障害者権利条約、障害者差別解消法、および「東京都障害者への理解促進及び差別解消の推進に関する条例」に基づき、障害者の投票環境改善を求める緊急申し入れ
7日、日本共産党東京都議団は、表題の申し入れを小池百合子知事および松永竜太選挙管理委員会事務局長あてに行いました。佐藤竜太選挙管理委員会事務局選挙課長が応対しました。
★申し入れを行う(左から)福手ゆう子、原のり子、の各都議
東京都知事 小池百合子 殿
東京都選挙管理委員会事務局長 松永竜太 殿
2022年6月7日
日本共産党東京都議会議員団
障害者権利条約、障害者差別解消法、および「東京都障害者への理解促進及び差別解消の推進に関する条例」に基づき、障害者の投票環境改善を求める緊急申し入れ
2021年10月の衆議院選挙での投票率は56%、東京都においても57・21%と低いものでした。いうまでもなく、投票はきわめて重要な政治参加の権利ですが、障害のある方々への合理的配慮を欠く問題事例が声として寄せられています。
投票において、「合理的配慮の提供を欠く」という差別は許されません。障害者権利条約(第29条政治的及び公的活動への参加)で位置付けられた権利を保障するために、障害者差別解消法、都の条例でも「必要かつ合理的な配慮(「合理的配慮」)を行う」と義務付けています。
日本障害者協議会が、2021年12月20日より2022年3月末日までに実施したアンケートには、たくさんの事例や要望が寄せられ、それを「201の事例・要望集」としてまとめ、総務大臣あてに要請をされています。また、東京都選挙管理委員会委員長あてに、障害者と家族の生活と権利を守る都民連絡会からも、5月25日に要望書が提出されています。
日本共産党都議団としても、継続して議会で質問を重ねてきましたが、この間改善された課題もある一方で、残念ながら多くの課題が残っています。障害者の方々の参政権を保障するため、7月の参議院選挙から改善していただくよう、緊急に以下のことを要望するものです。
1、公報について
- 公示後、一日も早く公報が届くようにすること。
- 点字・音声・拡大文字などの選挙公報が、必要な人に迅速に届くようにすること。
2、投票所での投票について
- 期日前投票所をふやすこと。投票時間や期間をできるだけ、どの投票所でも最大に設定できるようにすること。
- どこの投票所でもバリアフリーを徹底すること。
- 多目的トイレや駐車場がある場所を投票所とすること。そうした施設が設置されているかどうか周知すること。
- 投票の秘密が守られるよう、障害の特性に応じた対応をとること。改めて、合理的配慮に関する通知を徹底すること。
- 障害のある人には、きちんと研修して、合理的配慮を理解した係員が付き添って誘導すること。
- 障害のある人には、介助者が付き添えるようにすること。
- 投票箱に点字シールを必ず貼るように徹底すること。
- 記載台について。ガタガタして書きにくい、せまくて書きにくい、暗い、高さの調整ができない、という声に応え、改善すること。また、記載台前に貼る候補者の一覧に、写真を貼るなど、知的障害・発達障害の方に配慮すること。
- 点字板や候補者名簿(点字版・拡大文字版)を必ず用意すること。
- 以上の点を、区市町村選管、投票所内の係員に徹底すること。
3、その他
- 不在者投票病院・施設に指定されていない病院や施設に入っている人の投票を保障できるよう、国に基準の緩和を働きかけるとともに、他の方法での投票について周知すること。
- 代理投票や郵送投票についての情報提供を改めておこなうこと。
- 投票所への移動支援を認めるよう国に働きかけるとともに、都として支援すること。
以 上