ご意見・ご要望
ページトップヘ

申し入れ・談話

2023.05.25

神宮外苑再開発 JSCレク結果報告

-JSCレク開催概要-
■日時・会場
 2023年5月25日(木)17時~19時  参議院議員会館 102会議室

■JSC対応者
 山本幸男氏 (独)日本スポーツ振興センター施設部長
 三本英人氏 (独)日本スポーツ振興センター施設部企画調整役

■レク参加者 計39人
議員-10人
 吉良よし子参議院議員、山添拓参議院議員、笠井亮衆議院議員
 和泉なおみ、里吉ゆみ、原田あきら、原純子、曽根はじめ各都議会議員
 風見としお港区議会議員、杉山直子新宿区議会議員
市民のみなさん-9人
メディア-10人
 毎日、東京、TBS、NHKラジオ第一、都政新報、月刊日本、東スポ
 しんぶん「赤旗」(日刊・日曜版)、東京民報
議員団事務局等-10人


★★目次★★
事前の質問項目と、これに対する1回目のJSCの回答
質問項目ごとに、会場での主な質問と回答
 質問・回答①について  質問・回答②について
 質問・回答③について  質問・回答④について  
 質問・回答⑤について  質問・回答⑥について
 質問・回答⑦について  質問・回答⑧について

 

■事前の質問項目と、これに対する1回目のJSCの回答

質問① 新ラグビー場について
 -新聞報道によると、「屋根付き・人工芝」となったのは、国立競技場が「屋根なし」で建替えられ、コンサートなどの大音響の大型イベントが開けず、維持費を賄えないという事情が影響したとされている。この指摘は事実か。新国立競技場の赤字の相殺のために、ラグビー場を犠牲にするということか。特に、当初計画になかった屋根が設置されることになった件について、内部でどのような検討がされたのか。この件に関して政治家の関与はなかったのか。
 -新ラグビー場について、ラグビー観戦(座席数を40%減らすことによるチケット入手への影響など)やイベントについて需要予測などの調査・シミュレーションを行ったか。その結果は公開されているか、または今後公開する予定はあるか。予定がない場合、それはなぜか。

(回答①)
 秩父宮ラグビー場整備に関しては、日本ラグビーフットボール協会の要望をふまえて、必要な整備費をスポーツ庁に予算措置していただき、整備を行うなど、従前より緊密な連携を図っている。
 今般の移転整備に際しては、スポーツ庁が開催した「ラグビーの振興に関する関係者会議」において、ラグビー協会の方から、ワールドラグビー基準の試合環境が用意できる、全天候型であり、しかるべき諸室、設備が整備されること、チームや観客に対してスムーズな動線が確保されていること、と意見があった。それを受けて、「秩父宮ラグビー場移転整備の基本的考え方」というものがこの会議で示された。具体的には、ラグビーをプレーする人、見る人、支える人、集める人にとって快適な施設であること、他のスポーツ競技や、各種イベントなど様々な用途でも快適に使用できるように、全天候型のラグビー場とし、民間のノウハウや創意工夫を最大限活用できるように、施設整備および運営に民間活力を活用した事業方式-PFI事業で、BT+コンセッション方式により整備すること、などが示されている。
 JSCでは、この「基本的考え方」の方針に沿って整備することとした。
 イベントの需要予測等に関しては、整備計画の検討において、ヒアリングやマーケットサウンディング等を行っている。

質問② 秩父宮ラグビー場の現地再整備について、内部で一度も検討したことはないか。あればその記録を開示してください。もし検討していないとすれば、それはなぜか。

(回答②)
 秩父宮ラグビー場は建設から76年が経過しており、老朽化が著しく、以前から耐震性の確保が大きな課題であるとともに、ユニバーサルデザインの導入や、多様化するニーズへの対応が求められていた。こうした中、平成30年に東京都が策定した「東京2020大会後の神宮外苑地区のまちづくり指針」において、競技の継続性に配慮した秩父宮ラグビー場と神宮球場の連鎖的な建替えが方針として示された。JSCではこのことをうけて、秩父宮ラグビー場を移転して整備することとしたもの。

質問③ 独立行政法人通則法第3条に照らしても、現在の秩父宮ラグビー場の地価、明治神宮との土地交換の価格差、容積率の移転の対価など、情報をきちんと公開すべきだが、どのように考えているか。
 -不動産鑑定の選定方法の詳細(競争入札か、随意契約か。入札参加数など)を教えてください。

