本会議 原のり子都議(北多摩第4選出)の代表質問
2021年2月24日の本会議で、原のり子都議(北多摩第四選出)が代表質問を行いました。
★YouTubeチャンネル(2分動画)
★動画
★質問全文(質問原稿)です。
1、PCR検査について
2、保健所体制について
3、医療機関・医療従事者への支援について
4、東京2020大会について
5、都立・公社病院について
6、営業と雇用への支援について
7、暮らし・福祉の充実について
8、聞こえの支援について
9、障害者施策について
10、ジェンダー平等について
11、パートナーシップ制度について
12、DV対策について
13、保育の充実について
14、教育の充実について
15、住宅政策について
16、防災対策について
17、農業振興について
18、気候変動対策について
19、外環道工事について
20、予算案について
21、米軍基地について
★答弁(議事録速報版より)
・知事(小池百合子君)
・教育長(藤田裕司君)
・東京都技監(上野雄一君)
・福祉保健局健康危機管理担当局長(初宿和夫君)
・福祉保健局長(吉村憲彦君)
・総務局長(山手斉君)
・オリンピック・パラリンピック準備局長(中村倫治君)
・病院経営本部長(堤雅史君)
・産業労働局長(村松明典君)
・生活文化局長(野間達也君)
・住宅政策本部長(榎本雅人君)
・建設局長(中島高志君)
・財務局長(潮田勉君)
★再質問(議事録速報版より)
・原のり子都議
・生活文化局長(野間達也君)
・建設局長(中島高志君)
・オリンピック・パラリンピック準備局長(中村倫治君)
この間、新型コロナに感染し、お亡くなりになられた方々に、心より哀悼の意を表します。そして闘病されている方々に、心からのお見舞いを申し上げます。
日本共産党都議団を代表して質問します。
予算議会における知事の施政方針は、都民が直面している課題に正面から向き合い、打開する具体策を示すべきものです。
ところが小池知事は、新型コロナ対策のPCR検査にも、保健所の体制強化にも、医療機関への支援にも、驚くべきことに、ひと言も触れませんでした。都民に協力をお願いしただけです。自己責任おしつけ、無為無策の菅政権と変わりません。
日本共産党都議団は、感染を抑え込み、都民のいのちを守るために、以下「五つの提案」を行います。
第一に、PCR検査を抜本的に拡大することです。
Q1 都内の新規陽性者は減少傾向ですが、ゼロコロナをめざし、新規感染者を徹底して減らし、再拡大を抑え込むことが必要です。知事は、どう認識していますか。
PCR検査の数を抜本的に増やして、無症状の陽性者を早く把握して保護することが必要です。ところが都内の検査件数は、1月12日の1万8千件をピークに減少し、最近は1日あたり数千件です。これでは、変異株の感染者を見逃す可能性もあります。
ワクチン接種が始まりつつありますが、社会全体での効果が確認されるにはかなりの時間がかかるというのが、専門家の一致した見解です。ワクチン接種と感染抑止対策を、同時並行で行うことが大事です。
Q2 新規陽性者数が減った時こそ、検査数を減らすのではなく、市中感染を抑えるための積極的な検査が重要です。
国の新型コロナ対策分科会の尾身茂会長は、感染リスクの高い場所や集団で、無症状者に焦点をあてた積極的な検査を、しかも頻回にやることが重要だと指摘しています。知事はどう受け止めていますか。
Q3 東京都モニタリング会議の専門家コメントでは、感染を抑え込むためには、都が確保している通常時1日3万7千件、最大稼働時6万8千件の検査能力を有効に活用して、陽性率の高い地域や対象におけるPCR検査等の積極的推進、無症状者も含めた集中的なPCR検査等の戦略を検討する必要があるとしています。これを具体化し実行すべきです。知事いかがですか。
Q4 高齢者・障害者施設、保育園などへのPCR検査、いわゆる社会的検査を始めた自治体では、無症状の陽性者が見つかり、有効性が日々証明されています。国の新方針を受け、都が高齢者施設と障害者施設に対し、職員のPCR検査を、3月末までに少なくとも一度は実施してほしいと通知したことは前進です。定期的な検査を行うようにし、来年度も継続して実施することを求めますが、いかがですか。
Q5 また、より対象を広げて、高齢者や障害者の通所・訪問事業所、医療機関や特別支援学校などにも、定期的な検査をすべきです。
Q6 一人でも感染者が出た場合はどこでも、濃厚接触者に限らず、広く検査を実施すべきです。見解を求めます。
Q7 感染は自己責任と考える人の割合が、日本は諸外国にくらべ格段に高いことを、知事はどう受け止めていますか。
Q8 そのことが、検査を受けるさまたげにもなっています。
感染した人が職場であたかも悪者のように扱われ、回復したあとも休職するよう求められた事例もあります。都内で、「自分のせいで周りに迷惑をかけた」と30代の女性が自ら命を絶つという、あってはならないことも起きました。
知事、感染は自己責任ではないというメッセージを、つよく打ち出すことが必要です。いかがですか。
第二に、保健所体制の抜本的拡充です。
Q1 保健所の体制がぜい弱なため、都は感染ルートを追跡する積極的疫学調査を縮小せざるをえなくなりました。しかし、感染ルートの追跡は感染を抑え込むうえで非常に重要です。保健所の体制を強化し、可能なかぎり早く、積極的疫学調査を元に戻すべきです。知事いかがですか。
積極的疫学調査の縮小に追い込まれたのは、自民党政権と都が一体になって、保健所の設置数と職員数を減らしてきたからです。新年度に保健師定数を11人増やすことは重要ですが、それだけでは不十分です。
Q2 知事は、保健所の取り組みについて検証し、あり方を検討すると答弁していますが、急ぐ必要があります。どう取り組むのですか。
Q3 私たちは、東京iCDC専門家ボードの委員で、公衆衛生の第一人者である谷口清州先生にお話を伺いましたが、普段の能力に余裕がなければ、危機に対応できるわけがないと話されていました。
先日、一都三県の知事が国に出した要望でも、「保健所の恒常的な人員体制」について、「感染拡大期を想定した必要な保健師の増員」への財政措置を求めていますが、保健所は平常時にぎりぎり運営できる体制ではなく、感染拡大時に必要となる体制を普段から確保しておくことが求められます。
知事の見解を伺います。そのためには保健師を抜本的に増やすことが必要です。知事、いかがですか。
Q4 23区の保健所は、不十分とはいえ、各区に1カ所ずつあります。ところが多摩地域は、八王子市と町田市を除く28市町村で、都の保健所が5カ所しかありません。この多摩格差を是正し、都の保健所の増設、拡充に踏み出すべきです。答弁を求めます。
第三の提案は、 医療機関・医療従事者への支援の強化です。
「新年度予算が組めない」「ボーナスが払えない」など、医療機関と医療従事者のひっ迫は、コロナ感染症患者を受け入れているかどうかにかかわらず深刻です。本気で打開しようとしない菅政権と小池知事の責任は重大です。
Q1 コロナ患者を受け入れている、いないにかかわらず、困っている医療機関と医療従事者に、国と東京都が減収補てんなど十分な支援を行い、東京の医療体制の抜本的立て直しに踏み出すべきです。いかがですか。
Q2 医療機関がこれほどひっ迫している根底には、この数十年来、診療報酬も、病床の数も、医師の数も抑制・削減してきた政策の失敗があります。転換が必要ですが、知事はどう認識していますか。
第四の提案は、この夏の東京2020大会を中止することです。
Q1 新型コロナ感染が世界的に拡大し、より感染力がつよい変異株が発生していることなどにより、日本共産党都議団は1月26日、知事に対し、「今夏の五輪大会は中止しコロナ対策に集中すべき」と申し入れを行いました。「この夏は中止」の世論が、日に日に広がっています。
島根県知事は「感染拡大を助長する世界的イベントの開催は理解できない。五輪開催に反対せざるを得ない」と述べました。また、WHOコーディネーターの渋谷健司教授は、「現状では安心して開催できる保証はない」「コロナの封じ込めに全力をあげるべきと思う」と語っています。知事は、どう受け止めていますか。
Q2 知事は、施政方針で改めて開催しかありえないという姿勢を示しましたが、何を科学的根拠として、今夏の東京大会が可能だと考えているのですか。
Q3 五輪大会では、医療スタッフは一万人以上必要です。さらに、選手や関係者を受け入れるオリンピック病院に、都立広尾病院、墨東病院、多摩総合医療センターなどが選定されています。
コロナ患者を多く受け入れ、都内の医療を支えている都立病院に、7月になれば余裕が生じる見通しがあるのですか。
第五の提案は、都立・公社病院の独立行政法人化を中止し、医療体制を拡充することです。
Q1 都立・公社病院はコロナ患者を先頭に立って受け入れ、最近もコロナ専用病床を約5割増やしました。都立・公社病院の病床数は、都内の5・6%ですがコロナ専用病床に占める割合は34%です。
これほど大規模に既存病床をコロナ専用に振り分けることは、民間の医療機関ではできないことです。都立・公社病院がこのような対応ができた理由を、知事はどのように認識していますか。十分、柔軟な対応をしていると思いませんか。
Q2 コロナ専用病床を増やし、旧府中療育センターに100床ものコロナ専門病院を新たに開設して、コロナ患者を多く受け入れているにもかかわらず、新年度の都立病院の定数は、看護職員を4名減らすとしています。驚くべきことです。知事、抜本的に増やすことこそ必要ではありませんか。
Q3 知事は、柔軟な医療人材の確保が独法化の目的だと説明していますが、これほどひっ迫した状況の中で、看護職員の定数を減らすという、知事の姿勢にこそ重大な問題があります。変えるべきは都立病院の経営形態ではなく、知事の姿勢です。答弁を求めます。
Q4 公社病院の多摩北部医療センターは、全面改築されることになり、「基本構想検討委員会」が設置され、議論が始まりました。その中で、産科の設置や小児科の充実を求める発言が多く出されていることを、知事は、どう受け止めていますか。
新生児集中治療室NICUや、小児外科の設置、高齢者の聞こえの支援の充実などの要求も切実です。
