「特別支援学校の寄宿舎の充実と改善に関する申し入れ」について
日本共産党都議団は本日、標記の申し入れを、小池百合子知事と藤田裕司教育長あてに行いました。浅野直樹人事部長が応対しました。
★申し入れを手渡す(左から)とや英津子・斉藤まりこ・米倉春奈・河野ゆりえ各都議(2021.6.1)
2021年6月1日
東京都知事 小池百合子 殿
東京都教育長 藤田 裕司 殿
日本共産党東京都議会議員団
特別支援学校の寄宿舎の充実と改善に関する申し入れ
日本共産党都議団はこの間、特別支援学校の寄宿舎指導員の配置基準について改善を求めてきましたが、現状はますます悪化しています。
文京盲学校では今年度、定年退職により寄宿舎指導員が16名から15名に減ったため、1日に泊まれる生徒数が減り、希望宿泊数が叶わない児童・生徒が増えています。自宅から車で往復5時間をかけて送迎しなければならない日が増え、仕事をやめざるを得なくなった保護者もいます。
久我山青光学園でも同様に、定年退職で指導員が15名から14名に減っています。にもかかわらず、新規採用試験が行われていないため、現場は切迫しています。
児童・生徒60人までは指導員12人とする現在の国基準は、単一障害、例えば盲学校なら視覚障害だけで他の身体障害や知的障害のない児童・生徒が多かった時代に作られたものであり、現在のように、重度重複障害の子どもたちがたくさん在籍していることは想定されていないといわれています。
重度重複障害の子どもには、就寝時も含め、マンツーマンに近い対応が必要です。東京都ではこれまで、廃止した寄宿舎にいた指導員を残っている寄宿舎に配置することで、定数以上の指導員を確保してきましたが、年月の経過により、そうした対応も限界になっています。指導員の高齢化や指導のノウハウが継承されていないことも課題です。
すべての児童・生徒が希望どおりに宿泊できるようにするためには、指導員を増やす必要があり、早急に現状に見合った人数を配置すべきです。国の定数改善を待つだけでは、状況は悪化の一途をたどります。肢体不自由の場合には都独自の基準を設けているのと同様に、他の障害種でも基準を設け、実際の重度重複障害の児童・生徒数に対応して指導員を増配置する必要があります。
よって日本共産党都議団は、通学困難な児童・生徒の通学を補償する立場から、以下の項目を申し入れるものです。
1、文京盲学校の寄宿舎指導員を直ちに補充し、すべての生徒が希望通りの日数を宿泊できるようにすること。
2、そのために早急に採用試験を実施し、年度途中でも指導員を新規採用すること。
3、東京都独自に、重度重複障害の児童・生徒が増えている実情に合うように、寄宿舎指導員の配置基準を改善し、拡充すること。
4、指導員が不足した場合は、直ちに補充すること。
以 上