(回答③)
 神宮外苑地区の市街地再開発事業は、都市再開発法にもとづき資産の等価交換による権利変換方式で当該区域の整備を行うものであり、JSCにおいては現在の秩父宮ラグビー場にみあう新しいラグビー場の資産を取得することになる。権利変換計画については今後、代表施行者である三井不動産が中心となって作成し、認可権者である東京都が適切に審査するものと承知している。
 なお、容積率については東京都の都市計画について定められているものであり、事業者が決められるものではない。
 また、JSCが取得する従後資産については開示情報となる。

質問④ 新ラグビー場からも容積移転が行われ、保留床増の根拠になるが、それが入札で三井が優位に立つ根拠にもなっているのではないか。

(回答④)
 容積率は東京都の都市計画において定められている。東京都においては、都市計画の決定にあたり都市計画案の縦覧に供しており、また、新秩父宮ラグビー場整備運営等事業の調達においても同様の情報を入札参加者に提示していることから、特定の者が優位に立つことはない。

質問➄ 建国記念文庫の森の樹木伐採ならびに「残る」部分の保全について、JSC内部でどのように検討されたのか。
 -専門家からは、保全される森のエリアは、新ラグビー場により日照不良、風害などの影響が予想され、生態系が破壊されるとの指摘がされているが、この点についてどのように検討したのか。
 -現在、建国記念文庫の森の周りは鉄板の塀で囲われているが、夏になると、その鉄板が熱くなって、樹木への悪影響を与えると言う専門家の声が上がっている。塀を取り除くことを検討すべきではないか。

(回答➄)
 新しい秩父宮ラグビー場の建設予定地に現存する樹木については、設計および施工計画の詳細を受けて(施工を?)していくなかで、樹木医の判断を仰ぎながら可能な限り伐採を回避することとしている。今後とも、既存樹木の保存または移植を検討していく。
 また、敷地内の樹木の保全については、生態系に配慮した維持管理や定期的なモニタリングを行うなど自然環境の保全に努めてゆく。
 現状の建国記念文庫周辺敷地の扱いについては、宗教法人明治神宮において検討すべきものと承知しているが、ご指摘があったことについては明治神宮に伝える。

質問⑥ 新宿区都市計画審議会で、神宮外苑の新野球場と新ラグビー場・国立競技場をつなぐ歩道橋が6m~10.5mの幅員しかないことから、「群集雪崩」の生じる危険性が指摘されていることをどのように受け止めているか。安全性を証明するために必要な情報を開示し、説明すべきではないか。

(回答⑥)
 東京都が策定した「東京2020大会後の神宮外苑地区のまちづくり指針」においては、「安全で快適な歩行者ネットワークの形成」として、地上レベルのみならず、歩行者と車両の分離やバリアフリーの観点から建設計画と連携したデッキ等による立体的重層的な歩行者系ネットワークを構築(すること)などが掲げられている。これをふまえて、ご指摘の幅員については代表施行者が安全性の確認を行った上で都市計画の企画提案を行い、東京都が都市計画審議会による審議を経て都市計画を決定したものと承知している。
 今後、安全性の観点を含め、事業者間においてさらに検討を進めて行く。

質問⑦ 恒久陸上サブトラックの設置に関して、東京都、明治神宮、三井不動産などとどのようなやりとりをした結果、断念したのか。
 -設置を検討した案(場所)をすべて教えてください。
 -オリンピック期間中は仮設のサブトラックとするとした計画は、いつ、どの会議で決まったのか。

(回答⑦)
 東京オリパラ大会の開催に必要となるサブトラックについては、開催都市である東京都において近隣地権者である明治神宮とも協議した結果、仮設で設置することになったと承知している。

質問⑧ 神宮外苑近隣の住民や、都民からの説明会開催の要望に応じるつもりはあるか。 

(回答⑧)
 現在三井不動産を中心に事業者間で開催方法等を検討しているところである。

 

■質問項目ごとに、会場での主な質問と回答

質問・回答①について
-政治家の関与は「JSCにおいてはなかった」
(吉良参議院議員)「この件に関して政治家の関与はなかったのか」のところは?
(JSC山本氏)JSCにおいて政治家の関与というものはないと承知している。