Q5 地域住民の声を直接聞いて、今後の改築計画にぜひ反映していただきたいと思いますが、いかがですか。
今ほど都立・公社病院の役割の発揮が求められている時はありません。都は、今定例会に独立行政法人を設置する「定款」の議案を出すことができませんでした。財政支出を減らすことが目的の独法化は中止し、都が責任をもって抜本的に拡充・強化することを、改めてきびしく求めるものです。
次に、コロナ禍における営業と雇用を守るための提案です。第一は、自粛要請による直接・間接の損失を補償することです。
Q1 コロナの影響による倒産や廃業が増えています。全国の倒産件数の4分の1が東京です。
東商リサーチは、「収束が長引くと小・零細企業を中心にコロナ関連の経営破綻は増加する可能性が高まっている」としています。
中小・小規模企業は、地域経済の主人公です。雇用の7割、生産の5割を担っています。廃業が増えれば地域におよぼす影響は大きく、コロナ後の経済、暮らしがより困難になります。
今後、緊急事態宣言による自粛要請が解除された後も、コロナ禍による深刻な打撃はつづきます。
国と都が全力で中小・小規模企業が生き抜くための支援を行い、廃業を食い止め、明日への希望がもてるようにする必要があります。知事いかがですか。
Q2 知事は、補償は国の責任だと言いますが、菅政権は動こうとしません。知事自ら、「補償が必要だ」というメッセージを発信し、国がやらないなら都が踏み出すべきではありませんか。
第二の提案は、協力金の抜本的拡充です。
Q3 協力金が、1事業者ごとの支給から、わが党が求めた1店舗ごとになったことは重要です。しかし小池知事は、飲食店等に対し1日6万円を、国制度どおり支給しているだけです。小規模なお店から「助かる」という声も出ていますが、家賃が高い、規模が大きい事業者からは、全然足りないとの声が寄せられています。
事業の規模により必要な固定費は大きく変わるのに、一律の協力金とされたことで、不満や分断が起きていることを、知事はどう認識していますか。
Q4 事業規模に応じた支給額にする、協力した日数に応じた日割りの支給にするなどの拡充・改善が
必要です。見解を伺います。
Q5 東京小売酒販組合政治連盟の方々から、小売酒販店や関連業種に対しても、飲食店と同様の支援をとの要望が寄せられました。飲食店との取引が多い酒屋は、深刻な影響を受けています。
国が一時支援金を検討していますが、対象がせまく金額も少なすぎます。都として上乗せすべきです。いかがですか。
コロナの影響による事業者のひっ迫は、自己責任ではありません。困っているすべての事業者を支援すべきです。
第三に、家賃支援給付金の拡充です。
Q6 どの業種もコロナ禍による打撃が深刻で、家賃への支援が求められているのに、都は今年度最終補正予算案で、「家賃等支援給付金」を276億円も減らしています。使い残したから減額すると言いますが、給付対象期間の拡大や、支給対象を広げるなど拡充にあてるべきです。いかがですか。
第四に、失業を生まない対策と雇用調整助成金の拡充です。
全国のコロナ禍による失業者は昨年5月に1万人を超え、年明けには8万人を超えました。都内はその4分の1にあたる、約2万人におよびます。コロナ禍による失業者を生まないための支援と、労働者の暮らしの支援が必要です。
Q7 新潟県三条市では、雇用調整助成金の上乗せ補助として、「解雇等を行わない場合を条件とし、雇用調整助成金の助成上限日額1万5千円を超える休業手当を支払う場合に休業手当の10分の1を補助」しています。助成金の前倒し貸付も行い、事業者と労働者を支援してきました。
東京都も、雇用調整助成金の前倒し貸付や、国への上乗せなどを行うべきです。いかがですか。
つづいて暮らし・福祉充実への提案です。
Q1 東京都が行った「都民生活に関する世論調査」で、この1年間に暮らし向きが「苦しくなった」という方が、前年より9ポイントも増え、33%を超えました。理由のトップは、「営業不振などで給料や収益が増えない又は減った」で、前年より18ポイントも増えて56%におよびます。
知事は、この結果をどう受け止めていますか。困っている都民の暮らしの支援に、今こそ全力をあげる必要があります。いかがですか。
Q2 なかでも国民健康保険料、保険税の負担軽減は急務です。
先の世論調査では、国保加入世帯が多い自営・家族従業の約5割が、暮らし向きが「苦しくなった」と答えています。私の地元、東久留米市と清瀬市はじめ少なくとも7市が、国保税を据え置く方針です。新型コロナの感染拡大による市民への影響を考慮しています。一方、値上げしようとしている自治体もあります。
都民の暮らしに追い打ちをかけることにならないよう、都が区市町村への財政支援を行い、国保料・国保税の負担軽減を図るべきです。いかがですか。
Q3 国が、2022年度から乳幼児の均等割を軽減する方針を決めたことは重要です。都独自に前倒しし、就学後の子どもたちも対象にすることを求めます。見解を伺います。
Q4 新年度予算案では、特養ホーム、老人保健施設、認知症グループホームの整備予算は、2年連続大幅減額です。2万9千人を超える高齢者が、特養ホームへの入居を待っています。これら3施設の重要性を、どう認識していますか。超高齢社会に対応するため、整備を促進する必要があります。どう取り組むのですか。
高齢者などの聞こえの支援も重要です。
Q1 コロナ禍にともなうマスクの着用は、口もとや表情が見えないことで、難聴者の困難を増大させています。アクリル板などの設置も、言葉を聞こえにくくしています。民間の研究所による研究では、マスクやアクリル板などの使用で、高音域、つまり子音が聞こえづらくなることが分かりました。加齢性難聴の特性と重なります。
知事は、コロナ禍で難聴者のコミュニケーションが困難になっている現状を、どう認識していますか。補聴器の使用など、難聴や聴覚障害の方々に対する情報保障の重要性が増していると考えますが、知事いかがですか。
Q2 補聴器購入費の助成は、新年度から板橋区や練馬区が開始し、少なくとも都内14自治体に広がっています。都として補聴器購入費へのさらなる支援が必要です。いかがですか。
Q3 知事は、2018年の第1回定例会で、聞こえのバリアフリーに取り組むと答弁しました。今後策定する第8期「高齢者保健福祉計画」に、聞こえのバリアフリーを位置づけることが重要です。見解を求めます。
Q1 知的障害者の正規職員採用への新たな道が、新年度に、都庁として初めてひらかれる予定です。
障害者を対象とする都職員Ⅲ類採用選考は、高卒程度の学力を求められ、知的障害が軽度の方も合格していない状況です。試験を受けることができるだけ、というのは差別ではないか、知的障害者の特性に応じた試験を、との保護者や関係者からの声がたくさん出たなかで、大事な一歩です。
現在、会計年度任用職員として働いている障害のある方々が、どのような基準で正規職員にステップアップするのですか。毎年採用を継続してくことが大切です。見解を伺います。
Q2 知的・精神・身体の障害者が生きいきと働けるように、障害特性をふまえ、合理的配慮を行い、職域を広げる検討を求めます。いかがですか。
次にジェンダー平等です。
Q1 森喜朗・組織委員会前会長の女性蔑視発言は、ジェンダー平等という、日本を含めた世界中で進められている取り組みに反する、女性に対する蔑視・差別であり、辞任で終わる問題ではありません。にもかかわらず知事は、施政方針でこの問題にひと言もふれませんでした。森前会長の女性蔑視発言をどのように受け止め、日本のジェンダー平等についてどのように認識しているのですか。
Q2 知事には、SDGsの目標の5番目にも位置づけられている、ジェンダー平等の具体化を進める責務があります。ところが、知事の附属機関である男女平等参画審議会を、この4年間、一度も開いていません。
審議会を開き、実態把握、分析などを行い、具体的施策に生かすべきではありませんか。
Q3 ジェンダー平等を都のあらゆる分野で貫くために、「ジェンダー平等推進局」をつくることを提案します。いかがですか。
パートナーシップ制度に踏み出そうとしない小池知事の姿勢も、きびしく問われます。
Q1 都の「人権尊重条例」は、第2条で、「多様性を尊重する都市をつくりあげていくため、必要な取組を推進する」ことを都の責務とし、第二章は全体が、「多様な性の理解の推進」を定めています。そして知事は施政方針で、「人」が輝き、多様性にあふれる都市・東京、を掲げ、多様性をもっと圧倒的に高める、と述べました。
多様な生き方を認めるというなら、同性カップルは家族ではないとして、さまざまな場面で排除される、存在を認められない、という状況を早急になくしていくことが必要です。知事の答弁を求めます。
Q2 知事は、同性パートナーの方たちが、自分らしく生きる権利を保障すべきだと考えていますか。
全国74自治体、総人口の3分の1以上に広がったパートナーシップ制度を、東京都でも実施すべきです。いかがですか。
Q1 コロナ禍のもと、DV被害が広がっています。「テレワークになった夫の暴力から逃れられない」など深刻です。内閣府の調査では、昨年4月から12月のDV相談件数は、前年同時期の約1・5倍に増えています。都内の相談件数も増えています。この状況を、どう受け止めていますか。
Q2 DV防止法にもとづいて、都および区市町村に設置される配偶者暴力相談支援センターは、大事な役割をはたしています。区内2カ所に設置している豊島区では、センター設置前と比べ、相談件数が倍増しています。緊急一時保護も増えています。
身近な場所に、ワンストップで対応できる配偶者暴力相談支援センターがある重要性を、どう認識していますか。
Q3 センターは都内17区に設置されていますが、多摩地域には1カ所もありません。この現状を知事はどう受け止め、格差是正にどう取り組むのですか。
Q4 「財政的な負担を考えると踏み出せない」などの声も聞かれます。市町村への財政支援が必要ですが、いかがですか。
保育と教育の充実について提案します。
Q1 区市町村が実施している保育のなかで、公立保育園がはたしている役割は、大きなものがあります。
