「透析患者のコロナ陽性者への医療体制の強化を求める申し入れ」
日本共産党都議団は本日9月2日、標記の申し入れを小池百合子都知事あてに行いました。
福祉保健局の関口尚志感染症対策部長が応対し、「透析の患者様が透析できるように、命を守れるように対応していきたい」と答えました。
関口尚志感染症対策部長(左端)に申し入れを行う斉藤まりこ、とや英津子、藤田りょうこ、福手ゆう子、アオヤギ有希子、尾崎あや子、大山とも子各都議
東京都知事 小池百合子 殿
2022年9月2日
日本共産党東京都議会議員団
透析患者のコロナ陽性者への医療体制の強化を求める申し入れ
新型コロナの第7波での感染状況が高止まりをしているなか、人工透析患者でコロナの陽性となった方々が入院できないという深刻な事態が生じています。透析の患者さんからは、かかりつけ医から「コロナにかかっても入院できないと思ってください」と言われて、恐怖を感じながら過ごしているという切実な声が届いています。
日本透析医会が公表している都内の透析患者のコロナ感染者の累積数は、6月30日から9月1日までの約2か月で、それ以前の累積数の5割以上にのぼる968人の増加になっており、第7波において急増しています。
一方で、東京都の透析患者専用のコロナ病床は北区赤羽の臨時の医療施設を含めて53床、専用ではないが透析患者の受け入れを可能としている病床と合わせて、最大の受け入れ数は約150床となっており、病床が足りていません。透析患者は重症化のリスクが高く、コロナの陽性になった場合は入院の措置を行うことが本来であり、都が責任をもって病床を確保するべきです。
都は7月25日付けで、無症状または軽症のコロナ陽性透析患者について、かかりつけの透析医療機関で外来維持透析を実施することを依頼する通知を医療機関に送付しています。しかし、コロナ陽性の透析患者を受け入れる場合は、防護具や陰性の患者と分ける動線の確保等が必要にも関わらず、今年度は透析医療機関を対象とする財政的支援がありません。ある人工透析を行っている診療所は、職員にも感染者が出てシフトを組むのも困難な中でコロナ陽性の透析患者を受け入れましたが、防護具やパーテーションの設置などで経費がかさみ、経営を圧迫しているということです。
また、陽性の患者を外来維持透析を行う医療機関に搬送する東京都の患者搬送サービスでは、介助の必要な患者が対象外です。都の通知では、介助が必要な患者の搬送は「保健所に御相談ください」と書かれていますが、保健所に連絡してもつながらないため、この診療所では自前で送迎を行いました。外来での透析の受け入れを求めるのであれば、財政面をはじめとした支援は必須です。
よって、日本共産党都議団は、透析医療機関を支援し、透析患者の命をコロナ感染の危機から守るために、早急に以下の対策をとることを要望するものです。
- 東京都立病院機構の病院の活用をはじめとして、透析患者が入院できるコロナ病床とそのための人員の確保を、都として責任をもって行うこと。
- 昨年度に行った、透析医療機関が感染防止のための機器等を整備する費用を補助する「東京都透析医療機関設備整備事業」を再開して、医療機関の要望も踏まえて拡充し、防護具や陰圧装置などの設備の補助を行うこと。
- コロナ陽性の透析患者の入院や外来での透析を支援するための、入院・通院受け入れ支援金などを創設すること。
- 車いすなどで介助が必要な患者でも透析医療機関に搬送できるように、保健所がひっ迫して対応できない実態を踏まえ、東京都の患者搬送サービスにおいて、介助者の配置を行うこと。
以上