-「ラグビー専用施設」から「全天候型」への転換の経緯は不明
-座席「1万5千人」は、屋根を付けることによって必然的に決まっていた
(市民Nさん)学生時代は早明戦を楽しみにしていた。新しいラグビー場は、ラグビー場としてつくることをきちんと計画されているのか。それとも、イベントとか多目的な利用がメインなのか。JSCの基本理念と行動指針の中に「国民視点・アスリートファーストの視点に立って行動します」と明記されている。ラグビーは「紳士がやる野蛮人のスポーツ」、どんな天候でもやれるフットボールスポーツ。屋根付きになったことなど、いろんな疑問が出ている。観客席が減らされたりとか。ラグビー場としてしっかり整備されると言えるか疑問。どういう検討がされたのか。
(JSC山本氏)日本ラグビー協会に、施設計画を作成する際にはヒアリングをさせていただいている。その前から、スポーツ庁が開催した「関係者会議」においてご要望を承っている。そこでは、国際基準のラグビー場でなおかつホスピタリティ、あるいはユニバーサルデザイン、そういったものが確保されている、ある意味最先端のラグビーの競技ができるものとして要望はいただいた。その中に、全天候型にしてほしいというご要望があったと承知している。JSCとしてはスポーツ庁が開催した「関係者会議」で示された「基本的考え方」をふまえて計画をしているところ。

(和泉都議)当初、ラグビー場は屋根のないものとして計画されていると思うが、ラグビー協会から要望があったので屋根をつけたということか。国際基準を満たすようなラグビー場にしようということで今回のような構想になったという話だが、ではなぜ座席数が減るのか。
(JSC山本氏)当初、おっしゃるように屋根を付けない形での建て替えを検討していたが、その中で、ラグビー協会の方から全天候型のラグビー場にするというご要望をスポーツ庁の会議の中でいただき、それを踏まえて「基本的考え方」が示されたと認識している。
 その上で、計画で、全天候型で屋根を付ける中での座席数については、安全性や観客のスムーズな移動を確保しなければいけない観点から、コンコース等の設置が必要になってくるので、必然的に座席数を減らさなければいけない。ラグビー協会と協議して1万5千席ということで調整している。

(和泉都議)ラグビー協会の方から全天候型の要望があったという話だったが、(「ラグビーの振興に関する関係者会議」の)第3回ぐらいまでは、ラグビー協会の方からは「ラグビー専用施設」としてつくってくれ、というのが繰り返し出されていた。最終的には、この「ラグビー専用施設」という文言が抜けてしまった、このあたりについては、どのような経緯があってそうなったのか。
(JSC山本氏)その点に関しては、我々は会議の開催の主体でないので、お答えする立場にない。

(市民Kさん)秩父宮や普通のラグビー場は観客席が4面ある。それが、大型スクリーンを設置することによって、(観客席を)3面にせざるを得なくなっている。なぜ観客数を減らしてまで、スクリーンを入れる必要があったのか。
(JSC三本氏)1万5千人という観客数は先に決まっている。先にスペックを決めて、それを元に事業者選定をしている。1万5千人の要求水準のサイズの中で、(観客席が)3面のものの提案を受けて、選ばれたということ。

(メディアの方)1万5千人の根拠は?
(JSC山本氏)先ほど申し上げた通り、コンコース等、あるいは諸室をつくると構造上 座席数を減らさざるを得ない。どれぐらい減らすのかと言うことに関しては日本ラグビー協会と協議の上、1万5千席と決定した。
 
(市民Kさん)(観客席を)4面にすれば、減らさなくて済むんじゃないですか。
(JSC三本氏)屋根付きにしたことで、2万5千(現在の秩父宮ラグビー場の座席数)から1万5千に減っている。
(風見港区議)屋根付きにしなければいいじゃない。
(JSC三本氏)屋根付きにする理由は先ほど山本からご説明した通り、国際基準のことだったり、バリアフリー、観戦環境を改善するために屋根を…。
(風見港区議)他のイベントをやるためでしょ。ちゃんとはっきり言いなさいよ。
(原田都議)イベントをやるためだ、ということの認識はないんですか。
(JSC三本氏)多用途な用途が可能になるということは理解している。
(曽根都議)それが基本なんでしょ?ラグビーが基本じゃないんでしょ?
(JSC三本氏)いえ、あくまで屋根付きのラグビー専用スタジアム…。
(曽根都議)そんなこと言ってないよ、東京都だって。