たとえば、都内の保育園で障害児を受け入れているのは、公立園85%、私立認可園57%です。障害児保育を、公立保育園が積極的に担っていることを、どう認識していますか。
Q2 港区では昨年度から、新設した区立保育園に医療的ケア児のクラスを設置し、送迎も行っています。住民の声を受けて検討を重ね、区が土地を取得して区立園として整備しました。こうした有意義な取り組みを広げるべきだと思いますが、いかがですか。
Q3 大事な公立保育園ですが、都内では増えるどころか、昨年度だけで27園も廃止されています。
公立園は、自治体の決断で早く整備できて、自治体の保育士募集には多くの応募があり、保育士不足対策にも効果があります。障害児保育のニーズにもこたえています。
待機児童ゼロにむけ、質をそなえた保育園の増設が急がれる今、公立保育園も含めた認可保育園の整備を進めることは重要だと思いますが、知事の見解を伺います。
Q1 国は40年ぶりに学級編制の標準を改定し、5年間かけて小学校を35人学級にします。
少人数学級は、子どもたちへの手厚い教育と、感染症に強い学校を求める多くの人々の願いであり、全国知事会も求めてきた要求でもあります。都内自治体や保護者も、35人学級を歓迎しています。子どもたちにも教員にも良いと思う、個々の児童・生徒の活躍の場を多く設定しやすい、中学も含め早くやってほしいなどの声が届いています。
知事は、少人数学級の重要性をどのように認識していますか。
Q2 新年度の2年生からの段階的実施では、3年生以上は卒業まで40人学級のままです。
多くの保護者が、1年生と2年生で線引きするのは酷、コロナ禍に、なぜ5年かけて段階的に行わなければならないのか、首都東京が、国が定めたことに従っているだけでいいのかと訴えています。
都として、小中高等学校全体で、可能な限り前倒しで実施することが必要です。いかがですか。
Q3 都は「教育施策大綱(案)」を発表しました。東京都の教育の基本的な方向性を示すもので、知事が
教育委員会と協議のうえ策定するものです。
しかしその中で、少人数学級については、ひと言も触れていません。少人数学級の推進と少人数学級を活かした教育の充実を盛り込むべきです。知事の答弁を求めます。
Q4 「大綱(案)」は、めざす教育として「誰一人取り残さない」と掲げました。にもかかわらず、現在の大綱で重要事項の1番目にある「子どもの貧困」の視点が消えているのは重大です。コロナ禍のもとで、むしろ位置づけを高め、すべての子どもに学ぶ権利を保障する立場を明確にすることを求めます。知事いかがですか。
Q5 NGOのセーブ・ザ・チルドレン・ジャパンは、コロナの経済的な影響で今後就学を続けられなくなる可能性のある高校生がいることを示し、都が給付型の支援を強めることを求めています。この要望にこたえるべきです。見解を伺います。
コロナ禍は、民間市場の活用を優先してきた都の住宅政策の矛盾も、浮き彫りにしています。今こそ転換が必要です。
Q1 住宅政策の国際水準は、2016年に開かれた、第3回国連人間居住会議ハビタットⅢで、日本政府も参加して採択された合意文書です。そこには、「適切な居住を得る権利の完全な実現」が明記され、ソーシャルインクルージョンを促進し、持続可能な居住を実現することなどが強調されています。
知事は、SDGSを踏まえた住宅政策のあり方を示している、この合意文書の重要性を、どう認識していますか。
Q2 知事は施政方針で、「住宅戦略のバージョンアップを図る」と表明しました。都の住宅政策は、ハビタットⅢの合意文書にそって進める必要がありますが、いかがですか。
Q3 コロナのもとで、住宅に困窮する都民が増えている今、都営住宅を新規建設や借り上げ方式で大幅に増やすこと、住宅確保要配慮者への家賃補助に取り組むことが必要です。答弁を求めます。
Q1 東日本大震災から10年を迎えます。その後も全国で大きな地震が相次いでいます。
ところが、都の住宅耐震改修助成の実績は、年間わずか数百件です。助成予算も、3年前の9億6千万円が、新年度予算案では補助上限額の一部拡充はあるものの、3億2千万円まで減っています。
一方、高知県や静岡県は、南海トラフ、東海トラフ地震に備えて、知事を先頭に本気で取り組んでいます。知事は施政方針で、「倒れないまちの実現」を表明しました。首都直下型地震がいつ起きてもおかしくない東京における住宅耐震改修助成の重要性、緊急性を、どう認識していますか。
Q2 現在の「耐震改修促進計画」は、今年度末までに住宅の耐震化率95%を達成する目標です。どこまで到達したのですか。「計画」が改定されますが、95%の目標をいつまでに達成するのですか。お答え下さい。
Q3 先日の福島県沖地震では、避難所のコロナ対策が課題となりました。
相馬市では検温と消毒を徹底するとともに家族ごとにテントを設営し、避難者からは「プライバシーが保たれる」「感染の心配が軽減される」と好評でした。しかし都心の大地震では、避難者の数は膨大です。避難所の数と受け入れ人数を大幅に増やすための支援が必要です。
また、区市町村によるテントや消毒液・マスクなどコロナ対策備品購入への補助が、新年度予算案に新規事業で計上されていますが、都の補助率を引き上げ、予算も増額すべきです。いかがですか。
Q4 都内の避難所の質が、コロナ禍における災害時にも、国際的な最低基準を定めているスフィア基準を満たすことができるようにすることが重要です。認識を伺います。
Q1 知事は施政方針で、東京の農林水産業の持続可能な発展を図ると述べました。そのためには、家族農業がはたしている環境、文化などの役割を評価し、国連総会で日本を含む全会一致で可決され2019年からスタートした、国連「家族農業の10年」に沿う取り組みが必要です。
この10年を通じて、加盟国はSDGSを踏まえて家族農業の持続可能性を促進することが求められています。知事は、国連「家族農業の10年」の意義を、どう認識していますか。
Q2 都の農業振興プランにも位置づけて、都政で具体化することを提案します。いかがですか。
Q3 東京の農地の約半分を占める生産緑地の多くが、2022年に指定期限を迎えます。固定資産税の軽減などが継続される、10年ごとの指定延長はありますが、多くの農業者から、農地を守るためには、相続税の軽減や農業用施設や屋敷林などの固定資産税の軽減が必要だと声が上がっています。
農業者の声を聞き、農業振興や農地保全のため支援の拡充が必要です。見解を伺います。
気候変動対策について質問します。
Q1 知事は施政方針で、気候危機への「行動」で世界をリードする、2030年までに、都内の温室効果ガス排出量を2000年比で50%削減する、建物のゼロエミッション化(脱炭素化)を進めると表明しました。
世界をリードすると言うなら、都市づくりにおいて大規模開発ではなく、環境ファーストでビルなどからのエネルギー消費やCO2排出の削減に取り組むべきです。知事の答弁を求めます。
Q2 都が建築規制を大幅に緩和してつくられる大手町の超高層ビルだけで、CO2排出量は、再開発前の年間1万7900トンから、開発後はなんと4万5千トンへ、2・5倍にもなることが初めて公式に明らかにされました。ほかにも同様の開発が、続々計画されています。
規制緩和で巨大開発を進めるのは、知事が言う気候危機への「行動」と相反するのではありませんか。
次に、外環道工事についてです。知事は第4回定例会の所信表明につづき、今回の施政方針でも、ひと言もふれませんでした。
Q1 日本共産党都議団はこの数年にわたり、酸欠空気や地下水の噴出、異常な振動現象を示し、地上で事故が起こりかねないと警鐘を鳴らしてきました。にもかかわらず知事は、昨年10月の陥没や空洞の発見を受けてもなお、都議会で「今回の陥没と外環工事との因果関係は不明」だと答弁しました。
しかし2月12日、事故調査を行っている有識者委員会が、事故原因が外環工事にあることを認めました。調布の陥没、空洞発生事故は外環道工事が原因であったことを、知事は認めますか。
知事は、様々な前兆にまともに対処せず、重大な事故を引き起こした国と、事業者であるネクスコ東日本の責任、それを見逃してきた自らの責任を、どう考えていますか。
Q2 有識者委員会の調査結果を受け、非公開の住民説明会が開かれました。しかし、集団交渉を拒否し、個別交渉にこだわる姿勢に批判が高まっています。
被害住民連絡会が行ったアンケートでは、回答者の64・5%が団体交渉を望むと答えています。個別交渉では分断が持ち込まれるからです。
知事は、このような事業者の姿勢に、問題があると思いませんか。集団交渉に応じるよう求めるべきです。答弁を求めます。
Q3 被害住民連絡会は、4カ月たった今も事業者との対話のテーブルに着くことができていないなか、知事に現場を見に来てほしい、直接声を聞いてほしいと、つよく訴えています。知事、速やかにこたえるべきです。いかがですか。
Q4 事業者は、事故の原因解明に必要なデータを出さないなど、情報公開を拒んでいます。事故調査を行っている有識者委員会が非公開で、しかも事故を引き起こしたトンネル施工等検討委員会とほぼ同じメンバーというやり方も、大問題です。
事業者に徹底した情報公開を求めるとともに、第三者による事故調査検討組織の創設を、知事として求めるべきです。いかがですか。
Q5 3月末には、知事が認可権をもつ都市計画法の外環道事業の認可期限が来ます。このような状態で延長することは許されません。知事の答弁を求めます。
今定例会に提出された新年度予算案は、大型幹線道路建設だけでも900億円もの巨額を計上するなど、
従来の予算編成と変わっていません。カジノ誘致の検討予算は8年連続計上され、五輪関連予算も4千224億円と巨額です。
一方、都立・公社病院を後退させる独法化準備予算が、今年度の6倍、39億円も計上されています。認可保育園整備を支援する待機児童区市町村支援事業も、障害者(児)施設の整備も、大幅減額です。
今年度と新年度のコロナ対策について、補正予算案が提出されますが、財源の89%が国庫負担で、都の財政出動による独自事業は、ほとんどありません。中身も従来の延長線です。
