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申し入れ・談話

2022.10.18

重大な情報公開条例違反について

 東京都が公文書の開示について、重大な情報公開条例違反をしていることが明らかになりました。
 日本共産党都議団が本日、条例違反の是正を黒沼靖副知事に申し入れようとしたところ、直前になって都側が「違反との申し入れは受けられない」と拒否しました。見解の違いを理由に拒否することは、民主主義社会の行政としてあってはならないことです。
 日本共産党都議団は記者会見で、受け取り拒否を改めることと情報公開条例の運用の是正を都に求めると表明しました。

★会見で訴える(左から)原のり子、和泉なおみ、池川友一、福手ゆう子の各都議(2022.10.18)

★東京都に申し入れる予定だった文書は以下のとおりです。


東京都知事 小池百合子 殿

2022年10月18日
日本共産党東京都議会議員団

重大な情報公開条例違反の是正を求める申し入れ

 東京都情報公開条例(以下「条例」)の第12条第1項は、公文書の開示請求に対する開示決定等を行う期限を「開示請求があった日から14日以内」と定めています。同条第2項は、「やむを得ない理由」がある場合は、「開示請求があった日から60日を限度としてその期間を延長することができる」としています。
 これらの期限を厳格に守ることは、条例前文にある「都民の『知る権利』」を保障し、第1条が定めている「都政に関し都民に説明する責務を全うするようにし、都民の理解と批判の下に公正で透明な行政を推進し、都民による都政への参加を進めるのに資すること」という条例の目的を実現するために不可欠です。

 ところが、日本共産党都議団が今年7月13日に行った保健所についての調査委託に関する公文書開示請求に対し、決定権者である小池知事は、条例第12条第2項を根拠として、9月9日まで、開示請求の日から58日間の期間延長を行い、その後さらに11月8日まで60日間、開示請求の日から数えると118日間の期間延長を決定し、通知しました。これは条例が定める「開示請求があった日から60日」という限度を超えており、明らかな条例違反です。

 このことについて東京都は、「『緊急事態宣言』発出による開示請求等に係る開示決定等の期限について」と題する2021年4月26日付・担当課長名の庁内向け通知(事務連絡)で、新型コロナ感染症の緊急事態宣言を理由に、「当面の間」「60日を限度とした期間延長を複数回行うことができるものとします」とし、東京都全体で同様の対応をしていることが明らかになりました。
 課長通知は、条例施行にあたり都が1999年に出した通達に「この期間延長は、原則として、再度行うことはできないものとする」と記述されていることを引用し、例外的には、60日間の期間延長を複数回行うことができるかのように描いています。

 しかし、条例第12条第2項には、「開示請求があった日から60日」という期間延長の限度について例外を認める規定は一切ありません。条例そのものが認めていないことを、行政が作成した文書で認められるようにすることができないのは当然です。一片の課長通知で、「緊急事態宣言」を「条例」の上に置き、条例を事実上改定・変更するようなことは許されません。
 課長通知の内容は明らかに情報公開条例に違反しており、すべての都民にかかわる重大な問題です。情報公開は都政改革の「1丁目1番地」としてきた小池知事の公約にも反しています。

 よって、日本共産党都議団は、小池知事に対し、情報公開条例違反の運用に厳重に抗議するとともに、以下の事項を強く求めるものです。
 なお、知事の対応いかんでは、わが党の開示請求への期間延長は「行政の不作為」にあたるとする不服審査請求を行う用意があることを付記しておきます。

  1. 開示決定等の期限について「60日を限度とした期間延長を複数回行うことができるものとします」とした通知を撤回すること。
  2. これまでに同通知に基づき、条例に違反して期間延長を行ったすべての開示請求者、および全ての都民に対して、知事が謝罪すること。
  3. 条例違反の運用が行われた原因、背景を検証してその結果を公表し、再発防止策を実施すること。
  4. 「開示請求があった日から14日以内」という条例の原則に沿う開示期間の運用を徹底すること。
  5. 日本共産党都議団が今年7月13日に行った開示請求に対し、再延長することとした期限である11月8日を待たず、直ちに開示を決定すること。

以 上