「神宮外苑地区まちづくりにおける樹木のさらなる保全と新たな緑を創る取り組みについて」の住民説明会の開催方法に抗議するとともに、改善を求める申し入れ
申し入れを行う原田あきら(杉並区)、原純子(江戸川区)、曽根はじめ(北区)、尾崎あや子(北多摩第一)各都議(2024.9.18)
日本共産党都議団は9月18日、小池百合子東京都知事に宛てた標記の緊急申し入れを行いました。栗原聰夫都市整備局土地利用計画課長らが対応し、「すみやかに事業者に伝えます」と述べました。申し入れ内容は以下の通りです。
東京都知事 小池百合子 様
「神宮外苑地区まちづくりにおける樹木のさらなる保全と新たな緑を創る取り組みについて」の住民説明会の開催方法に抗議するとともに、改善を求める申し入れ
2024年9月18日
日本共産党東京都議会議員団
三井不動産ら神宮外苑再開発事業者が9月9日、「神宮外苑地区まちづくりにおける樹木のさらなる保全と新たな緑を創る取り組みについて」(以下「取り組み」)を東京都に提出しました。三井不動産はこの公表内容について住民説明会を開催することも発表しましたが、多くの批判が巻き起こっています。
公表された「取り組み」は、樹木の移植の方法など保全策や野球場のセットバックなどこれからの検討とされており、樹木の保全について不明な点が極めて多いものです。ところが、17日に日本共産党吉良よし子参議院議員と都議団で行った日本スポーツ振興センター(JSC)公開ヒアリングでは、JSCは説明会の内容は今回公表された範囲にとどまると答え、その根拠となっている基本設計さえ、情報公開を拒みました。
国連人権理事会「ビジネスと人権」作業部会は神宮外苑再開発が人権に悪影響を及ぼす懸念があると表明しました。そこでは市民の声を無視し、市民を置き去りにした開発の問題が指摘されています。こうした指摘を受けてもなお、今回の住民説明会は参加対象を新宿区と港区の区民及び法人に限定し、しかも区ごとに時間を指定したり、申し込みはインターネットだけという制限の多いものとなっています。とりわけ国立競技場の開発以降、多大な影響を被り、明治神宮地区を避難場所としている渋谷区の区民が対象となっていないのは重大な問題です。
神宮外苑は国民の寄付と勤労奉仕によって作られ、戦後は国有地を明治神宮に払い下げた経緯を持ちます。そうした歴史的経緯を受けて都市計画公園としての指定がなされ、風致地区や文教地区の規制が行われ、保存されてきました。こうした経緯に照らしても全都民への説明責任が問われる問題です。
日本共産党都議団として以下、東京都が事業者に要望することを求めます。
記
1、 住民説明会は、渋谷区民はもちろんのこと、全都民を対象者とし、区別の時間指定をやめ、夕方以降の時間帯を設け、回数を増やすなど開催の在り方を改めること。
2、 インターネットによる先着順は住民説明会として問題が多く、ITに困難のある都民や障害のある都民にも参加の権利を保障するため、申し込み方法を改善し、また、当日参加も認めること。
3、 国連「ビジネスと人権」作業部会の報告を真摯に受け止め、日本イコモス国内委員会と三井不動産ら再開発事業者との対話の場を設けること。
以上