Q1 知事、都の予算総額は15兆円を超え、ノルウェーやスウェーデンの国家予算に匹敵します。今こそ、大型幹線道路建設や大型開発を抜本的に改め、その財政力を発揮して、コロナ対策に集中すべき時ではありませんか。答弁を求めます。
わが党は、予算の組み替え提案を行うことを含め、コロナ禍のもと、都民のいのち、暮らし、営業を守り抜き、自己責任ではなく、都民を支えるあたたかい都政に切り換えるため、全力をつくします。
Q2 日本共産党都議団は、都内市町村の新年度の税収予測などについて調査を行いました。
その結果、市町村合計で、約345億円もの減収見込みになることがわかりました。今年度と変わらないと答えた島しょ地域の3自治体以外のすべての自治体で減収となると答えており、市民生活への影響が心配されます。この結果を、どう受け止めますか。
Q3 知事は、「多摩格差をどのようにして削減していくか、縮減していくかということについて努力をしている」と答弁しています。そうであれば、コロナ禍で財政運営に苦労している多摩地域の自治体への支援を強化すべきです。見解を求めます。
Q4 市町村総合交付金の増額は、市長会の最重点要望です。「交付額の総額を増額するとともに、配分に当たっては、各市の自主性特殊性を尊重し、個別事情がより的確に反映できるよう、十分協議されたい」と
記されています。
知事、この要望に正面からこたえるべきです。いかがですか。
Q5 新年度予算案では5億円増額していますが、税収減の状況に照らして少なすぎます。抜本的に増額すべきです。答弁を求めます。
Q6 コロナの収束が見込めないなか、市町村新型コロナウイルス感染症緊急対策特別交付金の第二弾が、切望されています。実施を求めます。いかがですか。
最後に、都内の米軍基地について質問します。
Q1 第4回定例会のわが党の代表質問に対し、横田基地に配備されたCV22オスプレイは、米軍の特殊
作戦部隊の人員や物資等を輸送する任務が想定されているという答弁がありました。特殊作戦部隊にふれた、初めての答弁です。
まず伺いますが、横田基地のCV22オスプレイがかかわる米軍の特殊作戦とは、どのようなものですか。夜間に超低空飛行で敵前上陸するとか、森林地帯に降下して作戦を行うなど、きわめて危険なものではないのですか。
Q2 CV22オスプレイ配備にともない、横田基地に2つの特殊作戦中隊が駐留しています。この中隊は、もともと横田基地に駐留している空輸航空団とまったく別物で、嘉手納基地の特殊作戦グループの指揮下に
あります。
これまでどおり、横田基地が空輸拠点だという話は通用しません。特殊作戦部隊の出撃拠点としての役割が加わったことは明らかです。知事は、どう認識していますか。
Q3 危険な特殊作戦部隊とCV22オスプレイの横田基地からの撤去を、米軍と日本政府に対し、きびしく求めるべきです。知事いかがですか。
Q4 清瀬市から埼玉県新座市にまたがる大和田通信基地の周辺も、この数年、米軍の動きが活発になっています。CV22オスプレイが飛来したこともありました。最近も、米軍ヘリが何度も飛来して低空飛行などを行い、住民の不安が広がっています。
大和田通信基地へのCV22オスプレイや米軍ヘリの飛来状況、およびこの数年、なぜ米軍の動きが活発になっているのか理由を明らかにして下さい。
横田基地、大和田通信基地をはじめ、都内7カ所の米軍基地の整理・縮小・撤去に真剣に取り組むことを
求め、再質問を留保して質問をおわります。
【答弁】
○知事(小池百合子君) 原のり子議員の代表質問にお答えいたします。
新型コロナウイルス感染症対策についてのご質問ございました。
都民、事業者の方々の努力によって、新型コロナウイルス感染症の感染状況は改善しつつありますが、感染を徹底して抑え込むためには、新規感染者数をさらに減少させていく必要がございます。また、従来のウイルスより感染力が強いとされる変異株による感染者が各地で散見されておりまして、万全な対策を講じていかなければなりません。
都は、感染症法の改正や国の通知を踏まえまして、医療、検査体制などの整備を進めるとともに、感染症対策の司令塔である東京iCDCの知見も生かしながら、対策の強化を図っているところでございます。
引き続き、都民の命を守るため、関係機関とも連携をいたしまして、感染再拡大の予兆を迅速に捉えて、新規陽性者数の減少に努めてまいります。
同じく検査についてであります。
重症化リスクの高い高齢者や障害者が利用する施設などでは、無症状の方も含めまして、利用者や職員が検査を受けられるようにすることが必要でございます。
都は、高齢者や障害者の入所施設などに対しまして、定期的な検査にかかる費用を補助いたしております。また、通所施設の利用者及び職員などを対象に、区市町村が実施する検査の費用につきましても、都独自に支援をしております。
次に、保健所の体制強化についてでございます。
新型コロナウイルス感染症への対応を確実に実施していくため、都は、各保健所へ職員を派遣いたしまして業務の支援を行うほか、発熱等の症状のある方の相談窓口や保健所の支援拠点を設置いたしております。また、保健所を設置する区市に対しましては、看護師の雇い上げや業務委託の経費などを支援するなど、引き続きその体制強化に取り組んでまいります。
積極的疫学調査につきましては、現在、既に一部の保健所で感染状況を踏まえまして従来ルールで実施をしておりまして、今週中をめどに東京iCDCから改めて統一方針を発出する予定といたしております。
都の保健所の体制に関しての二点お尋ねがございました。
保健所は、地域の感染症対策など健康危機管理等の重要な役割を担っておりまして、新型コロナウイルス感染症の感染拡大に当たりましては、積極的疫学調査などを行うトレーサーや、一度退職された保健師を都の保健所に配置するなど、体制強化に取り組んでおります。
来年度は、感染症対応業務に従事する保健師の定数を十一名増員いたしまして、四十四名とすることとしておりまして、感染拡大時に保健所が的確に対応できますよう、引き続き体制確保に取り組んでまいります。
次に、東京二〇二〇大会の開催についてでございます。
大会の開催については、これまでもさまざまな調査などが報じられていることは承知をいたしております。
安全・安心な大会の開催に向けましては、現在、コロナ対策調整会議の中間整理に基づきまして、対策の具体化に取り組んでいるところであります。
今後とも、国、組織委員会など関係者と連携協力をいたしまして、安全・安心な大会の開催に向け、準備を着実に進めてまいります。
都立、公社病院における新型コロナウイルス感染症への対応についてのご質問でありました。
感染症医療や災害医療などの行政的医療等を提供することは都立病院の役割でございます。また、公社病院は、都の政策連携団体として、感染症医療等の行政的医療も担っております。
こうした役割を踏まえて、都立、公社病院は、新型コロナウイルス感染症の患者を積極的に受け入れており、この役割は独法化後も変わるものではありません。
多摩北部医療センターの改築についてであります。
地域医療で重要な役割を果たしている多摩北部医療センターの改築に向けては、現在、基本構想検討委員会を設置いたしまして、地域医療を取り巻く環境変化に対応した安定的な医療提供を図ることができますよう、医療機能の検討を行っております。
これまで検討委員会では、高齢者医療を初め、小児医療や小児救急の充実等、さまざまな診療科につきましてご意見をいただいておりまして、こうしたご意見等も踏まえながら、基本構想を取りまとめてまいります。
次に、中小、小規模企業への支援についてであります。
感染症の影響によって、地域経済を支える中小企業は依然として厳しい経営環境にあって、その事業継続を支えていく必要がございます。
都はこれまでも、資金繰り支援を初めとする経営の下支えとなる対策を講じるとともに、感染拡大防止を図る取り組みへの支援なども実施をしてまいりました。
今後とも、中小企業や小規模企業がコロナ禍の厳しい状況を乗り越えられますよう、適切に支援をしてまいります。
協力金の給付金額についてであります。
今般の緊急事態措置におきましては、特に感染リスクが高いといわれる飲食店等に対しまして営業時間の短縮を要請しております。要請に応じていただいた店舗への協力金は、減少した売り上げを補填する営業補償とは異なりまして、要請の実効性を確保するために支給するものでございます。
こうした協力金にはさまざまご意見がございますが、仮に事業規模に応じた支給へと変更する場合、売上高のほか、店舗面積や従業員数など、さまざまな指標が考えられまして、この基準が自治体間で異なれば、新たな不公平感が生じかねません。
こうしたことから、事業規模に応じた制度構築は、国において行うべきものと考えております。
都民の暮らしへの支援についてでございます。
新型コロナウイルス感染症の感染拡大は、休業や失業等に伴う収入の減少など、都民生活にさまざまな影響を及ぼしております。
このため、都は、生活福祉資金の特例貸付に必要な経費の速やかな確保や、住まいを失った方への一時的な宿泊場所の提供等に取り組んでまいりました。
引き続き、都民生活の安定のため、必要な支援を行ってまいります。
難聴や聴覚障害のある方への情報保障についてであります。
聴覚に障害のある方は、相手がマスクをつけていると、口の動きが読み取れずに、話していることがわからないなど、障害者にはコロナ禍での過ごしづらさがございます。そういった声を受けて、私は、昨年十二月の記者会見の際に、障害の特性や障害者への理解を深めて配慮するように呼びかけております。
障害者や高齢の難聴者を初め、全ての人が必要な情報を容易に入手できる環境を整備することは重要でありまして、引き続き情報保障を推進してまいります。
日本のジェンダー平等に関しての認識であります。
あらゆる分野で女性が活躍することは、社会全体の生産性を高め、女性だけでなく、男性にも大きな影響を与え、男女が対等な立場で責任を分かち合う男女平等参画社会の形成につながることは当然のことであります。
全ての都民が、性別にかかわりなく個人として尊重され、その個性と能力を十分に発揮できる社会づくりが重要であります。
都は、女性活躍の推進を重要課題の一つとして位置づけておりまして、今後とも幅広くさまざまな施策に取り組んでまいります。
