神宮外苑再開発について、国連報告書への削除要請を撤回し 市民と専門家の声を聴く場を設けることを求める申し入れ
日本共産党都議団は24日、標記の申し入れを小池百合子知事あてに行いました。大山とも子(新宿区)、和泉なおみ(葛飾区)、尾崎あや子(北多摩第一)、原純子(江戸川区)、曽根はじめ(北区)(以上写真左から二人目から)、原田あきら(杉並区)各都議が参加しました。政策企画局の橋間亮二総務部総務課長、酒井崇光外務部管理課長が応対し、「神宮外苑再開発に関わる関係局と共有し、知事にもお伝えします」と述べました。
申し入れ内容は以下のとおりです。
東京都知事 小池百合子 様
2024年7月24日
日本共産党東京都議会議員団
神宮外苑再開発について、国連報告書への削除要請を撤回し
市民と専門家の声を聴く場を設けることを求める申し入れ
5月1日、国連「ビジネスと人権」作業部会の報告書は、市民の声を広く踏まえることなどの不十分さから、神宮外苑再開発が人権に悪影響を及ぼす可能性があるとの懸念を表明しました。国はその全面削除を要請しましたが、この国の意見を検討・作成したのは東京都であることが、わが党の国会質疑で明らかになりました。
都が作成した意見は、環境影響評価プロセスにおいて市民からの意見を聴く制度になっており、報告書の「十分な市民協議が行われていない」という表現は誤りとしています。しかし、まさにその環境影響評価プロセスに対して、イコモスはヘリテージアラートで再審を求め、異論を受けつけない進め方に対して国際環境影響評価学会(IAIA)日本支部、日弁連からも厳しい批判が寄せられたのが現実です。
また都作成の意見は、事業者は法令にもとづくものや自主的な説明会を複数回開催しているとしています。しかしこれらが参加対象を限定し、対話のないものであったからこそ、市民が国連に保護を求め、今回の報告書に至ったというのが現実です。
このように事実を逆さまに描いて削除要請の理由とすることなど断じて許されません。削除要請に対し、ただちに市民や専門家からこれを撤回し、報告書の指摘を真摯に受け止め、対話の場を設けるよう声があがったのは当然です。国連「ビジネスと人権」作業部会は削除要請に対し、7月1日、記載内容を修正する予定はないと明言しています。
今回の報告書作成の原則にあたる国連「ビジネスと人権に関する指導原則」について、外務省は自ら作成したパンフレットで、国際人権章典に規定される基本的人権を尊重すること、利用可能性、公平性、権利適合性、ステークホルダーとの対話などの要件を満たす救済メカニズムを設置することを国家および企業に求めているとしています。国や都、そして事業者が今、ただちに行うべきことは、報告書の削除要請を撤回し、指摘を真摯に受け止め、市民や専門家の声に誠実に耳を傾け、対話を重ねる場を設けることです。
日本共産党都議団は以下について求めるものです。
1、都が作成した意見の誤りを認め、国に、国連「ビジネスと人権」作業部会の報告書の削除要請を撤回するよう求めること。
2、報告書の指摘を真摯に受け止め、都の責任で、市民、専門家の声に耳を傾け、対話を重ねる場を設けること。
以上