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申し入れ・談話

2023.01.30

東京五輪の汚職や談合疑惑の全容解明に責任を持つことを求める申し入れ

 日本共産党都議団は1月30日、標記の申し入れを小池百合子都知事宛てに行いました。武市敬副知事が対応し、「ご意見は承りました。両件(同時に行った「神宮外苑再開発事業の施行認可を行わないことを求める申し入れ」のこと)とも私を含め関係者で共有します。それぞれ動いている最中のものであり、状況を踏まえて対応します」と述べました。

★申し入れる(左から)里吉ゆみ、尾崎あや子、原田あきら、(武市敬副知事、)あぜ上三和子、原のり子、福手ゆう子の各都議(2023.1.30)


2023年1月30日

東京都知事 小池百合子 殿
公益財団法人東京都オリンピック・パラリンピック競技大会組織委員会(清算法人) 御中

日本共産党東京都議会議員団

東京五輪の汚職や談合疑惑の全容解明に責任を持つことを求める申し入れ

 東京2020オリンピック・パラリンピック競技大会における談合疑惑で、組織委員会の大会運営局元次長が関与、株式会社電通も談合を認める供述、テストイベントだけでなく本大会も一体に談合、などの報道が相次いでいます。公的性格が極めて強く、組織委員会役員や職員はみなし公務員とされ、多額の税金投入がされた東京五輪での談合疑惑が拡大していることは、看過できない重大事態です。

 東京都は、潮田副知事を筆頭とした調査チームの「東京2020大会テストイベントに係る談合情報に関する調査 当面の調査状況について」(以下、報告書)を昨年末に公表しました。ところが都は、談合については捜査当局が行うものという立場をとり、報告書の内容は、規則や手続きの状況等にとどまっています。
 株式会社KADOKAWAは、東京五輪における元会長らの贈賄容疑について、利害関係を有しない外部専門家を中心としたガバナンス検証委員会を設置し、事実関係や内部統制を含めた根本的な原因究明、再発防止策の検討を行い、1月23日に公表しました。
 東京都も、開催都市としての責任や多額の税金投入を踏まえるなら、談合疑惑に踏み込んだ事実関係の調査や組織のあり方も含めた原因究明を独自に行い、都民に公表することは、当然の責務です。

 テストイベントに関わる業務を行い、元次長が談合に関与していた疑惑が報じられた大会運営局の局長は都の派遣職員で、次長の1名は都派遣職員でした(次長の人数は公表されていません)。都派遣職員が統括していた部署での疑惑であり、都職員からの聞き取り調査は重要な意味を持っています。
 調査チームによる、都職員約100名からの聞き取りは、「契約、内容、委託等は、いつどのように決められていたか」「入札参加事業者には誰がどのように接触していたか」「組織委員会における契約、利害関係者との接触に係るコンプライアンスはどのようなものだったか」なども含まれています。ところが、これらの聞き取りの結果が報告書に含まれていません。極めて不自然であり、公表するべきです。

 また、報告書とともに公表された資料によれば、テスト大会に関する契約の案件公表・調達方式・予定価格の稟議について本来の決定権者である調達部長より上位の企画財務局長が決定していたケースや、案件公表や契約締結の稟議の決定より前に公表や契約締結をしているケースは、調査した26件中25件に及んでいます。
 報告書はこうしたケースが「一部見受けられた」としていますが、これらは勘違いやフライング的なミスではなく、本来の公正な業者選定や意思決定と異なる力が働いた結果である可能性があります。「一部」などと軽く扱うのではなく、原因を徹底解明すべきです。

 さらに調査チームメンバーの潮田勉副知事と中村倫治政策企画局長は、元オリパラ準備局長であり組織委員会の元理事で、いわば利害関係のある当事者です。当事者により構成されるチームや都職員同士の聞き取りではなく、利害関係のない専門家による調査を行うべきです。
 組織委員会の解散により、不正やその責任、原因究明がうやむやにされることは、とうてい都民の理解を得られないものであり、容認できません。よって日本共産党都議団は、東京都ならびに組織委員会(清算法人)に対し、以下の項目を申し入れるものです。

  1. 東京五輪の契約に関する談合疑惑は、都および組織委員会(清算法人)として、利害関係のない専門家による第三者組織を設置し、事実関係や原因究明も含め、徹底的に調査・検証し、公表すること。
  2. スポンサー契約に関する汚職容疑についても同様に調査・検証すること。
  3. 談合や汚職に組織委員会理事や幹部職員等が関与していたことが明らかになった場合は厳正に対処するとともに、組織委員会に職員を派遣していた企業や他団体に対しても、厳しい対応を求めること。
  4. 談合や汚職により組織委員会や東京都が被害を被ったことが確定した場合は、損害賠償請求や訴訟を提起し、確実に賠償させること。
  5. 組織委員会(清算法人)の評議員である武市敬副知事と潮田勉副知事は、評議員の権限を行使し、法人の責任をまっとうさせること。
  6. 容疑や疑惑の調査や損害賠償等の決着がつくまで、清算結了や清算法人の業務終了をしないこと。

以 上