同性カップルについてのお尋ねがございました。
性自認及び性的指向に関しまして、当事者が抱える問題はさまざまでございます。都民一人一人の理解を得ながら、どのような配慮が可能なのかという観点からの検討や取り組みが重要です。
都としては、引き続き社会情勢の変化を踏まえつつ、当事者に寄り添う施策を展開してまいります。
教育施策大綱の考え方についてのご質問でございます。
未来を担う子供たちには、社会の変化を柔軟に受けとめ、みずからの個性と能力を伸ばし、さまざまなことに挑戦し続ける力を育む必要がございます。
そのため、子供たち一人一人が基礎的な知識や技能を確実に身につける学びとともに、子供たちの意欲を引き出す少人数などによるきめ細かな学びが大切であります。これらを実現し、東京の教育の充実を図ってまいります。
東京が目指す教育についてであります。
子供たちが未来の社会の担い手として生き生きと活躍していくためには、子供の学ぶ権利を守って、社会全体で成長を支えていくことが大切でございます。そのため、子供たちの心の問題や人間関係、家庭の経済状況など、一人一人の置かれたさまざまな状況に丁寧に寄り添っていく必要がございます。
こうした考え方によりまして、誰ひとり取り残さず、全ての子供が将来への希望を持ってみずから伸び、育つ教育を実現してまいります。
次に、第三回国連人間居住会議、ハビタットⅢの合意文書についてのご質問であります。
国連人間居住会議は、人間居住にかかわる課題解決のために、二十年に一度開催をされております。日本政府も出席した平成二十八年の第三回国連人間居住会議、ハビタットⅢにおいて採択されましたニュー・アーバン・アジェンダは、今後二十年間の人間居住にかかわる課題の解決のための国際的な指針であると、このように承知をいたしております。
国連家族農業の十年についてであります。
家族農業の十年は、食料安全保障の確保と貧困、飢餓撲滅に大きな役割を果たす家族農業における施策の推進等を求め、国連で定められたものでございます。
小規模でも高収益を上げている東京の農業におきまして、都は、デジタル技術を活用した東京型スマート農業やEコマースの活用など稼げる農業に向けまして、生産性の向上や販売力強化などの支援を行っております。
引き続き、持続可能な東京農業の実現に向けて、農業者を支援してまいります。
次に、ビル等におけますエネルギー消費やCO2排出の削減についてであります。
東京が持続的な発展を続けていくためには、環境負荷が少なく、投資や企業を引きつける都市であり続けることが重要であります。
そのため都は、都内CO2排出の多くを占めるビルなどの建築物の省エネ対策や再生可能エネルギーの利用拡大を図る建築物環境計画書制度、キャップ・アンド・トレード制度などの先進的な施策などを展開いたしております。
こうした取り組みによって、都内では経済成長を維持しつつも、エネルギー消費を減らしていく、いわゆるデカップリング、切り離し傾向が続いており、今後とも事業者等の共感と協働を得ながら、ゼロエミッション東京を実現してまいります。
次に、外環事業と調布市陥没事象についてでございます。
都は、事業の実施に当たりまして、国など事業者に対し、安全を最優先にして整備を進めることを求めてまいりました。
昨年十月に発生した地表面陥没につきまして、先般の有識者委員会におきまして、陥没、空洞の発生メカニズムが示され、外環シールド工事が要因とされたことはまことに遺憾であります。
有識者委員会におきましては、緩んだ地盤の補修の実施や再発防止の基本方針が示されており、今後さらに検討が進められ、取りまとめがなされる予定でございます。
都は、引き続き国など事業者に対しまして、住民の不安払拭に向けて丁寧な説明やきめ細やかな対応を確実に行うことや、都、そして地元自治体との情報共有を図ることを求めてまいります。
さらに、有識者委員会による検討結果を住民の安全・安心確保に向けた取り組みに反映させまして、確実に行うことを強く求めてまいります。
次に、市町村からの要望への対応についてでございます。
平成二十八年度以降、毎年、市町村長の皆様との意見交換を実施しております。今年度もリモート会議システムを活用しまして、地域の課題や取り組みの状況などを伺いました。また、昨年十一月には、市長会及び町村会から、行政のデジタル化に向けた支援の要望も受けております。
こうしたさまざまな機会を通じていただいたご意見やご要望を踏まえまして、来年度の市町村総合交付金を増額いたしまして、政策連携枠の対象に行政のデジタル化を新たに加えて、地域の実情に応じた市町村の取り組みを支援してまいります。
その他のご質問につきましては、教育長、東京都技監及び関係局長からのご答弁といたします。
○教育長(藤田裕司君) 二点のご質問にお答えいたします。
初めに、少人数学級についてでございますが、学校教育においては、学校生活の基本となる学級を基盤としながら、さまざまな集団活動を通じて人間関係を築く力や自分のよさを生かす力などを高めるとともに、教科の特性や学習場面等に応じた集団をつくり、知識や技能、思考力等を身につけさせるよう、日々の教育活動を展開する必要があると考えてございまして、こうした活動を通して、子供の知、徳、体をバランスよく育んでまいります。
次に、学級編制の標準の引き下げについてでございますが、義務教育における学級編制は、教育の機会均等や全国的な水準の維持の観点から、国の責任において行われるべきでございます。
国は今般、少人数によるきめ細かな指導体制を構築するため、義務標準法を改正し、小学校について学級編制の標準を五年かけて学年進行で三十五人に引き下げることといたしました。
都教育委員会は、今回の法改正による学級編制の段階的な整備を着実に行ってまいります。また、高等学校における学級編制につきましては、国の動向を注視してまいります。
○東京都技監(上野雄一君) 八点のご質問にお答えをいたします。
まず、住宅の耐震化についてでございます。
首都直下地震の発生が懸念される東京におきましては、住宅を含む建築物の耐震化は喫緊の課題でございます。地震による住宅の倒壊を防ぐことは、居住者の生命と財産を守ることだけでなく、都市の防災力の向上にもつながります。
このような考え方のもとで、耐震改修促進計画には住宅の耐震化を重点施策の一つとして位置づけておりまして、これまでも住宅改修助成などによりまして、所有者の主体的な取り組みを支援してきております。
引き続き、住宅を含む建築物の耐震化を促進してまいります。
次に、住宅の耐震化の目標についてでございます。
住宅の耐震化率は、令和元年度末で約九二%でございます。今年度末に改定する促進計画では、令和七年度末までに耐震性が不十分な住宅をおおむね解消することとしております。
次に、気候変動対策についてでございます。
東京が高度に成熟した都市として持続的に発展していくためには、地球環境との調和を図りながら、国際競争力の向上にも資する優良な都市開発を推進していく必要があり、民間事業者におきましても、環境面でさまざまな創意工夫ある取り組みが進められております。
例えば、大・丸・有地区の大手民間事業者は、二〇二二年度には同地区内に有する全ての建物の電力を再生可能エネルギー由来にする予定としておりまして、お話の大手町のプロジェクトにつきましても、導入に向け、関係者と協議を進めております。
こうした先進的なプロジェクトに加え、先端技術も活用しながら、地区、街区単位でのエネルギーの有効利用や都市全体での環境負荷の低減の取り組みなどによりまして、ゼロエミッション東京の実現を目指してまいります。
次に、外環の事業認可についてでございます。
陥没事象の後、有識者委員会における検討が進む中で、事業者から事業計画の変更認可申請が都に提出されました。事業計画の変更認可申請につきましては、都市計画法に基づき適切に対応してまいります。
次に、米軍の特殊作戦についてでございます。
国からは、米軍の特殊作戦部隊の任務は、一般的に各種事態における偵察や情報収集、人質救出などの各種任務の遂行などであり、大規模災害等における人道支援活動にも従事できると聞いております。
なお、横田基地のCV22オスプレイは、米空軍の輸送機であり、各軍の特殊作戦部隊を輸送することを主たる任務としていると聞いております。
次に、横田基地の役割についてでございます。
国からは、CV22オスプレイは、米各軍の特殊作戦部隊の人員や物資等を輸送する任務等が想定されており、その配備は横田基地の輸送拠点としての機能の範囲内で行われていると聞いております。
国からは、横田基地の基本的役割は空輸拠点である、また、横田基地は、在日米軍の司令部としての機能及び輸送拠点としての機能を果たしていると聞いておりまして、都といたしましては、横田基地の空輸基地としての役割は変わらないものと認識しております。
次に、特殊作戦部隊とCV22オスプレイの横田基地からの撤去についてでございます。
安全保障にかかわることは国の専管事項でございます。横田基地に配備されておりますオスプレイにつきましては、地元自治体とともに、毎年度、安全対策の徹底や生活環境への配慮等につきまして国や米軍に要請してきており、引き続き地元自治体と連携しながら要請してまいります。
最後に、大和田通信所へのCV22オスプレイなどの飛来状況等についてでございます。
安全保障に関することは国の専管事項でございます。なお、都は、国への提案要求等を通じ、お話の大和田通信所を含め、都内米軍基地におきまして、周辺住民に影響を及ぼすような米軍の訓練や飛行の実施等に関する情報を地元自治体に提供するよう国に要請してきておりまして、今後も引き続き訓練等の情報提供を国に求めてまいります。
○福祉保健局健康危機管理担当局長(初宿和夫君) 三点のご質問にお答えいたします。
まず、感染拡大を抑えるための集中的な検査についてでございます。
昨年九月十五日に発出された国の通知では、クラスターの発生など地域における感染状況を踏まえ、感染拡大を防止する必要がある場合には、現に感染が発生した施設等に限らず、地域の関係者を幅広く検査することが可能となってございます。
