深刻な感染拡大を直視し、今からでも五輪は中止し、 コロナから命を守ることに全力集中を(談話)
深刻な感染拡大を直視し、今からでも五輪は中止し、コロナから命を守ることに全力集中を(談話)
2021年7月30日
日本共産党東京都議会議員団
幹事長 和泉なおみ
東京の新型コロナ感染者数は、27日は2,848人、28日が3,177人、29日が3,865人、30日は3,300人と、感染の急激な拡大が続いています。
政府の対策分科会の尾身会長は「感染者(数)を下げる要素はないが、上げる要素はたくさんある」と指摘し、市民のコロナ慣れと疲れ、デルタ株の感染力の強さ、夏休みやお盆の人流増、東京の五輪開催などを列挙しています。そのうえで「最大の危機は、社会で危機感が共有されていないことだ」と述べています。
29日に行われた都のモニタリング会議では、現在の増加比が継続すると、8月11日の新規陽性者の予測値は1日当たり約4,532人となり、医療提供体制が危機に瀕するとして、早急に回避しなければならないと、厳しく指摘しています。
ところが、小池知事は、東京の新規陽性者が初めて3000人を超えた28日、メディア向けのオンライン講演で〝第3波のピーク時と比べるとワクチン接種が加速した。重症化しやすい60歳以上も減っている。第3波の時とは状況が異なる″などと極めて楽観的な認識を示しています。福祉保健局長も知事と同様の認識を示し「いたずらに不安をあおるようなことはしていただきたくない」とまで発言しました。緊急事態宣言の延長が決定されるに至って「極めて切迫した事態」との認識を示したものの、都民に根拠のない楽観論を振りまく、このような姿勢は、命と健康、くらしを守る政治や行政の責任を放棄したものと言わざるを得ません。
さらに、自宅療養患者の健康状態を確認する体制を聞かれ、「一人暮らしの方々などは自宅を病床のような形で」と答えた知事の発言は、医療の責任放棄ともいえる発言で、あまりにも無責任です。
東京都に発出されている緊急事態宣言は、8月末まで延長される方針が決定しましたが、宣言発出から2週間が経過しているにもかかわらず、感染拡大が過去最多を更新し続けている下で、さらにどのような方策で感染を抑え込み、医療危機を回避するのか示されていません。
ワクチン接種を急ぐことはもちろん重要ですが、どんなに急いでも、今のデルタ株による第5波には間に合いません。この現実も直視すべきです。にもかかわらず、国や都が実施している繁華街や事業所などでの検査は、6月第4週の3分の1に減少しています。
日本共産党都議団は、あらためて感染症対策の基本であるワクチン接種と大規模なPCR検査をセットで行い感染の封じ込めを図ること、自粛要請とセットで充分な補償を行うこと、疲弊する医療機関や医療従事者への支援を強化することを強く求めるものです。
このような状況の下で、あくまでも五輪を続けようとする姿勢は、国民と危機感を共有できない最大の原因です。急激な感染拡大が進んでいる現実を直視し、いまからでも五輪は中止し、コロナから命を守ることに全力を集中することを強く求めます。
以 上