態とかけ離れたものです。
国の将来患者推計では、経済的な理由等で必要な医療を受けられていない方がいることが考慮されていないという問題があります。格差と貧困が深刻な問題になっているもとで、都立病院として広尾病院が経済的に困難な方々への入院をはじめとした医療提供に積極的に取り組むことも求められます。
よって、日本共産党都議団は、以下の事項について、強く要請するものです。
- 都立広尾病院の病床数の縮小はしないこと。
- 都立広尾病院は、救急医療、島しょ医療、災害医療をはじめ、都民と地域医療を支える中核病院としての役割を果たせるよう充実・機能強化をはかること。
- 都立広尾病院のあり方の検討は、広く都民参加で行うこと。
以上