また、昨年十一月二十日の国の通知では、重症化のリスクが高い方が多数いる集団や、感染が生じやすく、感染があった場合に拡大しやすい場所を優先し、積極的に検査する方法を示しております。
都のモニタリング会議におきましても、専門家の方から同様のご指摘をいただいており、都はこうした考えを踏まえ対応してございます。
次に、通所施設等における定期的な検査についてでございます。
都は、重症化リスクが高い高齢者や障害者の通所施設の利用者及び職員や特別支援学校の児童及び職員を対象として、区市町村が実施する検査の費用について独自に支援してございます。
また、医療機関等が医療従事者及び入院患者を対象に実施する保険適用外の検査の費用についても補助してございます。
最後に、濃厚接触者に限らない検査の実施についてでございます。
国の通知では、特定の地域や集団、組織等において、関連性が明らかでない患者が少なくとも複数発生し、クラスター連鎖が生じやすいと考えられる状況にあると認められる場合は、濃厚接触者に当たらない場合であっても行政検査の対象にすることができるとしており、都では、こうした国の考え方に基づき適切に対応してございます。
○福祉保健局長(吉村憲彦君) 十四点のご質問にお答えいたします。
まず、高齢者、障害者施設の職員への検査についてでございますが、今般、国の基本的対処方針が改定され、緊急事態宣言の対象都道府県は、高齢者施設等の従事者等への検査を三月までに実施するとされました。
これを踏まえ都は、これまで行ってきた検査費用の補助に加え、特別養護老人ホームや障害者支援施設等の職員に対して、三月末までに集中的な検査を行うことといたしました。来年度も引き続き高齢者、障害者施設の職員や入所者への定期的な検査を六月まで行えるよう、必要な経費を予算案に計上しております。
次に、都の保健所のあり方についてでございますが、都は現在、多摩地域にある都の保健所の体制強化や負担軽減を図りながら、新型コロナウイルス感染症への対応に全力で取り組んでおります。
来年度、調査費を予算案に計上しており、今後感染拡大から終息に至るまでの保健所の取り組みについて検証した上で、改めてそのあり方を検討していくこととしております。
次に、都の保健所の役割についてでございますが、多摩地域にある都の保健所は、住民に身近な保健サービスは市町村が行い、より専門的なサービスは保健所が実施するという、地域保健法の考え方に基づき、現在二次保健医療圏に一カ所の体制となっており、広域的、専門的、技術的拠点として地域の感染症対策の重要な役割を担っております。
今後、感染拡大から終息に至るまでの保健所の取り組みについて検証した上で、改めてそのあり方を検討していくこととしております。
次に、都の医療体制についてでございますが、新型コロナウイルス感染症発生以前から、医療機関の代表者や地域の関係者などにより構成する会議等において継続的に議論している地域の医療課題等を踏まえ、都は医療機関の実情に応じた支援を拡充するよう国に働きかけております。
また、新型コロナ患者等を受け入れている医療機関に対しては、病床確保料や新型コロナ外来の運営費等を支援するとともに、入院患者を受け入れた医療機関に対して、経営基盤を包括的に支援するための臨時支援金を交付しております。
次に、診療報酬等についてでございますが、診療報酬は厚生労働大臣が中央社会保険医療協議会の議論を踏まえて決定しております。
病床数は、医療法に基づき国が示す算定式により、都道府県知事が医療計画において基準病床数を定めることとなっております。
医師数は、これまで国は医学部入学定員を抑制してまいりましたが、平成十八年に策定した新医師確保総合対策により、医学部の入学定員を増員し、令和四年度までの間、増員することとしてございます。
国は、医療計画の見直し等に関する検討会で、新興感染症等の感染拡大時における体制確保を医療計画の記載事項に追加することなどを議論しており、都はその動向を見守ってまいります。
次に、国民健康保険の保険料についてでございますが、新型コロナウイルス感染症は、都民生活にさまざまな影響を及ぼしております。国民健康保険の保険料、保険税の賦課方式や料率は、都民のさまざまな暮らし向きを踏まえながら、各区市町村がみずから定めるものであり、それぞれの議会で十分な審議が行われ、決定されるものと認識しております。
都は、国民健康保険制度の健全かつ安定的な運用を図るため、法令等に基づき区市町村に対する財政支援を行ってございます。
次に、子供の均等割保険料についてでございますが、国民健康保険は全国統一の制度であり、子供に係る均等割保険料の軽減措置を含め、その制度上の課題については国が責任を持って対応すべきものでございます。
今般、国は子育て世帯の経済的負担軽減の観点から、未就学児に係る均等割保険料を軽減する法案を国会に提出いたしました。
都は、全国知事会を通じて子育て世帯の負担を軽減するという趣旨を鑑み、十八歳未満までに対象を拡大するよう国に対して要請しております。
次に、介護基盤の整備についてでございますが、高齢者が介護が必要となっても住みなれた地域で暮らし続けていけるよう、施設サービスだけでなく、在宅サービスやケアつき住まいなどの介護基盤をバランスよく整備することが重要でございます。
都は、都有地の減額貸し付けや土地賃借料の負担軽減、整備率が低い地域への整備費補助の単価の加算など、さまざまな独自の支援を行っております。
今年度策定する第八期高齢者保健福祉計画において、区市町村のサービス見込み量等を踏まえ、特別養護老人ホーム等の整備目標を定めることとしており、着実に整備を推進してまいります。
次に、補聴器の購入費助成についてでございますが、都は高齢者に対して、補聴器の支給等を行う事業を独自に実施している区市町村を包括補助で支援しており、引き続き聞こえの支援など高齢者を支える区市町村の取り組みを支援してまいります。
次に、高齢者の聞こえのバリアフリーについてでございますが、国の研究機関の調査によると、六十五歳以上の高齢者のおよそ半数に難聴があると推計されるなど、多くの高齢者にとって難聴は身近な問題であり、こうした方々が必要な情報を容易に入手できる環境を整備していくことが重要でございます。
こうしたことから、都は、情報バリアフリーガイドラインを策定し、高齢者等から意見を聞きながら、聴力の弱い方々にとって聞こえやすい環境を整備する事業者等の取り組みを促進しております。
今年度策定する第八期高齢者保健福祉計画でも、福祉のまちづくりの推進等を重点分野の中に位置づけることとしており、現在、パブリックコメントを実施しております。
次に、障害児保育についてでございますが、都は、障害児に対する保育サービスが適切に提供されるよう、必要となる施設の改修経費への補助や、都独自の子育て推進交付金等で区市町村を支援しております。
また、保育サービス推進事業に障害児加算を設け、障害児を受け入れる事業者の取り組みを支援しております。保育の実施主体である区市町村は、こうした都の支援策を活用し、公立、私立にかかわらず、保育所における障害児の受け入れを進めているものと認識しております。
次に、保育所での医療的ケア児の受け入れについてでございますが、保育の実施主体である区市町村は、医療的ケア児への対応など、地域の実情に応じてさまざまな取り組みを進めています。
都は、区市町村が医療的ケア児の保育ニーズに応えられるよう、東京都待機児童対策協議会等で各区市町村の取り組み内容等の紹介を行ってございます。
次に、保育サービスの拡充についてでございますが、保育サービスは、保育の実施主体である区市町村が、公立、私立の認可保育所、認証保育所、認定こども園、小規模保育、家庭的保育など、地域のさまざまな保育資源を活用して整備するものでございます。
都は、今後とも待機児童の解消に向けて、多様な保育サービスの拡充に取り組む区市町村を支援してまいります。
最後に、避難所についてでございますが、避難所において、避難者一人一人の尊厳、健康を守り、安全・安心を確保することは重要であり、都は良好な生活環境が確保されるよう、管理運営の指針を区市町村向けに作成しております。
また、新型コロナウイルス感染症対策として、昨年六月に具体的な避難所内のゾーニングや動線、必要な物資の確保等を盛り込んだガイドラインを作成しており、引き続き、災害発生時に区市町村が避難所を適切に運営できるよう支援してまいります。
○総務局長(山手斉君) 十一点のご質問にお答えいたします。
初めに、新型コロナに関する差別解消についてでございますが、新型コロナウイルスへの感染は、意図せず誰にでも生じる可能性があり、感染者等への誹謗中傷や不当な差別的取り扱いは決して許されるものではなく、解消に向けた啓発が重要でございます。
次に、新型コロナに関する人権啓発についてでございますが、都はこれまで、ストップコロナ差別を呼びかけるポスターや動画等を通じて、感染者等への人権に配慮した行動をとるよう促す啓発活動を進めてまいりました。
引き続き、電車内での動画広告などの広報媒体も活用し、感染症に対する都民の正しい理解を促進してまいります。
次に、都における知的障害者の雇用についてでございますが、都では、知的障害者を対象としたオフィスサポーターを毎年採用しておりまして、この取り組みを通じて、非常勤職員としての勤務実績を考慮した上で、常勤職員へステップアップすることを可能とする枠組みの検討を進めてございます。常勤職員の採用選考については、採用後に従事する事務等の補助の業務に応じた能力実証を行うものでございます。
次に、都における障害者雇用についてでございますが、都では、身体、精神、知的障害者を対象とした採用選考を実施し、障害者雇用の促進に努めてまいりました。
加えて、オフィスサポーターの取り組みでは、支援員の配置等の配慮を行った上、各種庶務事務や軽作業の一部を切り出し、障害特性に適した職務内容等を検証してまいりました。
障害者の方々が能力や適性に応じて働くことができるよう、引き続き必要な検証と改善を積み重ねてまいります。
次に、ジェンダー平等の推進体制についてでございますが、都は全ての都民が性別にかかわりなく、個人として尊重される社会の実現に向け、生活文化局に男女平等参画の担当部署を設けるほか、全局で構成する東京都男女平等参画推進会議を設置し、総合的に施策を進めております。