-ラグビー振興の立場に立たないJSC
(原田都議)ラグビー元日本代表の人が、雨でも雪でも(競技が)できるのがラグビーで、その環境を失っていいのか、質が良くなっていると言っても人工芝は体に悪い、選手の傷が増える、と言っている。それを押してでもやっぱり屋根をつけたんですよね。
(JSC山本氏)そのことについても、ラグビー協会と十分協議して、協会の中では逆にけがは減っているという話もあった。現在の秩父宮ラグビー場の実際の入場者数をかんがみても、2万席入った試合がほんの数試合しかないということもふまえて、国立競技場との併用という形で開催が可能とラグビー協会も判断したものと考えている。
(市民Aさん)全天候型を選ぶことによって、(観客の)人数を減らさなければいけないということは、ラグビー協会の順位としては、全天候型の方が収容人数を増やすことより上位という理解でよいか。
(JSC山本氏)優先順位をどこに持っているのか、というところまでは確認していない。

(市民Yさん)今回のラグビー場は国際基準といったって国際的なラグビーできない。外のラグビー・ユニオンはあそこには入れない、そんな施設をつくろうとしている。その判断はどう考えるのか。
(JSC山本氏)ラグビーのプロリーグの公式戦も従来から開催している。その入場者数もかんがみて、今回1万5千人に減らしても、全天候型の施設にするということをラグビー協会も要望していると承知している。
(市民Yさん)今、日本ラグビーは世界のトップ10に入っている。機運をとても高めている。そういう中でこんな冷や水を浴びせるような施設をつくったらまずいと思う。それはいけないとJSCが言うべきところではないのか。ラグビー協会を指導する立場ではないのか。
(JSC三本氏)現状の秩父宮ラグビー場の稼働実績だと、現状でもオーバースペックだったということ。
(和泉都議)ラグビーというスポーツを振興しようという立場に立たないのか。
(JSC山本氏)もちろん我々は日本のスポーツを振興する独立行政法人であり、ラグビーをはじめすべてのスポーツの振興を応援する法人。当然、観客が多い場でラグビーの試合が行われるのはのぞましいが、残念ながらそういう現状なので、1万5千人以上が見込まれる開催であれば、国立競技場で開催することを念頭に置いている。
(原田都議)現状を見たら国立競技場で足りるじゃないか、聖地がそんなに必要なのか、という態度だということはよくわかった。

質問・回答②について
-耐震改修を検討していたが、東京都から話があり再開発に合意
(原田都議)現地再整備は?検討は?
(JSC山本氏)現地での検討は…、平成25年の神宮外苑地区の都市計画の決定当時から、東京都においては国立競技場の建て替えを契機に、神宮外苑地区一帯を再整備することについての課題意識をお持ちであったと承知している。秩父宮ラグビー場を含む神宮外苑地区再開発事業については、平成28年7月に競技の継続に配慮しながら各施設を連鎖的に建て替えることを内容とする合意書を東京都およびJSCを含む関係権利者の間で取り交わしているので、これを機に検討にいたっている。

(市民Yさん)移転ありきでなく、聖地としての施設をどう利用しようかという検討はされたのか。
(JSC山本氏)東京都からまちづくりの話があるまでは、当然、老朽化しているので耐震性の確保ということは我々の大きな課題だったので、耐震改修の検討も当然してきた。そのような中で、東京都からオリンピック後に、ラグビー場の敷地を含む地区の再開発についての検討を行うという話があって、(建て替え計画を)進めてきた。
(市民Yさん)耐震改修できない施設だったのか?
(JSC山本氏)できないわけではなくて、そういう課題があるなかで、東京都から(再開発の)話があったということ。

-耐震改修を検討していたのは2012年頃-都が森喜朗氏に再開発計画を説明した年
(市民Aさん)国立競技場は久米設計に耐震改修基本計画を2011年につくってもらって、耐震改修でいけるという話になったが、都市計画が変わって今みたいになったのと同じように、秩父宮も古いので、都市計画が決まる前に耐震やばいね、調査しようという計画あってもおかしくない。そういった調査したのだったらそれはいつですか。検討したことぐらいあるでしょ。
(JSC山本氏)当然、耐震改修の検討はしてございます。
(市民Aさん)いつですか。
(JSC山本氏)ちょっと今定かでないが、平成24年ごろ。
(原田都議)2012年、東京都が森喜朗氏にイメージ図を初めて示した年と同じ年。その時は耐震改修するつもりがあったのが、この都と森さんの話し合いの後で、耐震改修の予定がなくなったということですね。
(JSC山本氏)ピンポイントの年で検討したということではなく、10数年前からそうした状況にあると認識する中で、毎年どこを改修していくか、予算措置に向けた検討をしているということ。

