深刻な物価高騰と税の負担から都民の命と暮らしを守るために 補正予算の編成と、国への要望を求める申し入れ
申し入れをおこなう(左から)清水とし子、原純子、原田あきら、藤田りょうこ、(副知事)、とや英津子、斉藤まりこ、福手ゆう子、アオヤギ有希子、原のり子、大山とも子の各都議
日本共産党都議団は本日、標記の申し入れを小池百合子知事あてに行いました。中村倫治副知事が応対し、「申し入れの内容は承りました」と答えました。
東京都知事 小池百合子 殿
深刻な物価高騰と税の負担から都民の命と暮らしを守るために
補正予算の編成と、国への要望を求める申し入れ
2024年12月3日
日本共産党東京都議会議員団
物価の高騰により、都民の暮らしはかつてない深刻な事態となっています。
今年の夏は、政府の不作為によりお米が不足しましたが、今度は新米の価格まで高騰し、ひとり親家庭からは、「お米が高くて買えない」、と悲鳴が上がっています。生きていくうえで欠かせないものが軒並み値上がりしており、都民から、食費を減らし、コメを減らし、電気代も節約するなど、切実な声が寄せられています。
都庁の下で毎週実施している食料支援には、800人近い方が並ばれる状況が続いています。医療相談では、体調が悪くてもお金が無くて受診できないという方が相次いでいます。
エネルギーや原材料費の高騰が長期に及ぶ中、中小企業の経営はコロナ禍以上に厳しくなっています。実質賃金は、今年5月までに26か月連続マイナスと、過去最長を記録しました。また今春闘は、過去最高の賃上げだったにもかかわらず、実質賃金がプラスになったのは6・7月の2か月だけでした。消費が伸びないために、都内企業の倒産件数は昨年度を上回る勢いで増えています。
政府は、11月22日に新たな経済対策を決定しましたが、その内容は、一時的・部分的な対策にとどまっています。場当たり的なバラマキでは経済対策にはならず、緊急的かつ抜本的な予算編成が求められています。
都民の命とくらし、中小企業の営業と雇用を守るための、実効性ある対策を国に求めるとともに、都としても緊急に補正予算を編成すべきです。
よって、日本共産党都議団は、以下について強く要望します。
(1) 都として以下の事項を行うこと。
1. 物価高騰による影響から都民の命とくらし、雇用と営業をまもるために、国の「重点支援地方交付金」を積極的に活用し、都独自の財源も投入して、補正予算を迅速に編成すること。
2. 中小企業で持続的な賃上げが可能となる政策を検討するよう、「中小企業振興対策審議会」や「雇用・就業対策審議会」に諮問すること。また、健康で文化的な生活を送るためには、都内ではいくら必要なのか、都独自で調査すること。
3. 中小企業に対し、賃上げのための直接支援を単独事業として実施すること。
4. つなぎ融資の限度額を引き上げるとともに、十分な返済猶予期間を設けること。
5. 物価高騰対策のゼロ金利融資を創設すること。コロナ対策融資の条件変更や借り換えも柔軟に行うこと。
6. 中小企業に対し、家賃やリース代などの固定費への補助を行うとともに、水光熱費への補助を行うこと。
7. 島しょ地域に対して、ガソリン、灯油、軽油など燃油の補助を行うこと。貨物運賃補助の額を拡充し、対象品目を広げること。
8. 高騰する肥料、飼料への緊急補助を行うこと。
9. 企業に対し、解雇や雇い止めを行わないよう知事が呼びかけること。年末年始を含め、労働問題に関する相談体制の強化を図ること。
10. 中小企業の資金繰りや経営に関する年末特別相談を行うこと。
11. 物価高騰により多くの都民が生活に苦しんでいる現状を踏まえ、住民税所得割課税者も含め、幅広い対象者に対して給付金を支給すること。
12. 水道料金の値下げを行うこと。
13. 10月に補正予算を組んだ医療機関等への物価高騰対策を、実態に見合った補助へ拡充すること。対象となる施設を地域密着型サービスなどにも広げること。
14. 年末年始やその前後において、都としてビジネスホテル等を確保し、住居を喪失した方が安心して滞在できる個室の一時宿泊場所として提供すること。滞在中の食事の提供、衣類等の日用品の支給を行うこと。
15. 年末年始に生活保護の申請や生活困窮者自立支援制度の申請等を受理し、必要な支援の提供を行うために、各区市に年末年始も窓口を開くよう、都として働きかけること。
16. 権利としての生活保護であることを、ポスターや記者会見等で都民に強くアピールし、生活保護の利用を促すパンフレットを、ネットカフェなど、生活困窮者が利用する施設に広く設置すること。
17. 困窮者支援を行う団体が実施する相談活動の場に、区市町村や区市町村の社会福祉協議会の職員が行き、同じ場所で相談を行うなど、民間の支援活動を支援する取り組みを、都として後押しすること。
18. 私立学校の給食費や昼食代に補助を行うこと。また、物価高騰分の光熱費の支援を行うこと。
19. 低すぎる公定価格により賃上げが進まず、人手不足が深刻となっている福祉労働者に対し、その仕事にふさわしく、処遇改善・賃金引き上げを行うために、都として緊急に財政支援を行うこと。
20. コロナの検査と治療薬の自己負担軽減のための助成を行うこと。
21. コロナをはじめ感染症の拡大に備え、年末年始等に診療・検査体制と調剤体制を確保する医療機関に対し補助を行うこと。
(2)国に以下の事項を求めること。
1. 消費税の廃止に向けた緊急減税を行うこと。
2. 大学授業料の値上げをストップし、無償化に向けて負担軽減を行うこと。給付制奨学金を拡大し、奨学金を返済している人たちへの支援を行うこと。入学金は廃止すること。
3. 従来の健康保険証の廃止を撤回し、発行を再開すること。
以 上