今後とも、都政を取り巻く状況変化等を見据え、引き続き適切な執行体制の確保に努めてまいります。
次に、同性パートナーシップ制度についてでございますが、この制度は、婚姻関係のあり方そのものにかかわるもので、広く国民の理解を得ていくべき課題と認識してございます。
都としては、性自認及び性的指向に関する基本計画に基づき、引き続き、各局において個別具体的に必要な取り組みを推進いたしますとともに、実態調査を実施するなどして、当事者のニーズに即した施策を展開してまいります。
次に、感染拡大を踏まえた避難対策についてでございますが、都は、感染拡大を受け、ホテルなどの民間施設を活用した避難先確保や、マスク、消毒液の備蓄などについて、留意事項を取りまとめ、区市町村に通知をいたしました。
また、来年度、区市町村の避難所等の備蓄に対し必要な支援を実施することといたしました。
今後も、区市町村と連携し、災害時における避難所の感染防止対策に取り組んでまいります。
次に、市町村の税収減への対応についてでございますが、新型コロナウイルス感染症の影響により、地方税等が大幅な減収となる中、国は、地方交付税の増額等によりまして、標準的な歳出に充当する一般財源の総額につきまして、前年度を上回る額を確保するとともに、地方債に対する公的資金についても大幅に増額することとしております。
都としても、引き続き、市町村総合交付金や区市町村振興基金を効果的に活用いたしまして、市町村の財政運営を支援してまいります。
次に、多摩格差への支援についてでございますが、従来からの公共下水道や道路などの課題につきましては、これまで都と市町村が連携し、課題の解決に努めた結果、いわゆる多摩格差はかなりの部分で解消していると認識してございます。
一方で、多摩地域は、人口減少や少子高齢化、交通インフラの整備、防災対策など、依然として、それぞれの地域で課題を抱えてございます。このような課題に対して、都はこれまでも、市町村総合交付金を活用し、各市町村の課題解決に向けた取り組みに要する一般財源を補完することで市町村を支援してまいりました。
今後とも、各市町村の実情、課題に即した市町村総合交付金の適切な運用に努めてまいります。
次に、市町村総合交付金の増額についてでございますが、平成二十八年度からの四年間で九十億円と大幅に増額しており、来年度予算についても、新型コロナウイルス感染症の影響により、都財政が厳しい中にあって、過去最高額となる五百八十五億円を計上してございます。
区市町村振興基金も効果的に活用し、今後とも、市町村の健全な財政運営に向けた支援を行ってまいります。
最後に、緊急対策特別交付金についてでございますが、都では、昨年四月に緊急対策として、総額百億円の特別交付金の交付を行い、その後も、市町村への支援策を拡充してまいりました。
さらに今月、国の地方創生臨時交付金の第三次交付限度額が示され、単独事業分については、令和三年度予算に充当することも可能になる予定でございます。
今後も、都の各種支援策や地方創生臨時交付金を効果的に活用していただけるよう、適切な支援に努めてまいります。
○オリンピック・パラリンピック準備局長(中村倫治君) 東京二〇二〇大会についてですが、都は大会の準備に当たり、IOC、IPC、WHO、国、組織委員会とともに、感染症などの専門家のご意見も踏まえ、国内外の感染状況や対策の状況等について継続的な意見交換を行っております。
引き続き、コロナ対策調整会議の中間整理に基づき、専門家のご意見を伺いながら、この夏の安全・安心な大会開催に向け、対策の具体化に取り組んでまいります。
○病院経営本部長(堤雅史君) 四点のご質問にお答え申し上げます。
まず、東京二〇二〇大会における都立病院の医療提供体制についてでございますが、都は現在、緊急事態宣言のもと、新規陽性者数の減少に向け、営業時間短縮の要請や、世代の行動特性を踏まえた呼びかけ、出勤者数七割削減に向けたテレワークの集中実施など、さまざまな対策を講じております。
また、東京二〇二〇大会の安全・安心な開催に向けまして、コロナ対策調整会議の中間整理に基づき、対策の具体化に取り組んでおり、大会指定病院への指定が予定されている都立広尾病院、墨東病院、多摩総合医療センターにつきましては、大会時に必要となる受け入れ体制を検討しているところでございます。
次に、都立病院職員の定数についてでございますが、都立病院ではこれまで、都内の新型コロナウイルス感染症患者の動向を踏まえ、専用病床をふやすなど、受け入れ体制を拡充してまいりました。また、そのために必要な看護職員等については、年度途中の採用や病棟間の異動などにより、弾力的に確保しております。
次に、人材の確保についてでございますが、令和三年度の看護職員の定数が減員となっておりますのは、小児総合医療センターの個室化改修工事に伴い、病棟を休止している間の一時的なものでございまして、多摩総合医療センターの感染症対策の体制を整備することなどには必要な増員を行っているところでございます。
看護職員を初めとした都立病院の職員につきましては、都はこれまで、その時々の医療ニーズに応じた必要な人員を適切に措置しておりまして、今後、独法化することにより、これまで以上に柔軟に人材を確保してまいります。
最後に、多摩北部医療センターの改築への住民の声の反映についてでございますが、病院を運営する上で、患者さんやご家族、近隣の皆様の声は重要でございまして、多摩北部医療センターに対しても、さまざまなご意見があることは承知をいたしております。
こうしたさまざまな声を参考にしつつ、検討委員会などの意見も踏まえ、基本構想を取りまとめてまいります。
○産業労働局長(村松明典君) 七点のご質問にお答えいたします。
まず、営業時間短縮等に伴う支援についてですが、都では、特措法の改正によりまして、経済的な支援措置を盛り込むよう、国に対して繰り返し要望を行ってまいりました。先般、特措法が改正され、事業者を支援するために必要な財政上の措置等を講ずる旨の規定が整備されたところでございます。法の趣旨にのっとり、適切に対応してまいります。
次に、協力金の支給についてですが、協力金は、営業時間の短縮要請の実効性を確保するために実施するものでございまして、要請に全面的にご協力いただいた店舗に対して支給することとしております。
次に、国による一時支援金についてですが、都は既に、国が実施を予定しております一時支援金につきまして、国の制度構築に先駆けて、一都三県で要望をし、支給額の拡充や要件の緩和につなげているところでございます。
次に、家賃等支援給付金についてですが、都の給付金は、国の緊急事態宣言の延長等により経営に大きな影響を生じた三カ月分の家賃等を一括で給付するものでございます。国の臨時交付金を活用し、業種を問わず家賃等の支援が可能となるよう制度設計を行ったところでございまして、今回生じる不用額につきましては、予算の減額により対応するものでございます。
次に、雇用調整助成金についてですが、都は、国の雇用調整助成金の支給決定を受けた企業が休業手当等の社内規定の整備などに取り組む際に奨励金を支給しているところでございます。また、休業により収入減等となった中小企業の従業員の方には、実質無利子の融資を行っており、企業の雇用維持と従業員の生活安定に向けた支援を実施してまいります。
次に、家族農業の十年の具体化についてですが、都は、平成二十九年に策定いたしました東京農業振興プランにおいて、小規模でも高い収益を上げている東京農業の特徴を踏まえて、農業振興の方向と今後の施策展開を示しているところでございます。
現在、本プランに基づき、農業者の経営力強化や担い手の確保、育成など、持続可能な東京農業の実現に向けた施策に取り組んでいるところでございます。
最後に、農業振興や農地保全のための支援についてですが、都は、生産、加工、販売のための施設整備や販路開拓など農業者の収益力向上に向けた取り組みを行っているところでございます。
また、生産緑地に関する、いわゆる二〇二二年問題につきましては、多くの農地が特定生産緑地に移行できますよう、地域の農業委員会等と連携して制度の周知の徹底を図っているところでございます。
○生活文化局長(野間達也君) 六点のご質問にお答えいたします。
まず、男女平等参画審議会についてでございますが、本審議会は、東京都男女平等参画基本条例第十五条に基づき、行動計画その他男女平等参画に関する重要事項を調査審議するため、設置してございます。
令和三年度は、審議会により、社会経済情勢の変化を踏まえた次期男女平等参画推進総合計画の基本的考え方について議論を行うこととしてございます。
次に、DV相談件数の増加状況の受けとめについてでございますが、コロナ禍におきましては、生活不安や日ごろにはないストレスを感じることも多く、配偶者暴力などが増加、深刻化することが懸念されてございます。昨年四月から十二月の都内配偶者暴力相談支援センターにおける相談件数は、前年同期の約一・一倍と増加してございます。
相談内容の例としては、在宅勤務を理由に、家事ぐらいちゃんとやれと暴言を吐かれたなどの相談が寄せられてございます。このような状況を念頭に置きまして、引き続き、適切に被害者支援に取り組んでまいります。
次に、配偶者暴力相談支援センターについてでございますが、配偶者等からの暴力被害の回復には、身近な地域で相談から生活再建、自立まで一元的な支援を受けられることが重要でございます。
このため、都は、市区町村における配偶者暴力相談支援センター機能の整備について、令和三年度までに二十の市区町村で整備されることを目標に働きかけを行ってございます。
次に、配偶者暴力相談支援センターの多摩地域への設置についてでございますが、被害者の生活再建までを視野に入れ、身近な地域できめ細かい支援を迅速、円滑に進めるためには、市区町村の役割が重要でございます。
市区町村における相談体制の整備につきましては、相談等それぞれの状況を踏まえ、みずからが必要性を判断し、機能整備を行ってございます。