(曽根都議)それは現地再整備になるわけですよ。 
(JSC山本氏)建て替えではなく、耐震補強ということでの改修の検討は、安全性の観点から検討しているということ。
(吉良参議院議員)いずれにしても先ほどのご回答では平成24年ごろに耐震化について検討していたということなので、確認していつ検討したのかお返事いただきたいのと、その際の資料一式いただけますか。
(JSC山本氏)はい、承知いたしました。

質問・回答③について
(原田都議)従後の資産は公開対象とのことだが、従前(の資産)はもう公表されているのか。土地の価格差とかわかるようになっているのか。
(JSC山本氏)公表はしていないが、開示情報ではある。現有資産は開示情報。
(原田都議)国会議員が出してほしいと言っているので、開示資料ではなくて…。
(JSC山本氏)承知いたしました。

-権利変換計画は秋口を想定。通則法にもとづく財産処分の大臣への申請はまだ
(原田都議)独立行政法人通則法にもとづいて、財産の処分について(文科)大臣に申請は出したのか。
(JSC山本氏)まだ現時点では出していない。
(原田都議)ここまで話が進んできて、まだ大臣にチェックも受けていないのか。
(JSC三本氏)これから。処分に該当するのが、市街地再開発事業の権利変換計画になるので、その提出前までにはやるということで考えている。
(市民Kさん)それはいつですか。
(JSC三本氏)まだ権利変換計画の時期が定まっていないが、今考えているのは、秋口には権利変換計画を考えているので、そのスケジュールは再開発事業の施行者と調整しているところ。

-JSCは独自の不動産鑑定を行っていない。予定も決まっていない
(市民Aさん)権利変換計画の前に不動産鑑定が必要だと思うが、それはもう出したのか?
(JSC三本氏)今回、再開発事業の権利変換計画を作成するのは、再開発事業施行者、その中でも代表施行者の三井不動産になる。そちらの方で不動産鑑定をすることになる。
(市民Aさん)JSCの土地は公共の土地。三井(の不動産鑑定では)こう言ってるけど、うちらの不動産鑑定ではこれぐらいのお金になってますよ、と照らし合わせて、少しでも公有地が損をしないようにするためにもJSCが不動産鑑定をしているものだと思っているが、そういったことはしないんですか。
(JSC三本氏)権利変換計画の作成は三井不動産だが、作成にあたっては、都市再開発法の定めに従ってやるということになっていて、最終的にそれが適切かどうかを判断するのは東京都-権利変換計画の認可。その中で適正に判断されるものと承知している。

(JSC山本氏)(権利変換については)当然、事業者間で協議する。等価交換という図式。
(山添参議院議員)JSCとしても一定のモノサシを持っていないと。
(吉良参議院議員)JSCの方で、不動産鑑定をやる?
(JSC山本氏)そこはまだ決まっていない。

(市民Hさん)事業者間でこの間、何回ぐらい、どの程度の頻度で話をしているのか。
(JSC三本氏)(事業者)4者間では定期的に会議をやっている。4者で集まるのは月1回ぐらい。三井などと我々が(会議を)やるのは2週間に1回ぐらい。
(市民Hさん)その中で当然、権利変換計画の話もしているでしょう。まったくしていないということですか。
(JSC三本氏)権利変換計画の話もその中でやっていくことになるが、まだ時期が決まっていないので具体の中身は…。

(原田都議)つまり、JSCは、国民の財産を所有しそれを処分するというのに、完全に東京都と三井不動産と明治神宮にほとんど委ねている。この期に及んで。そういう状況ですよね?
(JSC三本氏)委ねているということではなくて、事業者間で協議はしている。
(原田都議)権利変換計画の中身も知らされていないのでしょう?
(JSC三本氏)大体の試算は最初に事業者間で約定したところで示されている。
(メディアの方)試算というのは誰が計算したんですか?
(JSC三本氏)三井不動産。
(メディアの方)三井が示した数字しか持っていないということですか。
(JSC三本氏)はい。それを、我々JSCとして内容を確認はしている。
(メディアの方)どういう確認をしたんですか?何を確認したんですか?
(JSC三本氏)試算内容が妥当かどうかということも確認…。
(メディアの方)どうやって確認したんですか?
(市民Aさん)不動産鑑定もしないでどうして妥当かわかるのか。
(JSC三本氏)まだ権利変換計画はこれからですので…。
(メディアの方)ごまかさないでください。三井の数字なんでしょ。三井の主張じゃないですか。
(JSC三本氏)はい。
(メディアの方)あなた方がどのように確認したんですか、検証したんですか、ということが聞きたい。
(JSC山本氏)我々も含め、事業者間で、三井さんがつくられた試算を会議のところで確認して、それを東京都の方で…。
(メディアの方)いや見ただけでしょ。

