新型コロナウイルス感染の急拡大から子どもたちを守るための緊急申し入れ
日本共産党都議団は2022年2月9日、標記の申し入れを小池百合子都知事、藤田裕司教育長あてに行いました。教育庁の新田智也総務課長と、福祉保健局の森田能城総務課長が応対しました。
① ②
①教育庁へ申し入れる、(右から)原のり子、藤田りょうこ、福手ゆう子、とや英津子、アオヤギ有希子、斉藤まりこ各都議。
②福祉保健局へ申し入れる、(右から)とや英津子、アオヤギ有希子、原純子、原のり子、福手ゆう子、藤田りょうこ、斉藤まりこ各都議。
〇申し入れ内容は以下のとおりです。
東京都知事 小池百合子 殿
東京都教育長 藤田裕司 殿
2022年2月9日
日本共産党東京都議会議員団
新型コロナウイルス感染の急拡大から子どもたちを守るための緊急申し入れ
子どもたちの間でオミクロン株の感染が急速に拡大し、学校の休校や学級閉鎖、幼稚園・保育園の休園が相次いでいます。都内で新型コロナウイルスに感染した10代以下の子どもは1月だけで43,760人に上り、子どもへの感染がいっそう身近にせまっていることへの不安が広がっています。
濃厚接触者になったり同じクラスや集団で感染があったりしても検査がされず、不安なまま過ごさなければならない、休園などで子どもの面倒を見るために、保護者の仕事や収入に影響が生じているなどの声が寄せられています。
教職員や保育従事者への影響も深刻です。ある学校では、子どもが相次いで陽性になり、濃厚接触者として先生が6人も自宅待機になり、授業は回らず、様々な問い合わせで電話は鳴りっぱなしだといいます。家族が感染し濃厚接触者となったため出勤できない保育士が複数いて、シフトが回らず子どもたちが不安定になったり、休園を余儀なくされている保育園もあります。
学校や保育園等で感染が判明した場合の対応として、東京都では保健所がすぐに対応できない場合に、独自に濃厚接触者の候補等にPCR検査をできるようにし、今年1月下旬からは、複数の陽性者があり学級閉鎖になった場合にはクラス全員がPCR検査を受けられるようにしました。重要な前進ですが、手続きの煩雑さなどから、必ずしも活用がされていない状況です。区市町村教育委員会からは、学級閉鎖になってから都に検査キットを注文するために、時間がかかることから、活用できないという声も届いています。
早期発見、早期対応のための定期検査については、公立私立の小学校、公立の中学・特別支援学校、幼稚園、保育園、学童保育、放課後等デイサービスなどの教員や職員も対象となったことは重要ですが、高校や私立中学の教職員、さらには子どもたちに対象を拡大することが求められます。
子どもたちや教職員、保育従事者に感染を拡大させず、学校での生活や教育、安全な保育を保障するために、早急に以下の対策をとることを要望するものです。
1、 学級閉鎖になった場合のクラスや集団全員のPCR検査の活用が進むよう、区市町村教委、都立学校に丁寧な周知と利用の促進を行うこと。通知書面の送付だけでなく、オンライン説明会や電話での連絡、学級閉鎖等になった際の個別の情報提供を行うこと。私立学校にも改めて周知すること。
2、 区市町村教委に常備するPCR検査キット数を現在の50セットから大幅に増やし、学級閉鎖をはじめ、必要となった学校で速やかに検査キットを配布できるようにすること。
3、 保育園等で感染者が発生し、保健所がすぐに対応できないときに実施できるPCR検査について、手続きを簡素化して現場の負担を減らすこと。
4、 濃厚接触者の周辺の検査をした方が良い者に該当すると考えられる園児・児童・生徒、教員、職員等に行うPCR検査について、陰性であれば自宅待機とはしないこと。公立学校では、感染者が1人であっても濃厚接触者の周辺の者に検査ができるようにすること。
5、 教職員の定期検査について、私立中学校、公立私立の高等学校も対象とすること。
検査はなるべく抗原検査よりもPCR検査で行えるようにすること。
6、 園児・児童・生徒も定期検査ができるようにすること。
7、 検査結果が出るまでに時間がかかっている原因を明らかにし、対策をとること。
8、 教職員や保育士をはじめとするエッセンシャルワーカーの3回目のワクチン接種をできるかぎり早期にすすめること。
9、 保育園や学童保育等が人件費を含むコロナ対策の費用にあてられる補助を都として
行うこと。
10、 学級閉鎖や分散登校の際のオンライン授業について、どんな困難があるのか、現場の実態把握を行い、必要な支援を行うこと。私立学校も含めて講師やコロナ対策のためのスタッフ、ICT支援員の配置を抜本的に強化すること。
11、小学校や保育園が休業した際に、育児のための保護者の休業を補償する小学校休業等対応助成金について、企業が申請や協力をしないために受けられない保護者に対し、都として補償の支援を行うこと。
12、修学旅行をはじめとする宿泊行事を計画していた学校のキャンセル料について、保護者の負担にさせないために、都立学校の場合は都教委が負担しているが、私立学校や区市町村立学校に対しても都が支援すること。
以 上