都はこれまでも、市区町村の機能整備に向け、多摩地域にも個別に訪問し、整備する際のノウハウの提供を行うとともに、課題や懸案事項等、実情に応じた助言を行うなどの支援をしてございます。
次に、配偶者暴力相談支援センター設置に係る市町村への財政支援についてでございますが、配偶者暴力相談支援センターの整備につきましては、市町村がその責任において、財政面も含めて相談等の状況を踏まえ、機能整備の必要性を判断してございます。
都は、婦人相談所以外の施設で配偶者暴力相談支援センターの機能を果たす場合において、婦人相談所と同様に、国の補助対象とするなどの必要な支援を行うよう国に提案要求を行ってございます。
最後に、高校生の就学支援についてでございますが、都は、高等学校の授業料につきまして、国の就学支援金や都の特別奨学金により負担軽減を図ってございまして、年収約九百十万円未満の世帯においては授業料負担が実質無償化されております。
また、低所得世帯を対象にした奨学給付金により、授業料以外の教育費の負担軽減に努めており、令和二年度からは、新型コロナウイルスによる影響を踏まえ、当年の所得減少があった家計急変世帯も新たに対象とし、支給額の増額も行ってございます。
さらに、経済的理由により修学困難な生徒に対して、育英資金による無利子貸付等を行っております。
今後も、こうした施策により、保護者負担の軽減に努めてまいります。
○住宅政策本部長(榎本雅人君) 二点のご質問にお答えいたします。
まず、都の住宅政策についてでございますが、都はこれまでも、住宅マスタープランを定め、総合的かつ計画的に住宅に関する施策を推進してまいりました。昨年七月には、二〇四〇年代を見据え、成長と成熟が両立した未来の東京にふさわしい新たな住宅政策の展開について、東京都住宅政策審議会に諮問し、現在、ご議論いただいております。
答申は、本年秋ごろにいただき、都として、来年度末までに新たな住宅マスタープランを策定する予定でございます。
次に、コロナ禍で住宅に困窮する都民への対応についてでございますが、都は、住まいを失った方の一時的利用住宅といたしまして、TOKYOチャレンジネット事業に都営住宅を現在六十戸提供しております。
また、コロナ禍を踏まえ、既に本年一月から、都営住宅入居者の毎月募集や随時募集の拡充を行っております。都営住宅の供給につきましては、市場動向に左右されず、安定的に供給することが重要であることから、民間賃貸住宅の借り上げによらず、都営住宅の既存ストックの有効活用を図り、計画的な建てかえを進めています。
家賃補助制度につきましては、国の生活保護制度との関係や財政負担のあり方など多くの課題があると考えてございます。
○建設局長(中島高志君) 三点のご質問にお答えいたします。
初めに、調布市陥没事象に対する外環道の事業者の姿勢についてでございますが、国など事業者は、これまで補償に関する相談窓口などにより、陥没箇所周辺住民の方々の事情を伺ってきております。事業者は、二月十四日と十五日に開催した住民説明会におきまして、補償の方針を示し、引き続き相談窓口等を設け、住民から不安や被害の状況を伺っていくこととしております。
都は、そうした状況も踏まえながら、住民の不安払拭に向け、補償を含めた丁寧な説明や、きめ細やかな対応を行っていくことが重要であると認識しておりまして、引き続き国など事業者に対し、確実な対応を求めてまいります。
次に、住民対応についてでございますが、外環事業は、国及び高速道路会社により事業が進められております。国など事業者は、これまで補償に関する相談窓口などにより、陥没箇所周辺住民の方々の事情を伺ってきており、また、住民説明会において補償の方針を示し、引き続き相談窓口等を設け、住民から不安や被害の状況を伺っていくこととしております。
都は、そうした状況も踏まえながら、住民の不安払拭に向け、補償を含めた丁寧な説明や、きめ細やかな対応を行っていくことが重要であると認識しており、引き続き国など事業者に対し、確実な対応を求めてまいります。
最後に、有識者委員会についてでございますが、陥没事象の原因究明など、住民の安全・安心確保の取り組みにつきましては、国など事業者が進めてきております。
今回の事象を受け、トンネル構造、地質、水文、施工技術などを専門とする有識者で構成される委員会が設置され、公正、中立な立場から技術的な検討が行われています。
先日の第六回有識者委員会において、外環シールド工事が陥没、空洞の要因であることが確認され、原因究明に関する調査結果や施工データなど詳細な資料が公開されております。
都は、適切な情報提供など、住民の安全・安心確保に向けた取り組みについて、引き続き国など事業者に求めてまいります。
○財務局長(潮田勉君) 財政運営についてでございます。
都はこれまで、新型コロナウイルス感染症対策として、本定例会に提案中のものも含め、合計二十回の補正予算を編成し、感染拡大を阻止する対策やセーフティーネット対策など、総額二・八兆円を超える対策を講じてまいりました。
また、東京の都市機能を支えるインフラ整備については、来年度予算におきましても、必要な投資は積極的に行うと同時に、執行状況等を踏まえまして、経費の精査も徹底しております。
今後とも、新型コロナウイルス感染症対策にしっかりと取り組みつつ、都政の課題解決に向け、見直すべきものは見直しを行った上で、必要な取り組みは的確に実施してまいります。
【再質問】
○五十六番(原のり子君) 知事に再質問をいたします。
まず、森前会長の女性蔑視発言とジェンダー平等についてです。
一点目です。
私は、森前会長の女性蔑視発言をどのように受けとめるのかと質問しましたが、知事は、森前会長の発言に一言も言及されませんでした。森氏の発言をどう受けとめているかはジェンダー平等への姿勢にかかわる根本問題です。
知事は、許されない女性蔑視発言だと受けとめていないのですか。お答えください。
二点目です。
国内外で批判が広がっているのは、森氏の発言に対してだけではありません。発言の撤回、謝罪でおさめようとした組織委員会やJOC、東京都などの対応は、日本社会に女性への無意識の根深い偏見や蔑視があることをあらわにしました。日本のジェンダーギャップ指数は百五十三カ国中百二十一位で、前年の百十位からさらに後退しています。
世界中が取り組んでいるこの課題に日本が大きく立ちおくれている現実を知事は認識しているのですか。伺います。
三点目です。
国連は、ジェンダーの平等は基本的人権であるだけでなく、平和で豊か、かつ持続可能な世界に必要な基盤でもありますと明言し、あらゆる場所における全ての女性及び女子に対するあらゆる形態の差別を撤廃することを求めています。
知事は、こうしたジェンダー平等の重要性をどう認識しているのかお答えください。
次に、外環道工事の陥没事故について伺います。
知事は、シールド工事が要因とされたことは遺憾だと表明しました。しかし、我が党の警告に耳をかさず、調べようともしなかったみずからの責任はどう考えているのですか。また、事業計画の認可権者として、被害住民の皆さんに謝罪はしないのですか。お答えください。
最後に、東京二〇二〇大会です。
この夏は中止の世論が日に日に広がっていること、五輪開催に反対せざるを得ないという島根県知事の発言などをどう受けとめているのか、知事に質問しました。ところが知事は、この大事な問題に対して、さまざまな調査などが報じられていることは承知している、安全・安心な大会の開催に向けて準備を着実に進めていくという、中身のない、ごく短い答弁をしただけでした。聞いたことに何も答えていません。
知事、この答弁で、都民への説明責任を果たしたと思っているのですか。都民の皆さんが納得すると思っているのですか。改めて伺います。
この夏は中止の世論が日に日に広がっていることや、五輪開催に反対せざるを得ないという島根県知事などの発言について、どう受けとめているのか、知事の言葉でお答えいただきたいと思います。
以上五点、知事の、知事自身の言葉でお答えください。(拍手)
○生活文化局長(野間達也君) 三点の質問にお答えいたします。
ジェンダー平等に関する認識についてでございますが、先ほど知事も本件についてお答えしていますとおり、あらゆる分野で女性が活躍することは、社会全体の生産性を高め、女性だけではなく男性にも大きな影響を与え、男女が対等な立場で責任を分かち合う男女平等参画社会の形成につながることは当然のことであるとの認識でございます。
二点目についてでございますが、ジェンダーギャップ指数が百二十一位ということは十分認識してございます。これにつきましては、当然、改善すべき問題でございまして、女性活躍の推進を都としても積極的に進めているところでございます。
また、差別撤廃についての認識でございますが、こちらは、先ほどもお答えしましたとおり、全ての都民が性別にかかわりなく個人として尊重され、その個性と能力を十分に発揮できる社会づくり、これが重要でございます。こうした認識でございます。
○建設局長(中島高志君) 外環事業に関する再質問がございました。
外環事業は、国及び高速道路会社により事業が進められております。今回の事象を踏まえまして、現在、事業者により、有識者委員会における調査検討とそれを踏まえた対応、あるいは補償に関する対応などが行われております。
都といたしましては、先ほど知事がお答えしたとおり、住民の不安払拭に向け、丁寧な説明やきめ細やかな対応を確実に行うことなどを求め、さらに、有識者委員会による検討結果を住民の安全・安心確保に向けた取り組みに反映させ、確実に行うことを強く求めてまいります。
〔オリンピック・パラリンピック準備局長中村倫治君登壇〕
○オリンピック・パラリンピック準備局長(中村倫治君) 二〇二〇大会についての再質問にお答えいたします。
先ほどもお答えいたしましたように、二〇二〇大会についてはさまざまな調査などが報じられているということは承知しているところでございます。
いずれにいたしましても、安全・安心な大会の開催に向け、コロナ対策調整会議の中間整理に基づき、対策の具体化に取り組んでいるところでありまして、今後とも、国、組織委員会など関係者と連携協力して、安全・安心な大会の開催に向けて準備を着実に進めてまいります。