(和泉都議)権利変換計画がきちんと適正に評価されてやられるのか、ということになぜここまでこだわるかというと、ラグビー場と神宮球場を入れ替えますよね?青山通り沿いという非常に地価の高い場所にあったところから、今の神宮(球場)があるところに移転されるわけですよね。そうすると土地そのものが持っている価値も変わる。そういう中で、権利変換計画が三井誘導ではなくて、JSCが主体的に判断する材料を持っているのか。もともとは国民の財産。だからこそみんなが細かいところにこだわっている。そこが答えられていない、独自の評価をするのかどうかもはっきりと答えられない。そうすると、今回の入れ替えだけではなくて、この開発計画そのものにいろんな疑義が生じてきますよ。それを一つ一つ解明したくて私たちはこのレクチャーを設定させていただいた。ところが残念ながら、今までお答えいただいている中で、多くの人たちが疑問に思っていることに、的確に答えてもらっているものは一つもない。そこがみなさん一つ一つのところにこだわっている一番大きな要因。
 まずこの権利変換計画どういうふうに臨むつもりなのか、それが適正に評価されているのか、ちゃんと等価として評価されているのかどうか、それをJSCとしてどう主体的にかかわって判断していくのか、この場でお答えになれないんでしょうから、しっかり持ち帰っていただきたい。
(JSC山本氏)まずは三井不動産の行う不動産鑑定等の結果について、根拠とともに示していただいたうえで、我々の方で確認させていただく。手法も含めて検討させていただく。

質問・回答④について
(和泉都議)先ほど、同様の情報は全て等しく入札参加者に提供されていると、三井だけに情報提示がされたわけではないとのお答えだったが、三井はそもそもこの再開発計画の事業者。このラグビー場の建設とPFI、この契約を他の2社の2分の1、3分の1近い、低い価格で落札をしている。2分の1、3分の1でできるのかということの検証は、JSCとしてはどのように行ったのか。同じ情報提供されているといっても、それ以上の情報を三井は事業者としてつかんでいるから、どうやったら自分たちが一番有利に契約をとることができるかということを熟知していると思うが、なぜ、再開発事業者である三井に秩父宮ラグビー場の建設やPFI事業の契約が許可されるのか。
(JSC山本氏)繰り返しになるが、入札の参加者には等しく情報を提示しているので、特定の社が有利になるとは考えていない。

(和泉都議)(入札価格の)違いが出るとしたら「運営権対価」だと思う。建築費の積算で2倍も3倍も違うという結果にはならないと思う。三井がそれほど「運営権対価」を高く見積もることができたのはなぜか、ということ。JSCはどのように考えているのか。
(JSC山本氏)そこの点に関しては、我々は答えるべき立場ではない。

-JSCは再開発事業者たる三井が情報や条件で有利になるとは考えていない
(和泉都議)あなた方が条件を公表しているかどうかではなくて、それ以上に三井不動産はさまざまな情報を持っているでしょ、再開発の事業者なんだから、ということを言っている。そして、事業者として得られるさまざまなメリットを生かして、あれだけの低価格で入札に参加することができたのではないか、と言っている。その点をJSCとしてどのように客観的な判断をしたのか、できたのか。
(JSC山本氏)三井不動産はあくまで再開発事業者であって、今回の新ラグビー場の整備・運営等事業(の入札)というのは、ラグビー場を新たに建てること、70年間の運営をすることの競争であるから、再開発事業者だけが知り得ている情報というのはないものと考えている。
(原田都議)さっき権利変換計画全部三井が知っていると言っていたばっかりじゃない。
(和泉都議)三井不動産が全部絵を描いている。三井不動産だけが得をする事情はないと言うが、ラグビー場からも容積率が三井不動産に移転される。それによって三井不動産は容積率を増やして、そこから莫大な利益を得ることができる。それがあるからこそ、ラグビー場のPFI契約だって、運営権対価をうんと高く見積もることができたのではないか。三井不動産だけがそれができる特殊な条件があったのではないか。そこをちゃんと見たのか。
 先ほど三井だけを除くと競争性が阻害されると言われたが、むしろ公正性が担保されないということになるのではないか。
(JSC三本氏)再開発事業の権利変換計画に関わることによって、運営権対価の設定に影響を及ぼすようなことはないと私共は認識している。

質問・回答➄について
-建国記念文庫の建屋は明治神宮が移設をする
(市民Kさん)建国記念文庫の森。「歴史と風格」をどのように継承していくのか。建国記念文庫の施設そのものは。
(JSC三本氏)現在、明治神宮が管理。建屋も明治神宮が移設をする。
(市民Kさん)どこに?外苑の中?
(JSC三本氏)承知していない。

質問・回答⑥について
(市民Aさん)関連して、あの場所は新宿、港区、渋谷区の広域避難場所になっている。解体・工事が始まると13年間使えなくなる。代替地をどうするのか、文書で回答を。

質問・回答⑦について
-JSCはサブトラックの設置に関与する立場にない
(吉良参議院議員)質問項目に全て答えていただいていない。「(サブトラック)設置を検討した案(場所)をすべて教えてください。」「オリンピック期間中は仮設のサブトラックとするとした計画は、いつ、どの会議で決まったのか。」
(JSC山本氏)JSCが当時作成した資料については現存していない。我々としては東京都が作成した当時の資料を確認させていただいたところ、JSCがサブトラックの配置案を示したということが確認できたが、我々が実施した「新国立競技場基本構想デザイン競技」においては、サブトラックの設置までは範囲に含まれていないということが確認され、我々でどこに設置するかということを検討した経緯はない。

(原田都議)「サブトラックの設置に関して、東京都、明治神宮、三井不動産などとどのようなやりとりをした結果、断念したのか」についてお答えがない。
(JSC山本氏)我々としては、東京都に(サブトラックの)配置の案を提案したということだけだと認識している。

(市民Aさん)「国立競技場将来構想有識者会議」で、常設じゃなくて仮設のサブトラックにしていいとなった話はわかっているが、常設のサブトラックをつくろうという話が、なんで仮設のサブトラックになったのか、それはどこで決まったのか、というところも含めて質問しているのに対して、回答になっていない。
(JSC山本氏)それはあくまでも開催都市である東京都がサブトラックをどうするかということについて検討する立場にある。我々がどうするかを決める立場ではない。

(原田都議)国立競技場のサブトラックの設置について、東京都が決めるんだと、JSCは全く関係ないんだという発言自体が驚くが、関係地権者と協議の上、サブトラックの設置は困難とみて断念したのですよね?
(JSC山本氏)東京都と明治神宮のなかで調整をした結果だと思われる。我々としてそこに参画しているということは確認されていない。

(原田都議)東京都の資料の中にも、サブトラックの設置についてはJSCが判断すべきものという文言が出てくる。それでもJSCは、いわば勝手にではないが、東京都と明治神宮で決めたんだと。
(JSC山本氏)そもそも国立競技場周辺の敷地にJSCの保有する土地はない。なおかつ、もともとサブトラックが設置されていたわけでもない。そういう観点からもJSCが決める立場のものではない、ということ。

質問・回答⑧について
(原田都議)住民説明会を三井が検討しているという話があったが、JSCはやらないのか。
(JSC山本氏)再開発事業全体の説明会を、事業者間で開催に向けて検討している。
(原田都議)再開発地域全体になっちゃう。
(JSC山本氏)おっしゃる通りです。
(原田都議)JSCとしては、独立行政法人で、ラグビー場の東の聖地を擁するJSCが、他の再開発と一緒の説明会ではちょっと丁寧でない。
(JSC三本氏)建築紛争予防条例にもとづく説明会は工事の段階であるが、今回事業者間で検討しているのは、再開発事業全体の説明会。

★★★★
(吉良参議院議員)
 回答不十分なところたくさん。どうも三井主導でこの計画が進められていて、JSCについてはそのチェックすらまともに行っていないのではないかという疑念が深まった。
 引き続き資料を出していただいて、この計画、これからも私たちも…。よろしくお願いします。ありがとうございました。

以上

(関連)

「神宮外苑再開発 続・JSCレク結果報告 東京都の責任について明らかになったこと」はこちら

 

■開催告知バナー

  •